「意地悪」とは、わざと人を困らせたり、苦しめたり、冷たい仕打ちをしたりすることです。特に弱いものに対して行われることが多いです。このような意地悪は、決して相手のためを思って厳しくしているのではなく、単に自分の身勝手さからきているのですが、人に意地悪ばかりしている人は、どのような末路を迎えるのでしょうか。

本記事では意地悪な人の行く末や、意地悪な人との付き合い方を紹介。意地悪な人の共通点やよくある行動、意地悪をする原因もまとめました。

  • 意地悪な人の末路

    意地悪な人の末路や、なぜ意地悪をしてくるのか、その心理、上手な付き合い方などを紹介します

意地悪な人の行く末とは

「因果応報」という言葉があるように、他人に意地悪をすれば、自分にも必ず返ってくるはずです。

では意地悪な人は、具体的には一体どのような未来に行き着くのでしょうか。考えられるケースを見ていきましょう。

周りの人が離れていき孤立する

意地悪な人とずっと一緒にいたいと思う人はいませんから、だんだんと周りの人が離れていき、孤立してしまうでしょう。

意地悪な行動を繰り返している人は、一見優位な立場に見えますが、周りの人が愛想を尽かして離れていくことによって、最終的には独りぼっちになってしまうのです。

因果応報でやり返される

「因果応報」「カルマ」「報い」といった言葉があるように、他人に意地悪をしたことは、自分にもきっと返ってくるでしょう。

意地悪をされた側も人間ですから、当然腹を立て、やり返したいという気持ちがわいてきます。意地悪をしていた側が、いつの間にか意地悪をされる側になっていることは、よくあることなのです。

意地悪な人は周りとの信頼関係を築いていないため、意地悪をされたときに相談する相手がいません。そのため、自分が意地悪をされたときは誰よりも落ち込んでしまうことがよくあります。しかし、意地悪をした相手にやり返されても、相手を責める権利はないのです。

周りからの信頼を失う

意地悪な人は、最終的に周りからの信頼を失ってしまうでしょう。ある人を無視する、相手の気持ちを想像しない、相手によって態度を変えるといった行動を続けていると、意地悪をしている相手はもちろん、それを見ていた人からの評価が下がり、最終的には周囲からの信頼を失うのです。

その結果、意地悪な人は自分が困ったことに遭遇しても、誰かから助けてもらうことは期待できなくなります。他人を傷つけてきたことの結果ですから、当然のことと言えるでしょう。

努力していないので結果が出ない

意地悪な人は、人を蹴落とすことや、人の足を引っ張ることによって上に行こうとするため、自分の能力を高めるための努力をせずに過ごしていることが多いです。

少しでも嫌だ、面倒だと思ったことは、他の人に押しつけて自分は楽をすることも多いです。

努力をしておらず、経験も乏しいために仕事の結果が残せず、周りから「口だけの人だ」「人には文句を言うくせに自分もできないのか」などと評価されてしまうこともあります。

周りと対立して精神的に疲弊する

意地悪な人の攻撃的な態度は、周りとの摩擦を生み、周囲と頻繁に対立するようになるでしょう。例えば他人の意見を無視して自分の意見を押し通そうとすることは、周囲との争いのきっかけになります。意地悪な人は、そのようにして周りからの否定的な反応を受け取ることが多く、だんだんとストレスがたまり、精神的に疲弊していくのです。

また、周りから孤立することや周りとの対立を経験することによって、孤独感が増し、不安定になることもあります。

意地悪な人への対処法や上手な付き合い方

  • 意地悪な人への対処方法

意地悪な人の末路は不幸なものであるはずだと分かってはいても、意地悪な人がいると、その場所に行くのがおっくうになりますね。

だからといって、例えば仕事であれば「もう明日から会社には行きません」と言うわけにもいかず、嫌なママ友がいたとしても、子どものために付き合いを続けなければいけないこともあるでしょう。自分の心を穏やかにするためは、意地悪な人への対処法を知って、適度な距離感を保ちながらうまく付き合うことが大切です。

ここでは、意地悪な人への対処法や上手な付き合い方を紹介します。

できるだけ関わらないようにして、何かされても相手にせずスルーする

意地悪な人と下手に関わるとストレスになりますから、自分が穏やかな気持ちで過ごすためにも、関わる機会が最低限になるように意識しましょう。

仕事や親戚付き合いなどでどうしても関わらなければならず、その際に話し掛けられたときは、最低限の返事だけをするなど、常識の範囲内で距離をとって付き合うのがおすすめです。

