識学は10月30日、「“ブラック企業”に関する調査」の結果を発表した。調査は9月20日~22日、20歳~59歳の会社員(正社員)300名を対象にインターネットで行われた。
ブラック企業経験者は4割
“ブラック企業”に勤めた経験について聞いたところ、「現在勤めている会社がブラック企業だと思う」が18.2%、「過去に勤めていた会社がブラック企業だった」が23.2%と、全体の4割弱がブラック企業での勤務経験があることが明らかに。
また、不正行為や違法行為を含む“ブラックなこと”を会社から指示された場合、従ってしまうか否かを聞いたところ、「指示に従う」が6.1%、「仕方なく指示に従う可能性がある」が50.2%と、6割近くが指示に従う可能性があると回答。“ブラックなこと”とわかっているとはいえ、生活をしていかなければならない会社員の立場ではきっぱりと断り切れない現状が浮き彫りとなった。
ブラック企業の特徴トップ3は?
続いて、ブラック企業経験者に、どのようなことが“ブラック”だと感じたのかを教えてもらったところ、1位「離職率が高い」(44.0%)、2位「長時間労働(残業が多いなど)」(39.7%)、3位「サービス残業(残業代が出ない)」(38.0%)と、就業時間に関する項目が上位に。
さらに詳しく聞くと、「残業請求したら文句を言われる」「帰れる雰囲気になるのは20時を超えてから」「そもそも残業という概念がない」など、会社の空気感や雰囲気がブラックと言えるケースと、「月平均100時間残業」「月末に帳票上で0になるように改ざんされる」「(就業時間を)上司のみが記入し確認できる制度で、自分では把握できない」など、明らかに違法と思われるブラックなケースの2つに分類されるよう。
一方、「“ブラック”だと感じた際、会社に相談をした」という人は21.0%にとどまり、相談できなかった理由を聞くと、「相談しても意味がないと思ったから」(66.2%)が圧倒的に多かった。
ブラック企業に就職しないためのチェックポイント
それでは、どうすればブラック企業を生まない体制になるのか。どのような対策があればブラック企業を生まないと思うかを聞いたところ、「コンサル会社など第三者に介入してもらう」(41.0%)、「有給休暇を取りやすくする」(31.3%)、「ルールの設定」(29.0%)が上位に。
また、ブラック企業へ就職しないためのチェックポイントを教えてもらったところ、「離職率」が最も多く48.3%。次いで「勤務先の人の雰囲気」(44.7%)、「休日日数」(38.7%)、「労働時間」(37.3%)、「給与体系や給与水準を見る」(37.0%)と続いた。