マイホームは、ファミリー世帯が購入するとイメージしてる人も多いかもしれませんが、少しずつ現状は変わってきています。年々独身でもマイホームを購入する人が増えてきました。一方でマイホーム購入は人生の一大イベントのため、なかなか一歩を踏み出せないという人も多いのではないでしょうか。そこで今回は独身でマイホームを買うメリット・デメリットを確認してみましょう。
最近、独身が増えてきている
まず、マイホームと言えばファミリー世帯が購入するものという認識が変ってきた理由についてです。
それは、年々独身の割合が増えている事が大きな要因と言えます。
厚生労働省の調査によると、50歳時点での未婚率は1985年と2020年時点を比較すると男性の場合は約6.5倍、女性の場合は約4倍増えています。
そしてこの数値は今後も増えていく事が予想されています。
生涯未婚率の増加を考えると、数十年前の常識が変化し独身であってもマイホームを購入したいと考える人が増えても不思議ではないですよね。
その証拠に、2020年時点で30歳~59歳までの独身者の約4割が住宅購入を検討しているという調査結果が出ています。
特に、50代後半独身女性のマイホーム購入率は全体の35.7%と最も高く、3人に1人が住宅購入済みです。
生涯未婚率の増加に伴い、独身の状態で前向きにマイホーム購入を検討している人が増えてきている事も合わせて確認しておきましょう。
独身でもマイホームを買うメリットってある?
生涯未婚率が増加していく中で、独身であってもマイホーム購入を検討する人が増えていることが分かりました。
しかし、マイホーム購入は人生において大きなイベントである事は間違いなく、購入を希望していても決断ができない人は多いはずです。
ここからは、独身でマイホーム購入するメリットを紹介していきますので参考にしてください。
住宅ローンの低金利が継続している
マイホームを購入するにあたっては、多くの人が住宅ローンを利用する事が考えられます。現在の日本では歴史的な住宅ローンの低金利状態が続いており、経済的な面から今のうちにマイホームを購入しようと考える人が増えてきました。
当然、これは配偶者や子供がいる世帯だけでなく独身の世帯であっても当てはまります。
2023年現在の住宅ローン金利の相場はそれぞれ、変動金利で0.319%〜0.757%、固定金利10年で0.94%〜1.45、全期間固定金利・フラット35で1.70%〜3.57%となっています。
世界経済の変動や政府の政策によってはいつ低金利の状態が変動するか分かりません。マイホーム購入に迷いがある場合は、金銭的に低金利の今がチャンスである事も一つの判断材料にしてください。
将来の資産になる
マイホームが将来的な資産になる事も、大きなメリットと言えます。
賃貸の場合は、何年間家賃を払い続けても自分の所有物件になる事はありませんが、マイホームであれば住宅ローンを完済した時点ではもちろん、市況によってはローンの残債より高く売れたり繰り上げ返済をし、ローンを減らす事により資産となる可能性が高ります。
住宅ローン完済後はほぼ毎月の出費が無い状態で住み続けられますし、売却したり賃貸で貸し出すことも可能です。 自分の所有物件になる事がない賃貸に住み続ける事を考えると、将来資産となり選択肢が増えるマイホームは大きな魅力があるでしょう。
独身でマイホームを買うデメリットは?
上述したように、マイホーム購入は人生の一大イベントで多くのお金が必要になるため、デメリットとなる部分もしっかりと確認しておく必要があります。
ここからは、独身でマイホーム購入する事のデメリットを紹介しますのでメリットと比較しながら自分なりの考えを深めていってください。
結婚した後のライフスタイルに合わない可能性がある
独身の状態でマイホームを購入する場合は、住むエリアだけでなく間取りや部屋の作り、新築・中古など全て自分の好みに合わせて購入することが出来ます。
生涯独身でマイホームに住み続ける事を考えると、これは大きなメリットになりますが、マイホーム購入後に結婚をする場合はデメリットになる可能性が高いです。
結婚後は自分自身だけでなく配偶者や、子供が出来た場合は子供も含めたライフスタイルに変化していきます。 配偶者の職場が近い場所や、子供にとって良い環境や希望の学校に通える場所に引っ越したいと考えてもマイホームを購入している以上、それは容易ではありません。
マイホーム購入後は住み替えが簡単にはできないというデメリットを把握した上で、購入を検討する必要があるでしょう。
管理が大変
マイホームの管理は自分自身で行っていかなければいけない事も忘れてはいけません。 賃貸の一人暮らし程度の間取りのマイホーム購入であれば問題ないかもしれませんが、多くの人が一人暮らしの時の間取りよりも部屋数を増やしたり、広くしたりする事が一般的です。
独身でマイホームを購入した場合は、それらの部屋の管理を一人で行っていく必要があり負担が増える事は間違いありません。
一戸建てを購入した場合はマンションと比較しても部屋が広くなりがちなだけでなく、外装や建物自体のメンテナンス管理も自分自身で行う必要があるでしょう。
また、自分の家だけでなく町内会で共有して使っているゴミステーションの掃除などその他の管理を行わなければいけない事もあります。
管理組合があり管理が行き届いているマンションであっても、毎月管理費の支払いがあったり大きな修繕がある場合は追加で修繕費用を支払う必要が出てくる可能性があるので注意してください。
まとめ
今回の記事では、独身でマイホームを購入する事のメリット・デメリットを中心に紹介してきました。生涯未婚率の増加を考えると、これから更に独身でマイホームを購入する人が増えてくるかもしれません。マイホーム購入は昔も今も多くの人にとって憧れの1つです。独身であっても購入することは可能ですし多くのメリットがある事は間違いないので、ぜひ今回の記事を参考にしてください。また、自分自身でマイホーム購入を検討する自信がない人は、マイホーム購入とライフプランのアドバイザーであるファイナンシャルプランナーに相談することをおすすめします。
この記事を執筆したファイナンシャルプランナー紹介
小峰一真(こみねかずま)
所属:マイホームFP株式会社