女優の東野絢香が25日、都内で開催中の「第36回東京国際映画祭」(TIFF)内で行われた映画『正欲』(11月10日公開)のワールドプレミア舞台挨拶に、稲垣吾郎、新垣結衣、磯村勇斗、佐藤寛太、岸善幸監督とともに登壇した。
本作が映画初出演となった東野は「ようやく皆さんに見ていただけることが本当にうれしいです。映画に初めて出演させていただいたので舞台挨拶も初めてで、とても緊張しているんですけど、本日は何卒よろしくお願い致します」と挨拶。佐藤らが笑顔で優しく見守り、観客からも温かい拍手が起こった。
コンペティション部門に選出されている『正欲』は、朝井リョウ氏による同名小説が原作。家庭環境、性的指向、容姿――異なる背景を持つ人たちを同じ地平で描写しながら、人が生きていくための推進力になるのは何なのかというテーマを炙り出していく。
検察官として横浜検察庁に務め、妻と息子と3人でマイホームに暮らす寺井啓喜を稲垣、広島のショッピングモールで契約社員として働く桐生夏月役を新垣、両親の事故死をきっかけに広島に戻ってきた夏月の同級生・佐々木佳道を磯村、ダンスサークルで活動し、大学の準ミスターに選ばれるほどの容姿を持つ諸橋大也を佐藤、大也と同じ大学に通う神戸八重子を東野が演じた。
東野が演じた八重子は、あることから男性がずっと苦手だったのに、大也だけはなぜか平気で、ダンスの練習に励む大也から目が離せなくなるという難しい役どころ。
どのように役と向き合ったのか聞かれると、東野は「八重子が感じている不安感や恐怖心は、私が25年間、人として、女性として生きてきた中で感じたことのあるものだったので。あとは分岐点で違う道に行っただけだと思っているので、その先の八重子の人生とすごく向き合った時間でした」と語っていた。