自分が「何も考えてない人だ」「ちゃんと考えてる?」と言われれば、あまりよい気持ちにはなりませんし、周囲に「何も考えてない人」がいれば付き合い方に困ってしまうことがあるでしょう。

本記事では「何も考えてない人だ」と思われがちな人の特徴や、そう思われてしまう理由・心理を紹介。自分が「何も考えてない」と言われ困っている場合の脱却法や、何も考えていない人との付き合い方もまとめました。

  • 何も考えてない人とは

    「何も考えてない」と思われてしまう人の特徴や心理、脱却するための方法や付き合い方を紹介します

「何も考えてない人」と言われる人の特徴

まず、「何も考えてない」と周囲から思われがちな人によく見られる特徴を見ていきましょう。

空気が読めない

周りの人から「何も考えていない」と思われがちな人は、自分中心の発言や行動をよくします。そのため、相手の話を遮って自分が話し始めてしまったり、相手に配慮せずに自分の都合だけで行動に移したりしがちです。

そんな様子から、協調性がない人、周りに対する気配りができない人だという印象を与え、「考えなし」だと思われてしまいます。

先を考えないで動く

先を考えずに即行動することも、「何も考えていない」と思われがちな人の特徴です。これは、先を考えるのが面倒、説明を聞いて理解するのが面倒といった気持ちの表れであると予測されます。

何も考えていないがゆえに、考えることを省いて行動に移してしまうのです。

自分で考えない、行動しないで、何でも人任せにする

自分の意思がなく、できる限り自分の負担を最小限に抑えようとするのも、「何も考えていない」と思われがちな人によく見られる特徴です。そのため、自分で考えて発言したり、自分から行動を起こしたりせず、周りの意見に合わせて動きます。

そもそもやる気や責任感が少なく、自分は発言する必要がない、責任を取りたくないなどと考えていることもあるでしょう。

わかったふりをする

わかったふりをするときの心理にはさまざまなものが考えられます。例えば片思いをしているときに、自分をより知的に見せたいという心理が働いて、わかったふり、知ったかぶりをしてしまうことがあるでしょう。

しかし何も考えていないとされる人の場合は、説明を聞いたり、理解をしたり、相手と真剣に向き合ったりすることが面倒なので、わかったふりをする癖がついてしまっていることがあるでしょう。

優柔不断で決断ができない

普段から考えることをしていない人は、考える力が鍛えられておらず、ランチのメニューを決めるなどのささいなことでもなかなか決められない場合があります。

周りを待たせてイライラさせていることにも気付かずに迷い続けることで、「普段から何も考えてない人なんだ」と思われてしまうことがあります。

「仕事ができない」と思われてしまうことがある

仕事の場において、考えない人は基本的に指示を待って行動します。そのため言われたことしかできず、自ら積極的に動いたり、状況を改善したりするような働き方ではないため、「仕事ができない人」と思われてしまうことがあります。

しかし、指示を出せば完璧にこなすケースもあるため、仕事ができないと言い切ってしまうことはできません。会社のリスクを考えて、無理に挑戦せずにできる仕事をこなすことが大前提である、という考え方もあるでしょう。

「何も考えてない人」が自分で考えない理由・心理

  • 「何も考えてない人」が自分で考えない理由・心理

「何も考えない人」と思われてしまうのには、さまざまな理由、心理があります。考えられるものを見ていきましょう。

自分が正しいと思っている

考えない人の中には、自分の直感、考えが正しいと思っているため、周りの意見を取り入れて練り直そうという思考にならない人もいます。これ以上の方法はないと決めているので、そこで思考停止してしまうのです。

ある意味、自信があって頼もしいとも言えますが、周りからは「全て自分が正しいと思っている」「自分勝手」「配慮が足りない」などと反感を買うことがあります。

失敗したくない、責任を持ちたくない

「失敗して責任を取りたくない」という気持ちが強いために、考えることから逃げているケースもあります。失敗したことで自分の評価に傷をつけたくないというプライドの高さも影響しているかもしれません。

恋人や友人との間でも、例えば自分の意見で遊びに行った場所が不評に終わってしまう事などを避けて、人の意見に任せることで失敗を回避します。

失敗するのは悪いことだけではないはずなのに、失敗を恐れる慎重性が勝ってしまい、自分の意見を言えない、言いたくない、端から考えたくないと思ってしまうのです。

自分に自信がない

「自分が正しいと思っている」とは逆に、自分に自信がないことも、「何も考えない人」に思われてしまう理由の一つです。

このタイプの人は自分の考えを自信を持って相手に伝えることができないために、発言を避けて、いわゆる指示待ち人間になってしまいます。自己評価が低く、「自分の考えが正しいわけがない」と考えている可能性があります。

本当に自分の考えがない

常に自分が正しいと考えている、責任を取りたくない、自信がないなどの人とは異なり、そもそも本当に自分の考えがない人もいます。

このような人は見方を変えれば、周りの意見を尊重し、決まったことに向き合って一緒に楽しんだり、努力したりできる人とも言えるでしょう。

「何も考えてない人」から脱却するためには?

