9月23日、J:COMホール八王子にて”プリパラフレンドシップ オータムライブ2023”が開催。新アプリ『アイドルランドプリパラ』のローンチや、アプリ内で同名の新作アニメを随時配信するなどの新たな展開が続く『プリパラ』シリーズの単独ライブイベントでは、新作アニメの、公演時点での最新話・第5話『ひびきVSマリオ!!男プリ美化計画!』までの設定をベースにしたステージを観客の声援を受けながら繰り広げていった。本稿ではそのうち、夜の部の模様をお届けする。

出演者は(茜屋日海夏(真中らぁら役)/芹澤 優(南みれぃ役)/久保田未夢(北条そふぃ役)/山北早紀(東堂シオン役)/澁谷梓希(ドロシー・ウェスト役)/若井友希(レオナ・ウェスト役)/牧野由依(黒須あろま役)/渡部優衣(白玉みかん役)/真田アサミ(ガァルル役)/斎賀みつき(紫京院ひびき役)/佐藤あずさ(緑風ふわり役・ファララ・ア・ラーム役)/山本希望(北条コスモ役)/伊達朱里紗(夢川ゆい役)/大地 葉(虹色にの役)/山田唯菜(幸多みちる役)/朝日奈丸佳(華園しゅうか役)/河合健太郎(大江戸シンヤ役)/鵜澤正太郎(ウシミツ役)/飯田里穂(香田澄あまり役)/橘 龍丸(マリオ役)。

チームはじまりの曲から最新エピソードまで!『プリパラ』の歴史感じる前半戦

開演時間を迎え、『プリティーシリーズ』のライブイベント開始を告げるチャイムが鳴ると、ゆいの「今日はみんなのゆめかわなキラキラを、思いっきり声に出して届けてね!」とのナレーションに続いてOP映像がスタート。そのOP映像が流れるなか、観客が登場するキャラクター一人ひとりの名前をコールして、場内が温まったところでライブスタート。

「チクタク・Magicaる・アイドルタイム!」のイントロの秒針音流れるなかステージに伊達と佐藤が登場。『アイドルタイムプリパラ』内でこの曲をソロ歌唱した2人による久々のコラボに、場内は沸き返る。パフォーマンスの中で、かわいさと元気さを立たせた伊達とふわりとおおらかなパフォーマンスの佐藤といったように各々のキャラの個性も見せながら、左右対称になったり手を取ったりと、ペア感のある振付で観客を魅了していく。

そこに大地と山田が加わり、MY☆DREAMの3人による「ハートフル♡ドリーム」へ。コールがふんだんに盛り込まれたこの曲で、場内のボルテージはさらに急上昇。ステージ上の3人も、その高まりに負けない熱量あるパフォーマンスを展開した。

それに続いて登場したSoLaMi♡SMILE(茜屋・芹澤・久保田)は、笑顔をきらめかせながらチームとしてのはじまりの曲「Pretty Prism Paradise!!!」を久々に披露。そふぃらしい余裕感を醸し出しながらも切れ味あるパフォーマンスを繰り広げる久保田や間奏で「かしこまっ!」を決めながら観客を煽りまくる茜屋と、3人それぞれのステージングがキャラクターと重なる。

さらに大サビではスクリーンの中の3人とダンスをシンクロさせるなど終始質の高いパフォーマンスをみせると、続くDressingPafé(山北・澁谷・若井)による「ラン♪ for ジャンピン!」で観客は、序盤からコールとともに盛り上がりまくり。キャラクター性を生かしキュートさをあふれさせながら跳ね回る若井をはじめ、ステージ上の3人もダンスや歌声はもちろん表情にも個性をあふれさせたエネルギッシュなステージを展開。中盤では澁谷から始まるコール・アンド・レスポンスなども通じて、観客をさらに『プリパラ』の世界へといざなっていく。

曲明けのMCパート、MY☆DREAMの3人が進行するなかGaarmageddon (牧野・渡部・真田)の3人が乱入。さらにしゅうか(朝日奈)が登場し、彼女以外の6人が栗と“イガイガ虫”探しに向かったところで、朝比奈による「Miss.プリオネア」からライブが再開する。イントロから軽やかなステップで視線をぐっと惹きつけて離さないダンスパフォーマンスが、この日は久々に観客からのコールも呼び起こす。

