「好きな人や大切な人に愛情を伝えたい。でも、どうしたらいいのかわからない」という方は、きっと多くいらっしゃるでしょう。「以心伝心」などの言葉もあるように、日本では昔から、直接話さずとも気持ちが伝わることを良しとする文化があります。しかし愛する相手にしっかりと気持ちを表現するのは、とても大切なことです。
本記事では短文でもしっかりと愛を伝えられる英語のフレーズ、愛とは何なのかに迫る名言・格言、恋愛映画のラストシーンのセリフなど、珠玉の言葉を厳選して紹介。ぜひ参考にして、大切な人に愛情を伝えてみてはいかがでしょうか。
【愛の言葉】英語でよく使われる愛情表現
まずは英語の愛情表現をご紹介します。短いフレーズや、情熱的な言葉など、シチュエーションごとに見ていきましょう。
短いフレーズで好きな気持ちを伝える英語
I like you.(君が好きだよ)
好きな相手に好意を伝えるレベルの愛情表現として適切なフレーズです。まだそこまで関係が深くない相手に使うといいでしょう。
I love you.(あなたを愛しています)
誰もが一度はテレビや映画などで聞いたことがあるセリフでしょう。まだ関係が深くない相手に言うと、ちょっと重たい感じがします。付き合っている相手と十分な信頼関係ができたときや、家族に愛情を伝える場合などに使いましょう。
I need you.(あなたが必要です)
相手が自分にとって必要な存在であること、つまり人生に欠かせない大切な存在であることを表現しています。
なお特に友人や職場の人に対して使う場合は、「手を貸してほしい」といった意味にもなります。
英語で恋する情熱を表現するフレーズ
I'm crazy about you.(私はあなたに夢中です)
crazy(熱狂して、夢中になって、狂気じみた)という単語を使うことによって、理性を超えた熱い想いを表現できるフレーズです。多くの海外ミュージシャンも、歌詞の中でよく使っています。
I'm all yours.(私はあなたのもの)
「I'm all yours」にはまさに、恋愛の情熱を全開にさせたようなパワーが感じられます。情熱的な恋をしたいカップルには打ってつけのセリフです。
なお「今ってちょっと時間ある?」「○○に行かない?」などと尋ねられた場合に「I'm all yours」と答えることもあります。この場合は「私の時間はあなたのものです(時間ならありますよ)」「あなたの意見に従います」といった意味になります。
英語で深い愛を伝えるフレーズ
・You're my love.(あなたは私の大切な人です)
・I wanna spend the rest of my life with you.(あなたと一緒に残りの人生を過ごしたいです)
以上の2つは、深い愛情を伝えるフレーズです。これからも長い時間をかけて、一緒に愛を育みたい2人にピッタリな言葉ではないでしょうか。
英語で感謝を伝えるフレーズ
・You always make me happy.(あなたはいつも私を幸せにしてくれます)
・Thank you for being with me throughout my life.(いつも一緒にいてくれてありがとう)
・Thank you always.(いつもありがとう)
以上の3つの表現は、恋人や家族に感謝を伝えるフレーズです。
英語にせよ、日本語にせよ、愛を育む上で相手に感謝を示すことはとても大切なことです。ちゅうちょせずに、日頃から使っていきたい言葉です。
おしゃれに愛を伝える英語の長文
You cannot imagine how much I love you.
(君は僕がどれだけ君のことを愛しているか、想像できないかもしれないね)
I love you more than I have ever loved anyone in my life.
(これまでの人生の中で、これほど愛していると感じたことはないくらい、君のことを愛しているんだ)
I'm thinking of you all the time.
