NTTドコモは10月10日、現在同社が取り組んでいる通信品質改善の取り組みについて、取り組みの概要と都内4エリア(新宿/渋谷/池袋/新橋)における通信品質改善状況を公開した。

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NTTドコモがこの日、具体的な取り組み内容として示したのは全国の約2,000カ所の駅/繁華街/住宅街を対象とした「点」での対応と、全国の鉄道での移動中に不便なく利用できるようにするための、乗降客数の多い路線に対する鉄道動線の「線」の対策。このうち、約2,000カ所のエリアでの対策にはすでに着手しており、鉄道動線での対策は重点的に対策を実施するエリアの洗い出しなどを進めているという。

各エリアでは、既存基地局の電波照射の角度調整/指向調整/出力調整、5G上り通信品質の改善といった既存基地局を活用しての対策と、設備増設/新設および高度化されたMassiveMIMO装置の導入といった基地局設備対策を併用していく。具体的な通信品質としては、利用者が安心してHD画質相当の動画視聴を楽しめる通信品質を目安としているという。

これらの集中対策は、2,000カ所のエリア対策については2023年12月までに90%以上完了することを、鉄道動線での対策については2023年12月までに既存基地局を活用した対策を完了することを、それぞれ予定しているという。これらの集中対策は、現状で通信のつながりにくさが発生しているエリアだけでなく、近い将来に対策が必要となることが予想されるエリアにも実施し、300億円の投資を行うとしている。

また、特につながりにくい状況があったとされる都内4エリア(新宿/渋谷/池袋/新橋)における通信状況については、2023年7月時点での報告内容からも改善が進んでいる状況が報告されている。とくに渋谷駅周辺では、ホームへの屋内アンテナ再設置工事の実施、西口周辺の5Gエリア化などの設備増強を行ったという。

  • 渋谷エリアの対策状況1
  • 渋谷エリアの対策状況2
  • 渋谷エリアの対策状況

  • 新宿・池袋・新橋エリアの対策状況1
  • 新宿・池袋・新橋エリアの対策状況2
  • 新宿・池袋・新橋エリアの対策状況

エリア 主な取り組み 通信品質評価(10月測定のスループット)
新宿 新宿駅東口周辺 5G基地局設備の増設
カバーエリア調整
不便なく利用可能
 5G端末:100Mbps以上
 4G端末:10Mbps以上
渋谷 渋谷駅東口周辺 5G基地局設備の増設
カバーエリア調整
不便なく利用可能
 5G端末:100Mbps以上
 4G端末:20Mbps以上
渋谷駅山手線・埼京線
ホーム中央付近
5G/4G基地局設備の増設
ホームの屋内アンテナ再設置
不便なく利用可能
 5G端末:20Mbps以上
 4G端末:10Mbps以上
渋谷駅西口周辺 5G基地局設備の増設 不便なく利用可能(5Gエリア化)
 5G端末:10Mbps以上
 4G端末:20Mbps以上
渋谷駅ハチ公口周辺 カバーエリア調整
周波数分散制御
基地局設備増設
不便なく利用可能
 5G端末:100Mbps以上
 4G端末:20Mbps以上
池袋 池袋東口周辺 5G基地局設備の新設・増設
不便なく利用可能
 5G端末:100Mbps以上
 4G端末:30Mbps以上
新橋 新橋駅烏森口周辺 5G基地局設備の増設
カバーエリア調整
不便なく利用可能(5Gエリア拡大)
 5G端末:100Mbps以上
 4G端末:10Mbps以上

注:太字は2023年7月28日時点から改善/向上している点。スループットは受信時の測定結果で、利用者の多い時間帯において、ドコモが測定したもの。時間帯・その他イベントなどの影響により実際の通信品質と異なる場合もある。