フジテレビは13日、世界で4億6,000万人が参加するアバターコミュニティ「ZEPETO(ゼペット)」と、戦略的パートナーシップを締結し、ZEPETOを中心に活動するアバターアーティスト育成プロジェクト「超越のゆにばーす『シャーぴゅる』ーイケボアバター育成計画ー」を開始することに合意したと発表した。

韓国・NAVER Z Corporationが運営するZEPETOは、スマホアプリで3Dアバターを生成でき、メイクや着せ替え、コミュニケーションを仮想空間上で楽しめる。アバターのポーズやダンスをSNSで公開できたり、アバター同士でチャットや音声、メッセージ、ライブ配信、ゲームによる交流ができたりと、メタバース上でアバターを軸としたソーシャル機能も体験できる。

さらに、作成した「3Dアバターは、髪型や体型などもユーザーの嗜好に合わせてカスタマイズでき、ZEPETO内で着られる衣装のデジタルアイテムを制作・販売することも可能。自由に自己表現をしたい多くのα世代、Z世代のユーザーが集まっているプラットフォームだという。

アバターアーティストの育成プロジェクト「超越のゆにばーす『シャーぴゅる』ーイケボアバター育成計画ー」では、まず、声優アーティストオーディションを開催。アバターに声優が声を吹き込み、その歌声などを審査する。優勝した声優は、ZEPETOを中心に活動するアバターアーティストとなり、世界デビューを目指していく。このオーディションの様子は共同制作で番組にもする予定だ。

このプロジェクトは、ZEPETOで今年7月から提供が開始された2Dアバターで行われる。日本アニメーション文化の世界的浸透やVTuber市場の急拡大の影響もあって、この2Dアバターは幅広くユーザーの支持を受けており、ローンチして1カ月でカスタマイズされた2Dアバターが約2330万回保存されるなど反響を呼んでいる。

フジテレビは、ZEPETOコミュニティの熱量やコンテンツの拡張性に可能性を感じ、NAVER Zと戦略的パートナーシップを構築。両社でエンタメ市場におけるさらなる企業価値拡大を目指していくとしている。このプロジェクトの詳細は、今後順次発表していく予定だ。

■大多亮氏(フジテレビ専務取締役)コメント

「ZEPETOとの業務提携により、メタバースの仮想空間にフジテレビの良質なコンテンツ制作力を活かしたグロバールビジネスを展開できることを大変うれしく思います。特に多くのα世代、Z世代のユーザーが集まっているメタバース空間にアクセスすることで、その世代にそのコンテンツを訴求できると考えています。このプロジェクトは準備段階から日韓の働き方の違いから生まれる様々な困難、アバターコンテンツ制作という新たなジャンルへ挑戦が待ち構えていました。しかし、国の垣根を超え、両国のスペシャリストが揃った結果、これまでにない新たな作品が誕生すると期待しています。そして、オーディションで誕生したアバターアーティストは、日本を皮切りに、世界で活躍してくれるものと確信しています」

■カン・ヒソク氏(NAVER Z ビジネス総括リーダー)コメント

「アバターアーティスト育成プロジェクトで、フジテレビとの素晴らしいコラボレーションを発表できることをうれしく思います。NAVER Zは常にアバター技術の最前線に立っており、アバターのユースケースをエンターテインメントの世界へと拡大するパートナーを探していました。フジテレビが持つ多様なコンテンツの品質とエンターテインメント性には、かねてより注目していましたが、そのフジテレビと協業できることになり、とても興奮しています。我々は、メタバース空間でクリエイティブ表現とエンターテインメントの限界を広げるべく取り組んでいますが、今回のパートナーシップは、その重要な節目となるはずです。私たちはリアルの世界とメタバースの世界を融合させながら、これまでにない方法でバーチャル・アーティストに命を吹き込むことを目指しています。4億6000万人を超える世界中のZEPETOユーザーと、このプロジェクトを共有するのが待ちきれません」