ディリゲントは、独BitwigのDAWソフト「Bitwig Studio」の最新版となるバージョン5.1を発表した。現在、ベータ版を配布中で、正式版のリリースは2023年中を予定。有効なアップグレード・プランを所有するBitwig Studioユーザーであれば、Bitwigアカウントページから無償でベータ版をダウンロードできる。
バージョン5では、5.1では、4つのフィルターと6つのウェーブシェイパーを含む10種類の新しいモジュールで10種類の新しいサウンドキャラクターが追加された。
4つのフィルターは、2つのカットオフにより、メイン・フィルターとフィードバック回路内のフィルターをコントロールできる「Fizz」、カットオフ周波数付近にブライトネスとレゾネートノードを追加した「Rasp」、フィードバックとエレメントの破壊の両方を可能にするレゾナント(共振)回路を備えた「Ripple」、様々なモデル、ピッチ、周波数オフセットを持つモーフィング・フォルマント・フィルターの「Vowels」。
6つのウェーブシェイパーは、細かく調整可能なカーブを持つソフトクリッパーの「Push」、ソフトからハードまでドライブできるS字型のクリッパーの「Heat」、静かな部分を大きくするソフトなウェーブフォルダー「Soar」、信号の異なる部分を強調する「Howl」、微細なキャンセルや大規模なアーチファクトを作り出すノンリニアなウェーブフォルダー「Shred」、クラシックなダイオード回路をシミュレーションする「Diode」。
新しい「Filter+」および「Sweep」では、前出のフィルターとウェーブシェイパーを組み合わせて編集可能なFX Gridパッチを作成できる。
ボイススタック・ツールでは、1つのノートを演奏するごとに最大16ボイスをレイヤーできるようになり、スタックをシェイプする新しい方法も追加された。Stack Spreadモジュレーターには8つの新しいモードがあり、ハーモニック、リズム、さらにはランダムな関係をあらゆるパラメーターに加えることができる。また、新たに追加された3つのGridモジュールにより、スプレッド・モードの作成が簡単になり、各ボイスのフル・ミキサー・コントロールを好きな場所で行えるようになった。また、スプレッド・モードを使用する場合でも、個々のVoice Controlモジュレーターを使用する場合でも、どのボイスもソロにできるので、サウンド・プログラミングが簡単になっている。
さらにThe GridとPolymerにおいて、デュアルオシレーター「Bite」が追加されている。2つのモーフィングオシレーターを搭載し、フィードバックで相互接続をすることで、ハードシンク、オーディオレートのパルス幅変調、FMなどのモジュレーションサウンドを創出する。
ミキサーでは、トラックフェーダーとメーターをドラッグして長さと幅の調整が行えるようになった。また、オンセット検出器により、オーディオの分析が向上したほか、新しいクオンタイズ・オーディオ機能も利用できる。
なお、先頃、米PreSonusと共同開発したDAW間でデータの交換ができるオープン・ファイル・フォーマット「DAWproject」もサポートする。加えて、カナダ・Derivativeが提供するビジュアルプログラミングツール「TouchDesigner」が統合されており、Bitwig Studio内部でビデオの作成が行えるようになっている。