ビジネス環境の急激な変化に対応するために、必要とされる知識やスキルを働きながら習得し続けることが不可欠な時代。企業は人材の価値を引き出すために"リスキリング"に注力しています。

今なぜリスキリングに注目が集まるのか、そして、リスキリング経験の有無が働く人にどんな影響を及ぼすのかについて解説していきます。

新しい知識やスキルの習得が不可欠な時代に

就活生の皆さん、"リスキリング"という言葉を知っていますか? リスキリングとは、ビジネス環境の変化や急激な技術の進化に対応するために、働きながら必要な知識やスキルを習得すること。

同じような言葉で"リカレント教育"という言葉がありますが、リカレント教育は自分の意志で職場を離れて大学などで学び直すことで、リスキリングは企業が主体となって従業員のスキルや知識の習得を目指すものとされています。

ITやAI(人工知能)が急速に進化するなか、企業は今、人材を「資本」としてとらえ、人材の価値を最大限に引き出すことで、継続的に企業価値を向上させることに力を注いでいます。

そんな中で注目されているのがリスキリングで、実はリスキリング経験の有無が将来的な年収にまで影響を及ぼすという調査結果が報告されているのです。

入社後も常に自分をブラッシュアップし続ける意識を

転職経験者を対象に実施した調査で、年代、業種、職種によって差はありますが、リスキリング経験がある方の平均年収が558.9万円で、リスキリング経験がない方の平均年収が395.5万円と、163.4万円の差があるという結果が報告されています。

「新卒で入社して、これから仕事をスタートするときに、そんな先のことはイメージできないよ」と思われるかもしれませんが、今や新卒で入社した社員の3割が3年で転職を経験する時代。キャリアアップを見据えて転職することは特別なことではなくなっています。

  • 現在の年収(リスキリング経験有無別/回答数1,500) 出典:マイナビ 転職動向調査2023年版(2022年実績)より

  • リスキリング経験の有無と転職前後の平均年収 出典:マイナビ 転職動向調査2023年版(2022年実績)より

将来的に転職するかどうかは別として、常に自分の能力を向上させること、ビジネス環境の変化やテクノロジーの進化に対応するために自分をブラッシュアップし続ける意識を持つことはとても重要です。

VUCA(※)の時代、継続的に新しい知識やスキルの習得することが不可欠。つい先日、さまざまな企業の内定式が実施されたばかりですが、志望企業の内定獲得、そして入社で満足することなく、積極的にリスキリングに取り組む気持ちを持ち続けましょう。

※VUCA:ブーカと読む。Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)という4つの単語の頭文字をとった言葉。目まぐるしく変転する予測困難な状況を意味します。