米Microsoftが10月24日(現地時間)に発表した同社2024年度第1四半期(2023年7〜9月)決算は増収増益、売上高・利益ともアナリストの予想平均を上回った。AI導入を加速させる企業の動きから、成長の鈍化が見られたクラウド事業が復調。また、PC市場の低迷に底打ちの兆しが見え始めており、Windows OEMの売上高が前年同期比4%増だった。

7〜9月期の売上高は前年同期比12%増の565億1700万ドル。純利益は同26%増の222億9100万ドルだった。1株利益は2.99ドル。市場予想の平均は売上高545億ドル、1株利益2.65ドルだった。以下は部門別の売上高。

More Personal Computing

売上高136億7000万ドルで、前年同期比3%増。市場予測(128億5000万ドル)を上回った。

Windows OEMは前年同期比4%増で、5四半期続いた前年同期比減少に終止符を打った。9日にGartnerが発表した7〜9月期の世界PC出荷台数(推定値)は前年同期比9%減の6430万台だった。下落率が前期(16.6%減)から鈍化し、PC市場は出荷台数が最低水準に達して安定化の兆しを見せている。

しかし、Surfaceを含むデバイスの売上高は前年同期比22%減と、回復傾向にあるPC市場の中で低迷が続いている。

ゲーミング事業は、Xboxハードウェアの売上高が前年同期比7%減だったが、Xboxコンテンツ/サービスが同13%増で、全体では同9%増だった。Xbox Game Passサブスクリプションが堅調で、また「スターフィールド」のヒットに牽引されてファーストパーティ・タイトルが伸びた。

Productivity and Business Processes

売上高185億9000万ドルで前年同期比13%増だった。

コマーシャル向けOffice製品/クラウドサービスの売上高が同15%増。Office 365のコマーシャルシート数が10%増加し、売上高が同18%増だった。コンシューマ向けOffice製品/クラウドサービスは同3%増。コンシューマ向けMicrosoft 365の契約者数は7670万人、前期から970万人の増加。

Dynamics製品およびクラウドサービスは売上高が前年同期比22%増。Dynamics 365は同28%増だった。

LinkedInの売上高は前年同期比8%増。LinkedInセッションは同12%の増加、エンゲージメントが過去最高だった。

Intelligent Cloud

売上高242億6000万ドルで前年同期比19%増。サーバー製品およびクラウドサービスは同21%増だった。Azureおよび他のクラウドサービスは同29%増。使用量ベースのサービスに対する強い需要が継続している。