広島電鉄、日本電気(NEC)、レシップは23日、開発を進めているABT(Account Based Ticketing)方式を採用した、広島エリアでの新たな乗車券サービスの名称とおもなサービス内容を発表した。サービス名称は「MOBIRY DAYS(モビリーデイズ)」、サービス開始時期は2024年9月を予定している。
ABT方式とは、スマートフォンに表示させたQRコードや新たなICカードを認証媒体として使用し、QRコードやICカード固有のID番号と紐づいた利用者の情報をクラウドサーバ側で管理する方式。チャージ残高や定期券などの利用者情報をクラウドサーバ側で保持・参照・更新し、機器側では高速な計算処理を行わないため、システム全体の低廉化を図ることができる。
新乗車券システムでは、QRコードやICカードに加え、今後、多様な認証媒体への対応も可能になるため、他の交通手段や街中・旅先等でのさまざまなサービスとの連携も期待できるとのこと。
「MOBIRY DAYS」の利用にあたり、利用者が自身のスマートフォン・パソコンから会員登録を行う必要があり、その際にクレジットカードまたは銀行口座の登録も必要。登録後、スマートフォンに表示させたQRコードを路面電車・バスの車両に設置されるリーダー(読取機)へかざすことで利用できる。スマートフォンを持っていない場合は、新たな専用ICカードを発行してもらえる。
定期券の購入とチャージの際、窓口へ行く必要がなく、スマートフォンアプリや会員ウェブサイトから簡単に行えるとのこと。チャージ残高が事前に設定した金額を下回った場合に、登録しているクレジットカードや銀行口座から自動的にチャージを行うオートチャージ機能も用意されている。
なお、定率割引や乗継割引といった基本的なサービスは、現行ICカード「PASPY」の内容を引き継ぐ。金額式定期券、特定日割引、バスの全扉乗降など、新しいサービスの導入も検討していく。