総合人事コンサルティング会社のフォー・ノーツは、2023年8月24日~8月27日に全国の経営者・人事業務に携わる社員475名を対象に「人事制度・人事施策の実態調査2023」をインターネットにて実施した。

  • あなたの会社に、人事ポリシーはありますか。

  • 企業規模別: 人事ポリシーの有無

人事ポリシー(人事制度・施策を企画・運用する際に、原則・基準となる方針や考え方)の有無について聞くと、「ある」が67.8%で「ない」(32.2%)を大きく上回った。企業規模別に見ると、規模の大きい企業ほど人事ポリシーがある傾向が読み取れる。

  • 現在運用されている人事制度や人事施策について

  • ポリシーの有無別: 現在の人事制度・施策について

現在運用されている人事制度・人事施策の成否について聞くと、「上手くいっていると感じる」は15.6%、「どちらかといえば上手くいっていると感じる」が55.4%で、約7割の企業が上手くいっていると回答し、人事ポリシーがない企業に比べて高い割合となっている。

  • 上手くいかなかった、もしくは失敗だった人事制度・人事施策

上手くいかなかった、もしくは失敗だった人事制度・人事施策は、「目標管理制度(MBO、OKR)」(26.5%)、「テレワーク・在宅勤務制度」(20.6%)、「フレックスタイム制度」(14.9%)と続いた。これについて、「目標管理制度に理解はできても、自分の目標を立てる事自体のスキルがなかなか身につかず、また、目標の数値化にも馴染まない職種が多く、機能しなかった。」「(テレワークが)準備不足で、社長と一部の従業員の溝が、より深くなった。」「MBOを導入したが、目標設定の難易度が部門ごとにばらばらで公正な価につながらなかった。」などのコメントが寄せられた。

  • 失敗したことによる社内への影響

失敗したことによる社内への影響は、「管理職が疲弊した」が22.7%と最も多く、「社員のエンゲージメントやモチベーションが下がった」(21.1%)、「会社への不信感が強まった」(19.1%)などが挙げられた。

  • 上手くいかなかった人事制度・人事施策への事後対応について

上手くいかなかった人事制度・人事施策への事後対応については、「事後対応は実施していない」が38.5%と最も多かった。「制度・施策の内容を変更した」(34.1%)、「新しい制度・施策を導入した」(16.1%)などの対応をとった企業も見られた。改善点としては、「部分的に小さく始めて実証試験をしてから正式に採用すべきでした」「もっと早く制度廃止を決断していれば、離職率が下がっていたと思う。」「自社の業務や社員の持ち味などをもっと熟慮して、意見を聞きながら制度設計すべきだった」などのコメントが寄せられた。