(僕はいつだって君のことを想っているよ)
相手への強い愛を、いろんな角度から表現した言葉の例です。これまで紹介したフレーズを、自分なりにつなげてみるのもいいでしょう。
【愛の言葉】海外の偉人による愛の名言・格言
この章では、海外の偉人・著名人による、愛にまつわる名言をご紹介します。愛とは何かを考えるヒントとして、きっと役立つでしょう。
サン・テグジュペリの愛の名言
「愛とはお互いを見つめ合うことではなく、共に同じ方向を見つめることである」
サン・テグジュペリ(1900年~1944年)はフランスの作家、飛行士であり、世界的に有名な『星の王子さま』を執筆しました。人間性についての深い考察を詩的な文体で表した名作を、数多く世に残しています。
この名言は、愛の実践的な側面も理解した言葉の一つ。ただ相手を見つめるのではなく、お互いの意見を尊重しつつ、同じ目標に向けて歩んでいくことにこそ、2人が一緒に生きていくことの価値である旨を伝えているのでしょう。
アンドレ・モーロワの愛の名言
「全ての偉大な恋愛のうちには母性愛がある。真の女らしい女たちが男の力を愛するのは、男の弱さを知っているからである」
アンドレ・モーロワは、フランスの小説家・評論家です。『幸福論』で有名な哲学者、アランのもとで学び、伝記文学や歴史書、心理小説など、幅広い作品を残しました。
世の中には情熱的な愛や激しく狂おしい愛を表す言葉もありますが、この名言では、相手の欠点や弱さをも包み込み、全てを許すような優しさ、つまり母性について述べています。
カントの愛の名言
「真面目に恋をする男は、恋人の前では困惑したり拙劣(せつれつ)であり、愛嬌(あいきょう)もろくにないものである」
カントは、ドイツの哲学者・思想家です。「近代哲学の祖」と呼ばれ、『純粋理性批判』などの著書も有名です。
こちらは、男性の恋に対する不器用さを物語っています。話し上手で社交的な男性は確かに魅力的ですが、もしかすると誰にでもそうなのかもしれません。口下手で朴訥な男性が、実はあなたのことを最も大切にしてくれている人だという可能性もあるのでしょう。
グレタ・ガルボの愛の名言
「結婚をしないで、なんて私は馬鹿だったんでしょう。これまで見たものの中で最も美しかったものは、腕を組んで歩く老夫婦の姿でした」
グレタ・ガルボは、1920~1930年代に活躍した、伝説の女優です。スウェーデンの貧しい家庭に生まれ、クールな顔立ちや謎の多い私生活などが話題を呼び、スターとしてハリウッドに君臨しましたが、36歳で引退しました。
人前に出ることを嫌い、ミステリアスなイメージを持つグレタ・ガルボは、生涯を独身で貫きました。そんな彼女が人生の後半に差しかかって、仲むつまじく支え合う老夫婦の姿、つまり愛に胸を打たれた様子が表された言葉です。
【愛の言葉】日本人の偉人による愛の名言・格言
こちらでは日本の小説家や芸術家といった偉人たちから愛の名言・格言を学んでいきます。恋愛や人生に対する、小説家や芸術家ならでの含蓄のある言葉ばかりです。
宇野千代の愛の名言
「恋をしなさい。好きと言えないなんてケチな根性よ」
宇野千代(1897年~1996年)は、山口県出身の小説家、随筆家です。多くの恋愛、結婚の遍歴を持ち、波瀾(はらん)万丈な人生を送ったといわれています。
この名言は、受け身ではなく能動的に、数多くの恋愛を謳歌(おうか)した彼女らしい言葉です。確かに好きと伝えるだけならそこまでの手間は掛かりませんし、仮に告白が拒否されたとしても、命まで失うわけではありません。彼女を見習って、意中の相手に「好き」と素直に伝えてみてはいかがでしょうか。
岡本太郎の愛の名言
「愛の前で自分の損得を考えること自体ナンセンスだ。そんな男は女を愛する資格はない」
岡本太郎は、神奈川県生まれの芸術家。「芸術は爆発だ」のフレーズや、1970年に大阪で開催された万国博覧会のシンボルタワー「太陽の塔」を制作したことでもよく知られている人物です。
愛は損得ではなく、そんなことを考えるような男は、そもそも恋愛する器ではないと喝破しているフレーズです。岡本太郎の、愛に対する真剣さや情熱が垣間見えます。
岡本太郎とはどんな芸術家? 「太陽の塔」などの作品や名言、美術館を紹介
俵万智の愛の名言
「愛持たぬ一つの言葉 愛告げる幾十の言葉より気にかかる」
俵万智は、大阪生まれの歌人、エッセイストです。歌集『サラダ記念日』が代表作の一つとして有名です。
愛の言葉を大切な人に伝えるのはとても大事なことです。ただし、愛のない言葉、思いやりのない言葉をたった一つでも告げてしまうことで、相手に大変悪い印象を与えてしまう場合があります。
愛を告げること以前に、愛のない言葉を日頃から言わないように心掛けることも重要でしょう。
太宰治の愛の名言
「少くとも恋愛は、チャンスでないと思う。私はそれを、意志だと思う」
