カメラで静止画を撮影するとき、デジタルズームは使うべきでない...基本的にはそのとおりで、遠景をズームアップして撮影したいときにはレンズを倍率の高いものに切り替えるほうがノイズの少ない、高画質な写真を手にすることができます。
しかし、多くのスマートフォンが、デジタルズーム時の画質向上を図っています。たとえば、Android端末のGoogle Pixelには、デジタルズームしたとき複数枚の写真から高解像度画像を生成する機能(Super Res Zoom)が搭載されていますし、生成AI技術を用いて細部をより鮮明にする「Zoom Enhance」の導入も予定されています。
iPhoneのデジタルズームには、現在のところ生成AI技術は導入されていませんが、撮影時には画像拡大とノイズ低減処理が施されます。しっかり被写体にピントがあい、露出補正も自動処理されます。手ブレ防止機構により、遠景をズームしてもフレーミングを決めやすいというメリットもあります。
さらに、最新モデルのiPhone 15 Pro/Pro Maxには、超望遠撮影時のフレーミングを助ける機能が追加されています。デジタルズームが8倍を超えるとライブビューエリアの隅に小窓が現れ、本来撮影される写真のどの部分をズームしているかを確認できるようになりました。
確かに、デジタルズームを使わず撮影したときと比べると仕上がりの鮮明さ、ビビッドさでは譲りますが、ズームしてシャッターを切るだけでいいわかりやすさがiPhoneのデジタルズームにはあります。あとから編集作業することなく、希望したとおりの構図で遠景撮影・マクロ撮影できるはずですよ。