また意地悪な人に嫌なことを言われても、相手にせず極力スルーしましょう。意地悪な人は、意地悪をしたときの相手の反応を見て楽しんでいるものです。意地悪をした相手に悲しみの表情や困惑した表情が見られると、喜びを感じるのです。そのため、どんなに嫌みな態度をとられたとしても、ノーリアクションを心掛けましょう。それが相手への無言の抵抗となります。

あえてポジティブな反応をしてみるのも一つの手です。意地悪な人は相手の嫌がる様子が見たい場合も多いため、こちらが逆にポジティブな反応を見せていると、期待通りの反応が得られないことから、つまらなくなって離れていくかもしれません。

意地悪をされてもすぐに立ち直る

意地悪をされると、しばらく引きずってしまう方も多いのではないでしょうか。しかしそれでは相手の思うつぼですから、「立ち直る力」を身に付けましょう。意地悪をしてくる人を変えるのは難しいので、自分の心、考え方を変えましょう。

意地悪をしてきた相手を許せるのがベストですが、それができない場合は「自分の人生には何の関係もない人だ」と考えるようにしましょう。

「意地悪をしてくる人のせいで不幸になった」と嘆きたくなることもあると思います。しかし、幸せは自分自身で作り出すもの。どんな状況でも幸せな自分になるためには、人や環境のせいにせず、「自分で自分を幸せにしてあげる力」を持つことが大切です。

趣味に没頭したり、推し活をしたり、好きな食べ物を食べて、自分の中の活力を取り戻すことをおすすめします。

意地悪な相手の心理を理解する

もしかすると意地悪な人は、悲しみや劣等感、トラウマなどを抱えて苦しんでいる可能性もあります。

例えば、ある人が他人をバカにするような言動をくり返している場合、実はその人自身の自己肯定感が低く、他人を下に見ることでしか自分の価値を感じられない人なのかもしれません。そのような観点に立ってみると、意地悪な人に対する怒りよりも、かわいそうだという哀れみの感情がわいてくるかもしれません。

ハッキリと反論する

意地悪な人に対して、ハッキリと反論することも大切です。軽い冗談のつもりで意地悪な態度をとってくる相手に対しては、不快な思いをしていることをハッキリと伝えることで、自分が意地悪をしていることを自覚させられるかもしれません。

また意地悪な人は、意地悪をしても言い返してこないだろうと思うような、自分より弱そうな相手を選んでいます。「この人には何を言っても大丈夫だ」と、勝手に決めつけているのです。

言われっぱなしにせずにしっかり反論することで、「自分はあなたの言いなりにはならない人間だ」ということを表現しましょう。それでも意地悪を続ける相手に対しては、自分よりも精神年齢の低い人だと思って放置するのがいいでしょう。

意地悪な人の特徴とは? どんな人が意地悪になりやすい?

  • 意地悪な人の持つ共通点とは

そもそも、意地悪な人とはどういった人のことを指すのでしょうか。意地悪な人によく見られる特徴を把握しましょう。

人よりも強い立場にいることにこだわる

意地悪な人によく見られる特徴として、プライドが高く、人よりも強い立場にいることにこだわるという点があります。常に人よりも強い立場でいたいため、自分の立場をおびやかすような人が現れると、嫌がらせをする、足を引っ張るなど、相手をおとしめることに注力します。自分よりも立場が弱い人を作り出すことで、自分の方が上だと安心したいのです。

また、縄張り意識が強い人も多いでしょう。自分の居場所に新しい人が入ってくると、自分の慣れ親しんだ環境が変わることや、新しい人が周りに注目されることに恐れを感じて、相手を強く警戒し排除しようとします。

さらに、周りを怖がらせることで自分が「怒らせてはいけない人」と思われるように仕向け、自分にとって都合の良い環境を作ろうとしがちです。他人がどう思うかよりも、自分が快適かどうかが最も大切なのです。

承認欲求が強すぎる

意地悪をすることで、周りから注目されたい、構ってほしいという欲求を満たそうとしている可能性もあります。

そのような人は現状の自分に満足しておらず、寂しさや自信の無さ、むなしさなどを心に抱えていて、「自分の存在や能力を認めてもらいたい」という承認欲求の強さが見受けられます。