その歓声を浴びながら高貴かつ凛としたステージをみせると、栗探しから戻ったGaarmageddonがライブ定番曲「アメイジング・キャッスル」を披露。この日は歌声の元気さやBメロのジャンプの高さなど、特に真田のステージングが目を引く仕上がり。また、1サビ後には観客の「ガァルマゲドン!」のコールでガァジラを召喚するミッションも。歌唱前のあろま(牧野)の「いいことを思いついたのである!」との言葉を回収する形で、観客にさらなる参加感をもたらしてくれた。

歌唱後には「次にライブをするのはこのボクでーす!」と澁谷が登場。”あくまつり”の準備のため牧野が降壇している間に、客席を上手側・センター・下手側の3エリアに分けて、ペンライトの光でドレシカラーやガァルマゲドンカラーに染める。そして再び2人が栗探しに行ったところで次の曲が始まる……かと思いきや、“曲振り時の歓声のボリュームに不満なドロシー”として曲を止める澁谷(※実はリハーサルにて打合せ済)。

改めて、身体中がビリビリするような大歓声を浴びて「スター☆ア・ラ・カルト」がスタート。もちろん牧野もステージに戻り、さらには斎賀も登場して客席からは大歓声が。歌詞に沿ったキャラクターとしてのやり取りを交えながら、序盤は溶け合わない各々の個性を存分に味あわせつつ、後半では美しくハーモニーを響かせてチームワークでも楽しませてくれた。

その余韻残るなか、ステージには“南委員長”モードの芹澤が登場して「TRIal HEART ~恋の違反チケット~」の披露へ。昼公演とは別の、みれぃの異なる一面を感じられるソロ曲に会場中を歓喜の絶叫が包む。その後も「みれぃ!」のコールが響くなか、芹澤自身は堂々とクールな歌声を響かせながら、ジャンプ等を交えつつも決めどころではピタリと止まる、美しくメリハリのあるパフォーマンスを展開して観客を魅了しきる。

続いて登場したDARK NIGHTMARE(河合・鵜澤)は、今年3月開催の単独ライブイベントで披露した新曲「Raiding Warriors」でステージへと殴り込み。イントロが流れるのと同時に、とにかく跳ねてパワフルにステージ上を躍動。フレッシュ感もある歌声をまっすぐに響かせつつ、1サビ明けでは鵜澤が拡声器を用いて観客を煽ったり、サビ冒頭の前蹴りを2人揃えるなどのパフォーマンスを通じて観客のボルテージを上げる。

彼らのパフォーマンスを受け「いいぜ!」の声が響き渡るなか、それを自らもコールしながら若井が登場してレオナとしてソロMCを担当。”男プリ”と同じような怪しい出来事が頻発していることを説明し、「気をつけて、覚悟して待っててね!」と”何か”をほのめかしてステージを降りると、斎賀がひびきの執事・安藤役のダンサーを従えて「嘘つきはTomorrowの始まり」がスタート。スピンなど鮮やかなダンスでステージを彩る安藤を従えながら、堂々たる佇まいで力強く歌い上げていくと、ライブはさらなる怒涛の展開へ。

なんと「チョコレートアイスクリーム・トルネード」のイントロ流れるなか、シャウトとともに橘が客席中央に登場!荒々しくパワフルに歌唱して目の前にいる観客のハートをぐっと掴み、まさにトルネードのように巻き込んでみせる。楽曲後半、メインステージに登っても変わらぬ刺々しさをもって歌うと、メイキングドラマ中に今度は斎賀が乱入!ライフルを使った銃撃戦に突入するも決着つかず……という『アイドルランドプリパラ』第5話の展開を完全再現してくれた。

そんな衝撃と余韻が残るなか、レオナからの通報を受けたドロシー(澁谷)や騒動を察知して解決に来たミーチル(山田)が登場し、茜屋・渡部が合流して”プリパラポリス”が、さらに伊達・大地が合流してMY☆DREAMが揃い、ミーチルへの冤罪を巡るやり取りを繰り広げてからプリパラポリスによる「ぱぴぷぺ☆POLICE!」へ。Gaarmageddonでのステージ同様に、楽曲冒頭から渡部の跳ね方やダンスのダイナミックさはここでも光り、ぱたぱたとした移動も含めてみかんらしいかわいらしさにもあふれたもの。

