OPPOの最新スマートフォン「OPPO Reno10 Pro 5G」は、ソフトバンクが「神ジューデン」のキャッチコピーで販売する、超高速充電対応のミドルレンジモデルです。メーカーの直販価格は86,800円ですが、ソフトバンクオンラインショップの新規加入での実質支払い額は22,008円(新トクするサポート適用/25カ月目に返却時)、MNPではなんと24円(同条件)など、買い方次第では超高コスパとなっている点にも注目が集まっています。メーカーから貸し出しを受け、10日間ほど試用する機会を得たので、使ってみた印象をレポートします。
OPPOの「Reno」シリーズといえば、日本ではミドルレンジの「Reno A」シリーズが知られていますが、「OPPO Reno10 Pro 5G」はそのワンクラス上に位置づけられている製品。前述の通り急速充電機能が特徴のひとつになっていて、同梱されている80Wチャージ対応ACアダプター&ケーブルを使用すれば、4,600mAhのバッテリーを28分でフル充電できます。
実際に残量10%の状態から充電してみたところ、画面に表示されるパーセンテージがみるみる増えていって、25分足らずで100%に到達しました。28分というのは残量2%からの時間とのことなので、数字に偽りなしといったところでしょうか。あまりの速さにバッテリーにダメージがないのか心配になりますが、メーカーによれば独自の「Battery Health Engine」という技術で、長寿命化をはかっているとのこと。4年間は大きな劣化なく使用できるとしています。
4,600mAhという容量は、最近のスマホの中では特別に大容量ということもないですが、バッテリーの持ちは良く、動画を見っぱなしというようなヘビーユースでなければ、1日半くらいは余裕で使えるという印象です。とはいえバッテリーが切れても、あっという間に充電できてしまうので、使っているうちにバッテリー残量のことをほとんど気にしなくなってしまったのは、自分でも驚く変化でした。短時間でサクッと充電ができるのが当り前になれば、スマホの使い方もちょっと変わるかもしれません。
「OPPO Reno10 Pro 5G」は充電だけでなく、見た目にも特徴があります。カラーが2色あるのですが、シルバーグレーは角度によって見え方が変わる背面加工「OPPO Glow」を施した、さらっとマットなガラス素材。写真のグロッシーパープルは、ほかにないきれいめカラーかつ、光沢のある仕上げになっています。どちらも高級感があり、中でも同色かつヘアライン加工されたレンズ周りのデザインが特徴的。また左右のディスプレイのエッジがぐっとカーブしていて、薄さを強調した形状になっています。
サイズは約H163×W75×D7.9mm、重さ約185g。最近は大画面かつ200g超えのヘビー級のスマホも珍しくないので、それらと比べると約6.7インチというディスプレイサイズの割には、比較的持ちやすいサイズ/重さに収まっていると思います。
ディスプレイはフルHD+(2,400×1,080ドット)の有機ELで、明るく色鮮やかな印象。撮影した写真や動画はもちろん、ストリーミング映像もストレスなく楽しめます。ただ、スピーカーはモノラルで、ヘッドフォン端子もないので、視聴時にはBluetoothヘッドフォンが必須。Bluetoothはバージョン5.2をサポートしています。コストとのバランスだとは思いますが、ワンランク上のミドルレンジを名乗るなら、ステレオスピーカーは搭載してほしかったところです。
ディスプレイの最大輝度は日光下で800nitとのこと。真夏だとひょっとしたら厳しいかもしれませんが、秋の日差しの下くらいなら十分な視認性があります。リフレッシュレートは60~最大120Hzの可変。デフォルトの設定ではリフレッシュレートが「自動選択」になっていますが、この設定だとブラウザやSNSのスクロール時に若干ながらカクつく感じがしました。気になる人はバッテリー消費が多少速くなるかもしれませんが「高」に設定した方がいいかもしれません。
SoCはミドルレンジ向けのQualcomm Snapdragon 778G 5Gで、参考までにベンチマークの結果は以下の通りでした。高画質な3Dゲームを楽しむには、ちょっと物足りないスペックかもしれません。なおメモリーは8GB、ストレージは256GBとなっていますが、「OPPO Reno9 A」などと同様に、仮想メモリーを設定してメモリーを倍増することもできます。
背面のカメラは、最も大きな上のものが約5,000万画素(F値1.8)の広角、下の2つが約3,200万画素(F値2.0)の光学2倍望遠と約800万画素(F値2.2)の超広角という構成。パンチホール型に切り抜かれたフロントカメラは約3200万画素(F値2.4)で、いずれのカメラもソニー製のセンサーを採用しています。最新のIMX890センサーを採用するメインカメラだけでなく、望遠カメラやフロントカメラにもIMX709という高性能なセンサーが搭載されていて、満足度の高い写真が撮れます。背景ボケがきれいなポートレートのほか、暗い店内での料理写真や夜景も、暗すぎず明るすぎずノイズも抑えられていて好印象でした。
望遠撮影
夜景モード
料理写真/ポートレート
接写は10cmくらいまででマクロ撮影ができなかったり、デジタルズームでは20倍まで拡大できるとはいえ光学望遠は2倍までだったりと、ハイエンドモデルに比べるとやはり物足りないところはあります。動画は4K/30fpsをサポートしていますが、手ブレ補正が効くのが1080P/60fpsまでなのも、ちょっと残念なところ。一方でアウトカメラとインカメラで同時に動画撮影ができる機能などもあり、インカメラの動画撮影には、いわゆるビューティーレタッチも可能。しかもOPPOらしく、かなり細かな調整ができるようになっています。
標準の写真アプリの編集機能も充実していて、写真に手書きしたり、テキストを重ねたり、モザイクをかけたりして、そのままSNSに投稿できます。精度はいまひとつですが、不要なものを背景で塗りつぶして消せる「消しゴム」機能もあります。ここでも充実しているのはやはりビューティーレタッチ機能で、肌のトーンから目のサイズ、歯の白さまでいろいろ補うことができます。
このほか、OSにAndroid 13ベースの「ColorOS 13」を搭載し、豊富なカスタマイズ機能が利用できるのも、本機の特徴のひとつです。ホーム画面の見た目をまるっと変えられるテーマなどもそうですが、画面内指紋認証を長押しすると表示できる「クイック起動」、画面の端からスワイプして表示できる「スマートサイドバー」、ウィジェットを集めた「Shelf」など、よく利用するアプリや機能に、素早くアクセスできる機能が充実。使い慣れると手放せなくなる便利さがあります。
おサイフケータイに対応する一方で、防水・防塵性能がIPX4・IP5Xだったりと、惜しいところもあるものの、「神ジューデン」はやっぱり便利だし、それでいてOPPO独自の充電の最適化機能や劣化防止機能もあるので、安心して使えます。持っていてうれしくなる高級感のある見た目や、大きく明るく見やすいディスプレイ、ハイエンド並みとはいかないものの充実のカメラなど、実質的な価格を考えれば、かなりお買い得な一台と言えるのではないでしょうか。