寒い季節には温かい食事が恋しくなるもの。卓上調理器があれば、食事の最後まで温かいまま、できたての料理を楽しめます。とはいえ、鍋なら卓上IH、お好み焼きならホットプレート、網焼きなら卓上グリルなど、迷いどころ。

そんな悩みを解決してくれるかもしれないのが、シロカの新しい卓上調理器「おうちいろり(SQ-D151/SQ-D151D)」です。1台でグリルにホットプレート、たこ焼きまで調理可能。付属品の多い上位モデルなら鍋や蒸し器にもなります。そのマルチな実力を、シロカにおじゃまして実際におうちいろりを使って調理したランチで楽しんできました。

  • 上位モデルなら鍋や蒸し物まで調理できます

  • 焼き網で調理中の「おうちいろり」。プレートを変更することで、ホットプレートやたこ焼き器に。マイナビニュース +Digitalの林編集長と一緒におうちいろりを体験してきました

「おうちいろり」はプレートの違う2つのモデルを用意

おうちいろりには、付属品が異なる2つのモデルがあります。基本となるのは、焼き網、深皿、ボールプレート(たこ焼きプレート)、そして焼き網以外に使えるフタが付属した標準モデルのSQ-D151です。焼き網を使った炙り焼き調理、ホットプレート調理、そしてたこ焼きなどの調理に対応します。推定市場価格は25,000円前後です。

  • 標準モデルのSQ-D151。中央の本体に加えて、焼き網、深皿、ボールプレート(たこ焼きプレート)、フタなどが付属。本体のみのサイズは幅293×奥行き343mm×高さ95.7mm (突起部含まず)、重さは2.2kg

  • 付属プレートは多いですが、すべて重ねてまとめられるので収納はコンパクト。これはうれしいところ

もうひとつのモデルは、標準の付属品に土鍋と蒸し皿(陶製すのこ)を追加したSQ-D151Dです。土鍋と蒸し皿は、1832年からという長い歴史を持つ伊賀焼窯元の長谷園によるもの。

このモデルなら、本物の土鍋を使って鍋や蒸し物が楽しめます。実は「本物の土鍋」が使える卓上調理家電は少ないので、かなり魅力的なポイントです。推定市場価格は40,000円前後と、高級土鍋が付属することから少々お高め。

  • SQ-D151Dは標準モデルと同じ構成に、土鍋と蒸し皿を追加

せっかくなので、今回は上位モデルのSQ-D151Dを使っていろいろな料理を体験してきました。

あれもこれも1台でOK!

まずは焼き網を使ったグリル料理から。おうちいろりは、焼き、炙り(あぶり)、炒め、煮物、蒸し物など幅広い調理に対応しますが、それだけではありません。

1,200Wで繰り出される高い火力も特徴のひとつ。電気グリルは食材になかなか焼き目が付かないことも多いのですが、おうちいろりは野菜にも割とすばやく焼き色が付きました。

  • 焼き網を使って調理する場合は、まずヒーター下にある油受けに水を張ります。これで調理時の煙を抑えるそうです

  • おうちいろりの焼き網で炙り焼き。練り物や万願寺唐辛子に美味しそうな焼き色が付きました。火力はレバーを左右に動かして調整します(5段階)

  • 網の一部には、ヒーターユニットを守るためのヒーターカバーが。焼けた食材をこのカバー上に移動させると、焦がさず保温もできて便利でした

シロカは、油受けに水を張ることで煙を抑える「減煙構造」だと説明しますが、肉などの脂が直接ヒーターに付着すれば、さすがに油煙が発生します。この場合、ヒーターユニットを取り外してお手入れすれば対処できそうです。

  • 今回グリルで焼いた食材は、比較的脂が落ちにくいものを中心に選んでいます。油煙が気になるなら食材選びは重要。豚トロなどの脂たっぷりの食材は、深皿で焼くほうがよさそうです

  • ヒーターユニットだけを取り外したところ。掃除しやすいヒーター分離式は日ごろの使い勝手を高めてくれます

  • 焼き網の脂が焦げても油煙が出ますが、焼き網には焦げ付きにくいといわれる線径1.6mmの極太網を採用。網が熱くても交換できるように、専用の取っ手(プレート交換用)も付属します。取っ手は焼き網のほか深皿やボールプレートの交換にも使えます

焼き網のサイズは直径23.9cmなので、焼き網をメインにした料理をするなら2人前くらいがちょうどよさそう。3人以上で食卓を楽しむときは、ソーセージやスルメといった酒の肴を炙ったり、メイン料理の横で野菜などを焼いたり、あるいは今回のように食事の前菜のように利用する「チョコチョコ食べ」用途に便利そうでした。

さて、野菜中心の前菜網焼きに続いて、深皿プレートを使うメインディッシュの調理です。深皿はホットプレートとしても利用できる直径289×高さ69mmの鋳物製。900gとずっしりした重さの鋳物ということで、蓄熱性が高くすき焼き鍋としても優れもの。今回は、この高い蓄熱性を生かしてステーキを焼きました。

  • 高火力なので、深皿が200℃に到達するまで約6分となかなかスピーディー。ひっくり返すと焼き色もしっかり。写真の肉は300gオーバーの、ステーキとしては大きな塊でした

シロカによると、肉の美味しさを引き立てる「香ばしいかおり」が出やすいのは約200℃なんだとか。このため、おうちいろりは深皿プレート使用時のみ約200℃で温度を固定する「ヘルシーモード」を備えており、厚みのあるステーキ肉の肉汁もギュッと閉じ込められるそうです。

  • 焼いたあとにお皿で少し落ち着かせたらできあがり。大きな肉でしたが、中心までロゼ色に火が通っています。美味!

上位モデルの土鍋と蒸し皿を使った蒸し野菜も。蒸し野菜は、土鍋で出汁を沸騰させ、陶器の蒸し皿の上に野菜を並べて調理します。出汁の香りが野菜に乗り、美味しい蒸し野菜が楽しめました。

ちなみに、今回はステーキを焼く前に蒸し野菜を調理して、ステーキ調理中は蒸し野菜を土鍋ごとテーブルの上に放置していました。土鍋と蒸し皿の蓄熱性の高さからか、ステーキが焼けても野菜は温かなまま食べられました。

  • ステーキを焼く前に、土鍋と蒸し皿を使って蒸し野菜を調理。火の通りにくいサツマイモとレンコン、かぶを先に蒸し、あとからオクラとトマトを加えて蒸します

  • ステーキ調理中は出汁の入ったままの土鍋をおうちいろりの横に放置。フタをしめておいたからか、15分後も野菜はまだ温かなまま。おうちいろり1台で暖かい蒸し料理とステーキを同時に楽しめます

  • 野菜を食べたあと、蒸し皿を外せば「出汁の入った土鍋」が残ります。そこで、ここに鶏肉や野菜、豆腐をいれて鍋の完成。最後はうどんで〆ました

以上、おうちいろりを使ったボリューミーなランチでした。プレートを次々と入れ替えることで、おうちいろり1台で前菜の炙り、ステーキ、蒸し野菜、鍋という4種類の調理を体験しました。

今回はボールプレート(たこ焼きプレート)は使いませんでしたが、ボールプレートでホットケーキミックスを使ったベビーカステラを作ってデザートに……といった使い方も。アイディアしだいでいろいろな楽しみ方ができる魅力的な調理家電です。