Connectivity Standards Alliance(CSA)は10月23日、スマートホーム規格Matterの新版「Matter 1.2」をリリースした。4月のバージョン1.1に続く、Matterの2回目のアップデートで、9つの新しいデバイスタイプを追加し、複数の改良を施した。すでに認証プログラムを開始しており、今年後半から2024年にかけて、バージョン1.2に基づいた機能強化や新しいデバイスが登場する見通し。

Matter 1.2では以下のようなデバイスタイプが追加された。

  • 冷蔵庫:基本的な温度制御と監視だけではなく、冷凍保存、ワイン用やキムチ用の冷蔵庫などの関連デバイスにも応用可能。
  • ルームエアコン:Matter 1.0に含まれていたHVAC、サーモスタットに加えて、温度とファンモードを制御するスタンドアロンのルームエアコンをサポート。
  • 食器洗い機:リモートスタートや進行状況の通知など、基本的な機能に加えて、給排水や温度の異常、操作エラーなどを知らせるアラーム機能をサポート。
  • 洗濯機:サイクル完了など進捗通知をMatter経由で送信可能。また、将来のリリースで乾燥機のサポートを追加する予定。
  • ロボット掃除機:リモートスタートや進行状況の通知といった基本的な機能、さらに掃除モードやステータスの詳細(ブラシの状態、エラー報告、充電状態)といった主要な機能をサポート。
  • 煙・一酸化炭素 警報器:通知、アラーム信号、バッテリー残量のアラート、ライフサイクル末期の通知、アラームのセルフテストなどに対応。一酸化炭素警報器は、追加データポイントとして濃度検知をサポートする。
  • 空気品質センサー:PM1、PM2.5、PM10、CO2、NO2、VOC、CO、オゾン、ラドン、ホルムアルデヒドの測定とレポートをサポート。Air Quality Clusterを追加することで、Matterデバイスはデバイスの位置に基づいたAQI情報を提供できる。
  • 空気清浄機:空気品質センサーを利用してセンシング情報を提供、ファン(必須)やサーモスタット(オプション)など他のデバイスの機能も含む。消耗パーツのモニタリング機能をサポート、フィルターの状態に関する通知も可能。HEPAフィルターと活性炭フィルターの両方に対応する。
  • ファン:独立したデバイスタイプとしてファンをサポート。ロックやオシレーションのような動作に加えて、自然風やスリープウインドのような新しいモードをサポートする。送風方向(正方向と逆方向)を変更する機能や、送風速度を変更するためのステップコマンドなど強化も行われた。

改良点としては、デバイスの外観に関する記述が追加され、クライアント間でデバイスの有用な表現が可能になる。エンドポイントから階層的にデバイスを構成できるようになり、家電製品、複数ユニットのスイッチ、複数照明器具の正確なモデリングが可能になった。また、デバイスの異なる動作モードを一般的な方法で表現するようにした。これにより、Matterの将来のリビジョンで新しいデバイスタイプの生成が容易になり、様々なクライアントでの基本的なサポートが保証される。