相手によって態度を変える

意地悪な人の多くは、誰彼構わず意地悪をしているわけではありません。人に出会ったときに、その人と付き合うことで自分に利益があるかどうかを見極め、人によって態度を変えているのです。

自分よりも劣っている、または立場が弱いと判断した相手に対しては、相手を軽んじた態度をとります。一方で、自分より強い立場の人や優秀な人、付き合っていると自分に利益があると判断した人に対しては、気に入られるために愛想よく振る舞う傾向があります。

この特徴は世渡り上手のように見えることもありますが、見ている人はよく見ていますから、「人によって態度を変えるような人間だ」と軽蔑されることも珍しくありません。そして優秀な人ほど人のことを見る目がありますから、気に入られようとしてこびを売っても、すべて見抜かれていることもよくあります。

意地悪な人によくある行動とは

  • 意地悪な人の行動あるある

意地悪な人はどこにでもいますから、たとえ環境やコミュニティーを変えたとしても、また以前と同じようなタイプの意地悪な人と出会うこともあるでしょう。

ここでは、意地悪な人に共通した行動パターンを紹介します。

すぐに人の噂や悪口を言う

すぐに人の噂や悪口を話したがるのは、意地悪な人によく見られる行動パターンです。わざと相手に聞こえるような声で悪口や愚痴を言い、相手に不快な思いをさせることを楽しんでいるのです。また、表面上では良い顔をして付き合いながらも、陰では根拠のない噂を流している人や、相手の悪口を言っているような人もいます。

相手がその場にいれば否定や反論をされる可能性もありますが、相手がその場にいなければ言いたい放題です。その場にいない人の悪口やうわさ話を話すことで、自分の優越感を満たしているのでしょう。

周りの人が困っていても助けない

意地悪な人は、自分が困ったときは相手の都合など関係なしに助けを求めるにもかかわらず、周りの人が困ったときには見て見ぬふりをして助けません。

誰かに言われて仕方なく手伝うことはありますが、嫌々手伝っているのが明らかなので、手伝われた方は不快な気分になることもあるでしょう。

特定の一人を仲間外れにする

意地悪な人は、特定の誰かをターゲットにして仲間外れにするなどの行動をとることも多いです。仲間内で一人だけランチに誘わない、お土産やお菓子などを一人だけあげないなど、地味ではあるものの、意地悪をされていることを相手に確実に気付かせるような行動をとります。

これはグループ行動を好むタイプの人に多く見られるパターンです。

わざと情報共有をしない、足を引っ張る

職場や学校のPTA、自治会などにおいて、チームでの仕事をスムーズに進めるためには、関わっている人全員での情報共有が欠かせません。しかし、意地悪な人は自分の気に入らない人に対して、わざと情報共有をせず、相手を困らせようとすることがあります。相手に失敗をさせたい、仕事の成果を自分だけのものにしたいといった自分勝手な思いから、情報共有をしないのです。

意地悪な人は目上の人に対しては良い顔をしがちなので、たとえ情報共有をしていなかったことを指摘されても、適当な言い訳やうそで、自分には非がないことを主張することもあります。

マウントをとる

意地悪な人は、経済状況や夫の勤務先、学歴、家庭環境などについて、自分の方が立場が上であるとマウントをとってくることもあります。自分の方が上だと言えれば、自慢する内容は何でもいいのです。

意地悪な人には承認欲求が人一倍強い一方で、自分に自信が無く不安感が強い人も多いため、自分を大きく見せようとしてマウントをとるのでしょう。

相手が傷つくようなキツイ言い方をする

意地悪な人は、わざと相手を傷つけるようなキツイ言い方をしてくる人も多いです。高圧的な態度でわざとキツイ言い方をして、相手を封じ込めようとするのです。

また意地悪な人の多くは自分本位で、「自分さえ良ければ周りのことはどうでもいい」という考え方をしています。そのため、キツイ言い方をして相手に反論の余地を与えず、自分の意見を押し通そうとする傾向があります。

嫌なことを人に押しつける

意地悪な人は、苦労をしたくない、失敗を自分の責任にしたくない、自信が無いといった思いから、嫌なことを人に押し付ける傾向があります。また、面倒なことを人に押し付けて、その人が困っている様子を楽しんでいる場合もあります。

