女優の吉岡里帆が主演を、俳優の永山瑛太が相手役を務めるカンテレ・フジテレビ系新ドラマ『時をかけるな、恋人たち』(10月10日スタート 毎週火曜23:00~)の取材会が10日、東京・フジテレビにて行われた。

  • 左から吉岡里帆、永山瑛太

■吉岡里帆✕永山瑛太『時をかけるな、恋人たち』

時間SFを得意とするヨーロッパ企画・上田誠氏のオリジナル脚本で描く今作は、主演・吉岡里帆、相手役は永山瑛太で、初共演となる2人が、タイムパトロール隊のメンバーとして時をかけてくる恋人たちを取り締まりながら、時空を超えた本気の恋をするラブコメディ。吉岡は令和の時代を生きる主人公・常盤廻を、永山は未来からやってきたタイムパトロール隊員・井浦翔を演じる。なぜか特命を受けた廻は、翔と一緒に恋の事情を抱えて時空を超えてやってくる違法なタイムトラベラーを取り締まることになるが、そんな廻を待ち受けていたのは、翔との“恋の超展開”。実は、かつて廻と翔は時をかけて恋に落ちた恋人同士だったのだ。

■永山瑛太、吉岡里帆の魅力絶賛

互いの印象を聞かれ、「吉岡里帆さんってすごい」と答えた瑛太。「人間能力のレベルがちょっと違うので、どうしようもない気持ちになってきちゃうというか」と真剣な表情で熱弁され、吉岡は思わず照れ笑いを浮かべてうつむく。続けて瑛太は「お芝居はもちろんなのですが、それよりも“人”を大事にしてるというか。人としてどういられるか、ということに重きをおいていて、こんなに人格者な女優さんはいらっしゃらないです」と絶賛。「スタッフさんやキャストが『はじめまして』のときって緊張がありますが、そんなときも和ませてくれる柔軟性と、包容力と、柔らかくて優しい思いがある。ゲストの方もいつも吉岡さんに癒やされて帰っていく。僕は最終回まで一緒にいられたので、吉岡さんだからこの現場をクリアできたなって」と撮影を振り返り「吉岡さんの人柄が出ている、ピュアなドラマだなと思います」とアピールした。

そんな瑛太が演じた翔について、吉岡は「300年後の人だから、やることなすこと全部が衝撃というか。瑛太さんが作り上げた未来人が面白すぎるからなんですけど、台本で見たときよりも、瑛太さんが演じることで、1つひとつにツッコまざるを得なくなる、一挙手一投足すべてが気になって目が離せない魅力が生まれている」と語り、ラブコメの相手役キャラクターとしての翔の魅力を「こんなに愛をずっと伝えてくれて、毎日君は素敵だ、頑張ってるって言われることってそうそうないと思うんですよね。視線1つひとつにも愛があって。出会ったとしたら絶対離しちゃいけない人間なのかなと思う」と語った。

瑛太は吉岡の座長ぶりについて「いろんな操縦を吉岡さんがしてるんだけど、絶対に皆が迷わないように操縦してくれて。僕がどこに行こうとしても、うまく引き戻してくれる」と表現すると、吉岡は「ちょっと私の考えは違っていて」と前置きし、「私が船だとしたら、その船を面白い島に連れて行ってくれるのが瑛太さん。『こっちだよ~』って言ってくれる瑛太さんに導かれて照準をあわせていたので、ドラマ全話を通していろんな島に行くのですが、どの島も面白くなったのは、瑛太さんのパワーとお芝居の力。この作品を絶対面白くするぞという気概を持って現場に来てくれた、SFラブコメというジャンルを最高の場所に連れて行ってくれた瑛太さんのおかげだと思います」と瑛太の見事な舵取りを目を輝かせて語った。

■吉岡里帆「頭から終わりまで見たこともない作品」

最後にドラマのアピールポイントを聞かれた瑛太は「吉岡里帆と永山瑛太の代表作になる、役者人生の中で一番の作品」と力強く答え、吉岡は思わず笑いながら「いや、うれしいですけどね」とコメント。瑛太は「アートをやっているので、順位ではないし勝敗ではないんですけど、どう爪痕を残すかという今の時代で、この作品の2人の爪痕の残し方はすごかった」とコミカルなまでに真剣な表情で熱弁。その言葉を受け「真面目な話をすると」と口を開いた吉岡。「1クール30本以上と本当に作品数が多い中で、差別化を測って選んでもらわない時代ですけど、頭から終わりまで全部違う、見たこともない作品。このクールのドラマと競うのではなく、歴代のドラマと競って、見たこともないものを届けるんだ、楽しんでもらうんだという気概が詰まっています。ものづくりの面白さを現場でも感じましたし、この思いがきっと届くと信じています」と瑛太に負けず熱く語り、「もしかしたら、『この作品は本当になんなんだ』ってなるかもですが、そのときは時代が合わなかっただけ。300年後に残ってるかもしれない」とSF作品である今作に絡めてニッコリ。

瑛太が「視聴者の方々の反応があれば、本当に続編ありだなと初めて思った作品です」と話すと、吉岡も「ザ・ムービーやりたいですね」と乗るが「いや、舞台でしょ」と反論される場面も。取材会終了後、瑛太は降壇しながら「さぁ、どうまとめるんでしょうか」と記者を眺め「吉岡里帆さんはすごい、ということだけ書いておいてください」と2回繰り返し、座長をねぎらっていた。