スマートフォンからノートPCまで、最近では多くの機器の充電をUSB経由で済ませられるようになってきました。大きな専用ACアダプターをいくつも持ち歩かずに済むなどのメリットが大きい反面、USB充電器だけでコンセントを何個も埋めてしまったり、充電器のパワーが接続するデバイスに見合っていなかったりと、細かい部分に目をやると煩雑な印象も否めません。
そこでオススメしたいのが、大型でパワフルなマルチポート搭載のUSB充電器。最近ではノートPCを複数台同時に充電しても出力に余裕があるような充電器も多く発売されていて、1台あれば充電環境の悩みをスッキリ解決できます。
今回は、合計300Wまでの出力に対応した5ポートUSB充電器「UGREEN Nexode 300W」を試す機会を得たのでレビューしていきます。
パッケージを開封すると、充電器本体とACケーブルのほか、デバイスの充電に使えるUSB Type-C to Type-Cケーブルが入っていました。大型・高出力の充電器ということもあって、付属のACケーブルはアースやノイズ対策のコアが装備されています。
付属しているUSB Type-CケーブルはNexode 300Wの単一ポート出力を超える240Wまで対応。充電器本体の仕様からするとオーバースペック気味ですが、通常2,000円程度で販売されているような高品質の編み込みケーブルが付属しているのはユーザー目線ではありがたいところです。
本体サイズは約112×93×53mmと、ノートPCを複数台充電できるような充電器としては比較的コンパクトですが、重量は約1.2kgとかなりずっしりとした重さを感じます。
ただし、どちらかといえばこの充電器は持ち歩いて使うよりも特定の場所に据え置いて使うことを想定した製品のため、この重さはかえって充電器をズレにくくすると考えればデメリットにはなりにくいでしょう。
本体底面にはラバー製の大きなすべり止めがあり、ケーブルの抜き差し時に充電器本体を押さえなくてもズレにくいのも使いやすいポイントです。
参考までに筆者の所有するiPhone 14 Proとサイズを比較してみました。合計出力が300Wとハイパワーですが、スマートフォンと並べてみると意外にコンパクトに仕上がっていることが分かります。
Nexode 300Wに搭載されているポートは、USB Type-C×4ポート、USB-Aポート×1ポートの計5ポート。
最大出力は一番上からそれぞれ140W・100W・100W・45W・22.5Wで、接続するポートに応じて合計300Wまでの範囲で調整されます。
具体的な各ポートの最大出力と、全5ポートを組み合わせて使用する場合の出力パターンは上の図のとおり。
全5ポート中、一番上のUSB Type-CポートとUSB-Aポートの出力が優先される設計となっていて、全てのポートに機器を接続した場合でも一番上のUSB Type-Cポートは140W出力、USB-Aポートは22.5W出力が維持されるようになっています。なるべく高出力を維持したい端末は一番上のポートに接続する、と覚えておけば良いでしょう。
USB PDに対応したデバイス4台を接続してみたところ、それぞれ最大140W+60W+60W+30W・計290Wの出力モードで充電が始まりました。デバイスの入力W数上限が各USB Type-Cポートの出力W数上限を下回っているものも多いため、実際には上限からかなり余裕のある出力になっているものと思われます。
これだけ多くのデバイスを接続していても、充電器は比較的熱を持たずに充電を続行できました。メーカーのうたう「常時温度検知 独自冷却技術」「加熱保護技術」の効果なのだと思いますが、こういったUSBマルチポート充電器の中でもトップクラスに熱を持たない印象を受け、個人的にもかなり安心感がありました。
これまでデスク・収納スペースで充電環境を作るときには「このデバイスを置きたいから○Wの充電器を……」など試行錯誤することが多かったのですが、Nexode 300Wを使い始めてからは「一番上のUSB Type-CポートはノートPC、あとはどのポートでもでOK」という運用で解決するようになり、身の回りのUSBで充電する機器の充電器に悩むこともなくなりました。
特にここ数年はUSBで充電する機器がグッと増加したこともあり、ガジェット好きの方はもちろん2人暮らし以上の方でも充電環境をスマートに整えたい方たちにも最適な一品に仕上がっているなと感じました。
通常価格26,980円とUSB充電器というカテゴリーの中では高価な部類に入る製品ですが、セールでときどき20~30%前後の大幅値引きが行われているので、気になる方はタイミングを見計らってぜひチェックしてみてください。