  • 「何も考えてない人」から脱却する方法

もしあなたが「何も考えてない人」と思われないようにしたいなら、少し行動を起こすことで、相手からの印象を変えられるかもしれません。無理なくできるところから挑戦してみましょう。

考えてから行動する習慣をつける

考える前に即行動してしまう癖がある人は、一呼吸置いて情報を整理し、少し考えてから行動するようにしてみましょう。

また頭の回転が速く、先を瞬時に思い描いて理解できる人であっても、あまりに行動が早すぎて周りの理解が追い付いていない場合は、何も考えていないと印象付けてしまいます。

考えを整理している間に、もしかしたらいま思い浮かんでいる以上のアイデアが生まれる可能性も十分にあります。

自分の考えていることを口に出す

自分への自信のなさから、極端に発言を避ける人がいます。確かに大勢の前で意見することは勇気も要りますし、緊張もします。

しかし「何も考えてない人」から抜け出したいのであれば、自分の考えている事を発言することは必要です。意見を言わなければどう思っているのか相手に伝わらず、「考えなし」と思われても仕方ありません。

最初は相手の意見に対して「私もそう思う」など賛同する形でもいいので、積極的に発言していくように心掛けましょう。発言することに慣れたら、徐々に自分の意見を話していけば、壁は乗り越えられるはずです。

自分の思うことを書き出す

自信のなさから自分の意見が言えない人が、自信を持って発言するには、自分の考えを理解し、整理しておくことも必要です。考えがまとまっていなければ、意見がコロコロ変わっているように聞こえ、それこそ優柔不断、自分の考えがないと思われてしまいます。

頭の中で考えるよりもノートなどに意見を書き出した方が、問題点や解決策が見えやすくなるでしょう。課題を明確にして客観視できれば、自分がどうしたいのかがわかってくるはずです。

目的を持つ

「何も考えてない人」と言われる人は、到達点が不明確で、全てを何となくで済ませている場合が多いです。

そこで、例えば仕事の場では「この作業が好きだからこれを極めたい」「○歳までに独立したい」、プライベートであれば「◯歳までに○○に行ってみたい」など、自分が心からしてみたいと思えることを明確にしておくと、そこまでのやるべき道筋がわかりやすくなるでしょう。

そこまで大きな目的でなくても、まずこの作業は何のためにするのかを明確にすることから始めるのでも十分です。

目的へたどり着くためには何をするのか、何をしないのかの判断や、どう行動したらいいのかの判断をしていくことで、自分の考えがはっきりしていくでしょう。

「何も考えてない人」との付き合い方

  • 「何も考えてない人」への対処法

自分の周囲に「何も考えてない人」がいる場合もありますね。できれば苦手な人とは距離を置きたいですし、振り回されたくありませんが、職場などどうしても避けられない場合があります。

そんなときは相手を変えようとするのではなく、こちらから行動を起こしてうまく付き合う方が、自分もイライラしないで済みます。下記のような方法で、自分が一歩大人になって付き合ってみましょう。

褒める

どんな人でも、褒められればうれしい気持ちになるものです。そこで、普段は何も考えていない人が自分で考えて行動できた場合は、褒めるようにします。たとえ失敗したとしても、結果を責めるのではなく、考えられたことを褒めます。

そうすると相手は、次第に自分で考えることの心地よさを覚えるようになるでしょう。

失敗してもイライラしないようにし、責めない

自分に自信がないせいでアクションしないことにより「何も考えていない」と思われがちな人は、相手のがっかりした姿を見ることや、イライラさせてしまうことを恐れています。もし自分の言動で相手がそのような状況に陥ってしまうと、ますます自信を無くし、さらに引っ込み思案になってしまうでしょう。

そこで、もし相手が失敗したことにイライラしてしまっても、できる限り態度に出さないように我慢して、次に失敗しないためにはどうしたらいいのかアドバイスをしたり、相手の考えていることを聞き出したりしましょう。

失敗したことを責めるのではなく、なぜ失敗してしまったのか原因を探り、次につなげるために一緒に反省点を見つけてあげるようにしてください。

答えや改善策は一つではないことを伝える

失敗を恐れている、責任を負いたくないということから発言が少ない人は、答えは一つであると思い込んでいる場合が多いです。

そこでまずは答えや解決策をいくつか伝え、その中から何が最適だと思うかを問うようにしてみましょう。

相手の考えを掘り下げる

何も考えていないように見える人に対しても、ぜひ一度、本当に何も考えていないのかを探ってみてください。

「何も考えていない」というのはあくまで周りからの印象や評価であって、事実は本人以外にはわかりません。案外頭の中ではしっかりと考えていても、人間関係の問題や過去のトラウマなど、予想外の理由があって周囲に伝えていないだけかもしれません。

理由がわかれば相手を理解し、一緒に改善していけるでしょう。

割り切って指示を与えて、単純作業をしてもらう

「何も考えていない人」でも、考えずにできる単純作業は得意だという場合もあるでしょう。

自らやることを見つけて能動的に動くことができないのであれば、やる仕事を与えてあげるのです。何も考えずに動けるように、明確な指示を与えて単純作業をお願いしましょう。

「何も考えてない人」の内面はさまざま! 理由を知り上手に付き合うことが大事

人から「何も考えてない人」と思われても、それはあくまで表面的な判断で、内面的なところは本人にしかわからない、はたまた本人でさえも気付いていない場合があります。

単純に「何も考えてない人だ」と片付けるのではなく、どうしてそう見えるのか、理由を深掘りしていくといいでしょう。

また、考えないことが100%悪いとも言い切れません。逆に考え過ぎるとうまくいかないこともあります。人間関係においては、さまざまな人がいるからバランスが保たれているのです。自分にも相手にも寛容になって、ストレスを減らしていきましょう。