回転寿司チェーン「くら寿司」が、アメリカにもあることをみなさんご存じでしょうか。アメリカと日本の「くら寿司」の違いについて調査すべく、現地在住の筆者が店舗に潜入! その様子を紹介したいと思います。
■待ち時間100分なんて日も! アメリカで大行列の人気店
筆者が訪れたのは、アメリカ・カリフォルニア州サンフランシスコのショッピングモール、ストーンズタウン内にある店舗です。
以前からこちらに店舗があることは知っていたのですが、大人気でその長蛇の列に並ぶことができなかった筆者。ですが、今回は潜入レポートのため、順番待ちする覚悟を決めました。
この日の待ち時間は「100分」。土曜日だったのでファミリーやカップルが多い印象です。受付時に携帯番号を登録をする仕組みで、Webサイトから残りの待ち時間を確認することができます。また、「もうすぐ呼ばれるので店舗前でお待ちください」というメッセージが届くので、待ち時間もショッピングモールで買い物を楽しむことができました。
ようやく訪れた順番。家族4人でテーブル席に案内されると、「ここは日本かな?」と思うくらい、懐かしい店舗の様子にホッとします。そして、聞こえてきたのが「いらっしゃいませ〜」の日本語!! なんて懐かしい響きなのでしょう。日本人ではないスタッフさんたちですが、日本語で歓迎してもらえてうれしい気持ちに。
着席し、初来店の旨を伝えると、はじめに皿の抗菌カバーの取り方について説明を受けました。なんと、アメリカのくら寿司にもカバーが付いているんですね! そんな日本らしい丁寧な接客で感動をしたのもつかの間、このあと"アレもコレもない!!"という事態に驚きが止まらなくなるんです。
■アレもコレもなかった…! 日本との違いにびっくり
なんと、くら寿司をはじめ多くの回転寿司チェーン店に"必ずある"と言っても過言ではないものが見当たらないのです。
席に座ると必ず作る"アレ"。そう、熱々の「お茶」!!!!!!! なんと、アメリカには、お茶を入れるためのお湯専用蛇口が見当たらないのです。もちろん、お茶の粉末も見当たりません。
そして、ついに見つけてしまいました。メニュー表にある「Hot Green Tea 3.95ドル(約573円)」の文字。そりゃ、こっちは無料じゃないか……。
そのほか、おはしやわさびもテーブルごとに置かれていないので、スタッフにお願いする必要があります。ちなみに、お願いしたものはロボットで運んできてくれます。
日本と同じといえば、タッチパネルから注文すると、寿司やサイドメニューが専用のレーンから運ばれてくるというシステムは一緒です。メニューは日本でもおなじみのマグロ・タコ・エビ・イカ・サーモンなどのネタが提供されているので、懐かしの味を堪能することができます。
とはいえ、アメリカでよく見る創作系ロール寿司の種類が豊富だったり、外国人には苦手な人も多い"納豆"の寿司がなかったり、そのラインナップにアメリカらしさを感じます。また、生卵を食べる習慣がない現地の人向けにユッケの卵に火が通っているなど、親しみのあるメニューもアメリカ仕様になっています。
中でも特徴的なのが手巻き寿司。海苔の代わりに「SOY PAPER」という豆から作られた生地を使っているんです。少し甘味のある生地に胡麻の風味が香る、まるで"和風クレープ"のような感じです。
■アメリカ版「ビッくらポン!」の景品獲得確率に驚く
そして、個人的に一番気になっていたのが「ビッくらポン!」。景品をかけて5皿に1回ガチャが回せるというもので、同社を代表するサービスです。実は、アメリカ版の「ビッくらポン!」、少しシステムが違うんです。
なんと「Receive a FREE prize for every 15 sushi plates! (15皿ごとに1個の景品がもらえるよ!)」と書かれているではありませんか!!
日本の「ビッくらポン!」では、アタリ・ハズレの結果に一喜一憂していたように思うのですが、アメリカ版では「15皿食べれば必ず景品がもらえるからね」って宣言されています(笑)。しかも賞品は、ほしければ購入もできてしまうというのです。
もはや、「ビッくらポン!」の醍醐味がどこかに行ってしまっているように思うのは筆者だけでしょうか(笑)!? とはいえ、必ずもらえるというのは食べる励み(?)になるようで、子どもたちはどんどんお寿司を食べていました。15皿食べさえすれば必ずアイテムがもらえるので、姉妹でけんかすることもありません。子どもたちにとっては満足度が高かった様子です。
また、気になるお値段はというと、寿司一皿の料金が3.85ドル(約558円)、ラーメンは11.45ドル(約1,660円)もする高級品でした……。110円(店舗によっては125円)のお皿に慣れ親しんでいる日本人にとっては、ちょっぴりお高いなという印象。それでも、懐かしい日本の寿司を堪能できるとあって、個人的にお値段以上の価値を感じることができました。
みなさんもアメリカを訪れた際には、ぜひ現地の「くら寿司」を訪れてみてはどうでしょう。寿司をお土産にすることはできませんが、きっと驚きの面白〜いお土産話ができること間違いなしです。