ベイシアは、2023年3月に発表した新プライベートブランド(以下PB)「Beisia Premium(ベイシアプレミアム)」の第5弾として、新たに22商品を11月1日より発売する。11月1日には都内でメディアに向けた「Beisia Premium 試食会」を開催、注目商品をレポートしていこう。

  • ベイシアPB「Beisia Premium」より新しく22商品が発表された

"小売りのプロ集団"による目利き「ベイシアプレミアム」とは?

試食会の冒頭では、ベイシア マーケティング本部長 井上博之氏よりベイシアプレミアムブランドの戦略について説明が行われた。

  • ベイシア マーケティング本部長 井上博之氏

「昨今の消費者背景として、お客様の"いかに安く、いかに質が良いか"の見極め力が高まっています。『ベイシアプレミアム』はそのような背景から開発されたブランドです」と井上氏。

2023年3月に発表したベイシアのプライベートブランド「ベイシアプレミアム」は、ベイシアの企業理念である「より良いものをより安く」に基づき高品質と低価格を両立したPBだ。”お客様の生活に近い小売のプロ集団"と自負し、社員が産地や市場に赴いて直接目利きをすることで、産地や生産者と連携した商品開発や仕入れを行っている。また品質を担保するために第三者機関で味覚調査を行い、「目標品よりも優れている」と判断されたものが「ベイシアプレミアム」の名を冠して販売される。

  • 「目利きポイント」を紹介する販促物も店舗内に展開している

「目利き」が選んだ商品という点はベイシアの店舗内でも押し出しており、開発者の似顔絵とともに「目利きポイント」を載せた販促物を使って価格と質をアピールしている。実際に「ベイシアプレミアム」のローンチ後、各カテゴリーに於いて同シリーズは売上を牽引しており好調とのこと。2024年2月までに、合計100以上のアイテムを展開していくという。

「Beisia Premium」新ラインナップ、注目アイテムは?

今回新たに22商品が加わる中で、特に注力する商品の試食も行われた。

  • 写真左よりBeisia Premium 京のほうじ茶 500ml」(73円)、「Beisia Premium 酸味がありなめらかなマヨソース 500g」(257円)

「Beisia Premium 京のほうじ茶 500ml」(73円)は、産地にこだわった「お茶処シリーズ」第三弾の商品だ。これまで静岡の掛川、鹿児島の霧島を手掛けており、今回は京都府和束産の一番茶100&%使用。京都・宇治「上辻園」の監修を受けており、直火焙煎の深いコクと香り、渋みを抑えた甘香ばしい後口が特徴だ。

また昨今卵の値上がりの影響を受けマヨネーズ類も値上げが行われるなか、PB商品が大きく伸長している。その状況を受け開発された「Beisia Premium 酸味がありなめらかなマヨソース 500g」(257円)は、カロリーオフタイプのマヨネーズでもコスパのよい商品を提供したいと企画されたアイテム。

同社のマヨネーズと比較してカロリーは45%オフ、味に丸みのある穀物酢を使っており、爽やかな酸味が楽しめる。酸味がしっかりと感じられるため、揚げ物や焼き物、お好み焼きやサンドイッチにも合うという。

  • 写真左より「Beisia Premium 韓国直輸入キムチ」(375円、11月14日まではお試価格321円)、「Beisia Premium 生オレンジドレッシング」(429円)

「Beisia Premium 韓国直輸入キムチ」(375円、11月14日まではお試価格321円)は、熟成・発酵感のある本格的なキムチの売上が伸長していることを受け、本場・韓国から製造・直輸入したキムチだ。本格志向の商品で、新たな客層の獲得を狙っていく。

白菜は、水分が少なくしっかりした歯ごたえの韓国産白菜を使用、また塩辛の選定には苦労したという。韓国ではメジャーな魚・イシモチの塩辛を使用することで、複雑な魚介の旨味や後味が楽しめる。また、韓国では発酵の度合いでキムチの食べ方を変える食文化があることから、浅漬かりはそのままご飯に、賞味期限30日前頃からは豚キムチやチゲ鍋として料理に活用する使い方も提案していくという。

「Beisia Premium 生オレンジドレッシング」(429円)は、商品名の通り生オレンジを20%以上配合した商品。非加熱で素材を活かしており、野菜だけでなくチーズや刺身にかけても楽しめる。

人気のPB牛乳を使用したスイーツをリブランディング

ベイシアの人気商品「別海のおいしい牛乳」を使用した商品群は、今回の新商品発表とあわせて「Beisia Premium」としてリブランディングされる。

  • 「別海のおいしい牛乳」を使用した商品

北海道別海町は、生乳生産量日本一を誇る酪農王国で、乳質が良いことが特徴だ。ベイシアでは「おいしい牛乳を作っているので、牛乳で飲んでほしい」という思いを持つ酪農家の方からの声を受け、2017年より「別海のおいしい牛乳」を取り扱っている。別海町のなかでも厳選した3軒の酪農家から提供されており、乳脂肪が高く濃厚ではあるがすっきりとした味わいが特徴だ。これまでも同商品を使用したアイテムを開発・販売してきていたが、今回のリブランディングではパッケージを刷新し「別海のおいしい牛乳」とスイーツがリンクしていることを伝えていく。

  • 八天堂とコラボしたフローズンスイーツなどが登場

リブランディングでは、新規商品を含む5商品を展開する。「Beisia Premium 別海のおいしい牛乳使用 くりーむぱん(プレーン・掛川茶)」(各246円)は、くりーむパンで人気の「八天堂」とコラボした商品だ。原料を全脂粉乳から牛乳に変更し、より美味しくリニューアル、またラインナップに静岡県掛川産のお茶を使った「掛川茶」が加わった。また同じく八天堂と共同開発した「Beisia Premium 別海のおいしい牛乳使用 くりーむマフィン」(300円)も、全脂粉乳から牛乳に変更している。

  • 「Beisia Premium 別海のおいしい牛乳 クッキーバターサンド(プレーン・レーズン)」(278円、※11月14日までお試価格246円)

新商品「Beisia Premium 別海のおいしい牛乳 クッキーバターサンド(プレーン・レーズン)」(278円、※11月14日までお試価格246円)は、クリームチーズと別海の生乳から作ったなめらかなバターを使ったクリームを、しっとりしたクッキーで挟んだフローズンスイーツ。分厚いクリームが食べ応えのある一品だ。

「別海のおいしい牛乳」を手掛けた同社 商品マーチャンダイズ事業部 商品企画部長 須永耕示氏も試食会で商品を説明、「単純に別海の牛乳を使うのではなく、おいしいものだけを『ベイシアプレミアム』として提供していきます」と自信を見せた。今後は「別海のおいしい牛乳」を使用したシリーズの拡大や、別素材を利用したシリーズの展開など、ベイシアプレミアムの下に立てていくという。

「より良いものをより安く、というお客様のニーズを受けて、今後も新しい切り口で商品ラインナップを拡大していきます」と井上氏。食品の価格高騰が続くなか、各スーパーチェーンでは低価格・高品質なPBを展開しているが、「ベイシアプレミアム」を試した消費者が「このブランドならおいしい」と他の「ベイシアプレミアム」商品を手に取ることも多いという。ブランドのスタートから8カ月、今後の展開に注目したい。