太宰治は、青森県出身の小説家です。『走れメロス』『人間失格』など日本人なら一度は読んだことのある作品を多数、世に出しています。
子供のときは秀才と呼ばれながらも、大人になってからは病に悩まされたり、愛人と入水(じゅすい)心中をしたりと、波乱万丈な私生活を送った太宰治。人間の心理描写において、鋭い感性を発揮した人物でもありました。
そして、『チャンス』という作品の中で述べられたこの言葉は、恋愛の本質に迫る名言です。愛とは意志を持って育んでいくものであり、何もせずとも勝手に手に入り、育っていくようなものではないということでしょう。そして、自分の意志だからこそ、責任が伴うのです。
太宰治とはどんな人? 生涯や死因、『人間失格』などの代表作品や名言を解説
【愛の言葉】映画のセリフから学ぶフレーズ
最後に、映画のワンシーンから学ぶ愛の名言をご紹介します。もし時間があれば実際に鑑賞してみるのも、愛を学ぶ上で役に立つことでしょう。
『ユー・ガット・メール(You've got mail)』の愛の名セリフ
「コーヒーか、お酒か、夕食か、映画でも一緒にどうかな…? これから一生の間、ってね」
この映画は、1988年に公開されたラブコメディーで、主演はメグ・ライアンとトム・ハンクスです。ニューヨークが舞台で、名前も顔も知らない男女がメールのやり取りをしながら、お互いに惹かれ合っていく様子が描かれています。
キャスリーン(メグ・ライアン)とジョー(トム・ハンクス)は、実生活では商売敵として、けんかばかりします。しかし、インターネットのメールの世界では、2人は一日の出来事を報告し合ったり、励まし合ったりする、仲の良い間柄でした。
やりとりを続ける中、ジョーが先にキャスリーンがメールの相手だと気付きます。そして物語の後半、徐々に彼女との関係を深めようとするジョーが、キャスリーンに言った短いプロポーズがこのセリフです。
決して、高級な指輪や豪華な演出があるような、派手なプロポーズではありません。どちらかといえば、地味なプロポーズです。しかし、このようなさりげない一言が、意外と相手の心を動かすことがあるのです。
『迷い婚 ~全ての迷える女性たちへ(Rumor Has It...)』の愛の名セリフ
「あなた無しじゃ生きていけないとは言わない。きっと生きていける。でも、あなた無しで生きていきたくないの」
この映画は、2005年に公開されたラブコメディーです。主演は、ジェニファー・アニストンが務めました。
婚約者からのプロポーズを承諾したサラ(ジェニファー・アニストン)でしたが、「本当にこのまま結婚していいの?」と思い悩みます。そんな最中、今は亡き自分の母親も結婚に迷っていたことを知り、自分探しに出る物語です。
こちらのセリフは、自分探しを終えた彼女のセリフです。恋愛の熱に浮かされているわけではない、冷静な愛情を感じさせます。
お互いに自立した大人同士だからこそ、成熟した恋愛や結婚が可能になるのではないでしょうか。ただ相手に依存するだけの恋愛は、愛の本質からずれている場合があります。
『ある愛の詩(Love Story)』の愛の名セリフ
「愛とは決して後悔しないこと」
この映画は、1970年に公開された恋愛映画です。主な出演は、ライアン・オニールとアリ・マックグロウです。
裕福な家に生まれ育ち、ハーバード大学に通うオリバー(ライアン・オニール)は、大学の図書館で出会った素直で魅力的なジェニー(アリ・マックグロウ)と恋に落ちます。ジェニーは貧しい家庭に生まれ育ったため、自分とオリバーでは身分違いの恋だと、一度は彼のもとを去ろうとします。しかしオリバーは彼女にプロポーズ。そしてオリバーは父親の反対を押し切り、勘当同然でジェニーと結婚するのです。
しばらく金銭的に貧しい生活が続いた後、オリバーは弁護士として一流の法律事務所に就職し、豊かな生活を手に入れます。そんな中、妻のジェニーが重い白血病にかかっていることが判明し、最終的に亡くなってしまいます。
物語の最後、オリバーと、彼の父親との会話に出てくるフレーズがこのセリフです。この言葉は、生前にジェニーがオリバーに残したものでもありました。
ある意味で、とても古典的でオーソドックスなラブ・ストーリーです。しかし、シンプルだからこそ、人の心を揺さぶる愛の物語になっています。
愛の言葉とは、人生そのもの
人間は一人では生きていけません。自分以外の人間と全く関わりを持たないで生きていくことは不可能といえます。
だからこそ愛する人、大切な人との関係性は非常に重要で、ためらわずに愛情を表現できるようになりたいものです。映画『ある愛の詩』にも出てくるように、「愛とは決して後悔しないこと」なのです。
今回ご紹介した愛の言葉の意味を深く考え、悔いなきよう、自分の気持ちを自分なりの言葉で伝えていきましょう。