シャープは10月31日、可搬型ローカル5Gシステム「Instant 5G Network」のプロトタイプを開発発表。災害時のほか、イベント会場や工事現場で一時的にエリア構築するといった用途での活用を見込んでおり、技術展示イベント「SHARP Tech-Day」で一般公開する。
5G SA方式の基地局やコア装置に加え、バッテリーやアプリケーションサーバーなど、ローカル5G環境を立ち上げるのに必要な機器一式を、防水キャリーバッグに収納したシステム。電源がない場所でも高速・大容量の無線通信環境を構築できるとする。AC電源も使用でき、長時間駆動にも対応可能。
アプリケーションサーバーには、災害現場での利用を想定したプログラムを内蔵している。別途用意したドローンなどと組み合わせることで、ローカル5G環境でリアルタイムに伝送された災害現場一帯の高解像度映像の中から、人物や車両などをAIで瞬時に自動検出でき、被災者・車両などの迅速な発見に寄与するという。
なお、ローカル5Gは免許制であり、現行制度ではこのシステムを使って免許不要でエリア構築できるわけではない。また、現在はローカル5Gの上空利用については制度上認められていないため、ドローンの利用については将来的な活用イメージとのこと。
対応周波数帯は4.8~4.9GHz(約100MHz幅)、アンテナ出力は1端子あたり最大約250mW。バッテリー駆動時間は約2時間。アンテナ部を除く本体サイズは55.8×35.5×22.8cm(幅×奥行き×高さ)、重さは約20kg。
「SHARP Tech-Day」(会期:11月10日~12日)は、シャープが9月15日に創業111周年を迎えたことを記念し、中長期的な持続的成長の原動力となる革新的な技術やソリューションを紹介する同社初の単独技術展示イベント。会場は東京ビッグサイト 東8ホール。入場無料だが、特設サイトからの事前登録が必要。