また茜屋のパフォーマンスからは程よい肩の力の抜け具合が感じられ、らぁらと一緒にステージを楽しんでいるように見えた。それに続いては“北条姉妹”、久保田と山本による「クール・スター」。こちらも久々の披露となる楽曲ではあるが、2人揃えたり左右対称になるような要所をピタリと決めた、コンビネーションバッチリのステージを繰り広げていく。

そのうえで、”神アイドル”のひとりらしく切れ味抜群な久保田のダンスに、随所に自信をあふれさせたパワフルなパフォーマンスを展開する山本と、各キャラの個性も輝かせていくと、今度はふわりとして登場した佐藤のソロ曲「パルプス・ノンフィクション♪」へ。ミドルテンポのEDMを、歌声と佇まいにキュートさを盛り込みながら軽快なステップで乗りこなしていくと、落ちサビ以降はステージに現れたぬいぐるみの小ヤギさんを抱えての歌唱。緑のペンライトの輝きで作られた草原を前に、まさにパルプスの少女としてのステージを届けてくれた。

と、ここでステージには飯田と橘、さらに客席通路に河合・鵜澤が登場してのMCパートに。ここでも『アイドルランドプリパラ』第5話でのあまりとマリオの関係を彷彿とさせるやり取りも交えつつ、グッズ紹介対決を経てステージには飯田ひとりが残る形に。あまりとして慌てふためく飯田の後ろで、橘が「あまり」コールを先導。

観客から大きなコールが起こると、それに勇気を得てあまりのソロ曲「カオティックハリケーン」へ。楽曲の後半・2-Aメロではステージ上の照明が彼女を照らすものだけになったり、落ちサビではスクリーンに映し出された過去の”あまりもの”だった姿を見つめながら歌唱したりと演出を通じて彼女の内面も描きつつ、それを乗り越えてのパフォーマンスは、歌声もダンスも実にパワフル。物語を通じた彼女の心情変化を感じさせ、「香田澄あまり」という人物像をさらに深掘りした1曲となったように思う。

続いては、コスモのソロ曲「Burn! Cosmic Liberty」へ。マイナーコードのデジタルJ-POP調の楽曲を、歌声にクールさも持たせながら山本が歌唱していく。雰囲気の変わるBメロではコールを呼び起こしたり客席への指鉄砲を交えたり、その後もお立ち台から視線を交わしたりなどして観客との繋がりを楽しんでいくと、続いてはGaarmageddonが「神曲!~Gaarmage Tourism~」を、息ピッタリな仲良し3人らしい元気さ・無邪気さをいっぱいにあふれさせながら披露。間奏では序盤のエリア分けどおりに3色のガァルマゲドンカラーに分かれて客席が輝くと、コール・アンド・レスポンスや牧野の先導に続くコールを通じて、場内のボルテージをさらにUPさせる。

『プリパラ』が大好きなみんなと一緒なら、きっと未来はまだまだ広がる

そして「メイクマニー・メイクドリーム」のイントロ流れるなか、朝比奈が衣装をチェンジして再登場。再び黄金色に染まった客席を前に、勝ち気な表情・歌声とともに、EDMのリズムを的確に捉えたダンスでまたも魅了していく。大サビ直前「掴み取るみゃぁ~!」のシャウト後に、彼女の後ろにシルエットでEVERGOLDのチームメイト・ガァララとミミ子が映し出される演出が、新作アニメでのしゅうかの現状を重ねてぐっときた者も多かったのではないだろうか。

新作アニメを重ねてぐっとくるといえば、続くMY☆DREAMによる「Believe My DREAM!」も同様だったことだろう。元々エモーショナルさを強く感じさせる楽曲であり、物語の中で3人揃ってのライブができない状況なうえ、登場した3人は新衣装を身にまとっていたのだから。だからこそサビで3人並んでハイタッチを交わし合うような振付が普段以上に胸を熱くしたし、Dメロで3人がきゅっと集まっての決めポーズも、多くの観客の心に焼きつけられたものとなったはずだ。