物事にチャレンジせず、「なんとなく面倒だ」「自分には難しそうだ」と感じたことは人に押し付けるため、いつまでたっても能力が上がりません。

意地悪な人の心理や意地悪をしてしまう原因

  • 意地悪な人の心理・原因

意地悪をしてくる人に対して、「自分にも落ち度があるのでは」と悩んでしまう方も多いかもしれません。また、意地悪な人がなぜそのような行動をとるのか、不思議に思う人もいるでしょう。

ここでは意地悪な人の心理を解説します。どんな心理が意地悪な行動をとるきっかけになるのかを理解すれば、少しは気持ちが楽になるかもしれません。

自信が無く嫉妬深い

意地悪な人は、嫉妬深い性格をしていることがよくあります。意地悪をされる場合は、相手はあなたのことを「自分より優れた能力を持っている」と判断して、あなたに嫉妬している可能性があります。そして、わざと困らせるようなことをして邪魔をすることで、あなたを自分と同じレベル、もしくはそれより下のレベルに落とし、自分の立場を優位にしたいと考えているのです。

本来ならば自分が努力をして、成長していくべきです。しかし意地悪な人には自信が無かったり、努力を積み重ねるだけの能力やエネルギーが無かったりするため、相手に意地悪をして足を引っ張ることしか考えられないのです。

悪気がなく冗談のつもりでいる

いくら意地悪された側が傷ついていても、意地悪をしている本人には悪気がなく、ただ単にからかっているだけ、冗談を言っているだけ、というつもりのことも多々あります。

そのような人は意地悪を指摘すると「ちょっと冗談を言っただけなのに」とふてくされることもあります。意地悪な人の中には、「相手が嫌がっている」ことを「相手が喜んでいる」と解釈する人も多いようです。相手の気持ちを理解することや想像することが苦手なのでしょう。

自分の人生に満足していない

意地悪な人は、自分の人生に満足していない人も多いです。誰かに対して意地悪な行動をとることで、自分の満たされない思いを埋めようとしているのです。

行き詰まっていると、心に余裕がなくなってイライラした気持ちになることや、焦りの気持ちが出てくることは誰にでもあることです。意地悪な人はそのような気持ちを自分の中で上手にコントロールできず、周りにいるうまくいっている人に対して意地悪な態度をとってしまったり、「なぜ自分だけうまくいかないのか」と被害妄想を抱いてしまったりするのです。

性格がネガティブで傷つきやすい

意地悪な人の中には、何事もマイナスな方向に考えてしまう人も多くいます。そのため、相手から嫌われる前にあえて自分から距離をとる他、わざと意地悪な態度をとってしまうことがあるのです。

人との関わりの中で自分が傷つくことを避けるために、意地悪をすることで、周りよりも上の立場でいることにこだわる傾向も見られます。

また、本当の自分を否定されて傷つくのを避けるために、意地悪な自分というキャラクターを作り上げていることもあるでしょう。

負けず嫌いで他人と比べがち

意地悪な人の中には、負けず嫌いで、他人と自分を比較することが癖になっている人も多いです。誰にも負けたくない気持ちが強いため、何かにつけてマウントをとりたがり、逆に自分がマウントをとられると、むきになって相手に暴言を吐くこともあります。

負けず嫌いな性格は、決して悪いことではありません。負けず嫌いな性格の人の中には、誰よりも頑張って周りよりも成長しようとする努力家な人も多く、そのような人は仕事でも良いポジションに就いていることが多いです。

しかし、負けず嫌いであるがために他人を蹴落として自分が上に行こうとしたり、優秀な人に対して意地悪な態度をとったりして周りを不快な気持ちにさせてしまうのは、ただの意地悪です。

意地悪な人には上手に対処して、自分の幸せを守ることが大事

今回は、意地悪な人の行く末や、意地悪な人への対処法、意地悪な人に隠されている心理などを解説しました。意地悪な人の行く末は決して明るいものではなく、孤立や対立、精神的な疲弊など、不幸な結末が待っていると言えるでしょう。

そして意地悪な人に対してどのような態度をとるかで、あなた自身の未来も変わってきます。意地悪な人を恨み続けていても幸せにはなれませんし、仕返しをしてしまったら意地悪な人と同類になってしまいます。今回の内容を参考に意地悪な人への上手な対処法を身に付けて、自分自身が幸せになれる選択をしていきましょう。