歌唱後、改めて新衣装について嬉しそうに触れる3人。「それぞれ朝・昼・夜をイメージしたもの」とコンセプトも明かされると、これまでを振り返りつつ未来を見据えるようなやり取りを経てキラキラが集まったところで、新曲「シリアルドリーマー!!!」を初披露!MY☆DREAMらしいポップさもありつつ、ただ力押しするだけではなくキュンとくる成分ももったサウンドを、3人のキャラ性にリンクするだけでなく各々の名前やソロ曲のタイトルも盛り込まれた歌詞が彩っていく。そんな楽曲の中で、3人それぞれの個性も今まで以上に発揮。

頭サビ後に三角形のフォーメーションをローテーションするような部分では大地がにのらしく元気いっぱいに正拳突きを決めれば、Bメロではハートの中心で笑顔を咲かせるなど楽曲を通じて伊達がキュートさを輝かせ、2サビ明け間奏直前では山田がふわっと高く跳び上がってキャラ性と感情の高まりを同時に表現していく。その間奏では「ハートフル♡ドリーム」のものを発展させたコールが盛り込まれたり、さらにはソロダンスパートもあったりと、MY☆DREAMの成長と未来への可能性を存分に感じさせる大事な曲になったように思う。

そこからバトンを受け取ったDressingPaféは、ミュージカルのように始まる「My Way Star」を披露。フィーチャーされるドロシー(澁谷)を中心に軽快なステップとともに魅せると、爽快感を伴って楽曲が走り出してからも、一つひとつの振付において表現幅を広く取ったパフォーマンスをみせていく。その中でも、特にステージを満喫しているように感じられたのが山北。

堂々たるパフォーマンス自体ではシオンとピッタリ結びつきながら、Dメロを筆頭に心から気持ちよさそうに立っていることが伝わってきた。そしてSoLaMi♡SMILEによる『アイドルランドプリパラ』OPテーマ「OPEN DREAM LAND!」へ。再び”みれぃモード”になった芹澤があざとくキュートなステージを展開するなどここでも各アイドルの個性を反映しながら、サウンドにマッチするようステップには軽さを感じさせつつ切れ味も伴ったパフォーマンスを展開していく。大サビ直前にソロをリレーしていく部分では、センターで笑顔を輝かせながら優しく歌いかけるような茜屋の姿が優しく呼びかけるらぁらのようで、またも胸を熱くさせられた。

曲明けにはこの3人によるMCで『プリティーシリーズ』全体の告知や『アイドルランドプリパラ』第6話の予告映像の上映が行なわれ、出演アイドル全員がステージに集合。代表者からの挨拶では、久々の声出しありの『プリパラ』単独ライブということで斎賀が「プリパラアイドルは全員女子」という設定を呼び水に会場中の黄色い声を浴びたり、茜屋が会場中の観客と「かしこまっ!」を交わして喜びをあらわにしたりとコロナ禍前には定番だったやり取りを復活させて観客とコミュニケーション。

SoLaMi♡SMILEからは単独ライブなどのおねだりを経て、芹澤も久々に「プリパラは好きぷり?」と呼びかけ「大好きー!!」と歓声が返ると、「じゃあ大丈夫! そらみも何かしらできるぷりー!!」と意気を上げてみせた。

そして最後はオールキャストでの「Crew-Sing! Friend-Ship♡」で、ステージ上からも客席からも大きな「ヨーソロー!」の声が響き渡る。マリオとしてやる気なさげに立っていた橘が、飯田に促されてユニゾンをしたり、2階ステージには年内いっぱいで声優活動を休止する澁谷を中心にSoLaMiDressingが6人揃っていたりとエモーショナルな光景も広がりつつ、各出演者がゆっくりステージを周回しながら歌唱してライブは幕を下ろしたのだった。

ED映像後には、“プリパラ&キラッとプリ☆チャン&ワッチャプリマジ! Winter Live 2023”が12月3日に開催されることが発表!早速訪れた、降壇直前の伊達からの「絶対また会おうねー!」の約束を果たせる機会、要チェックだ。