フィギュアスケートのシリーズ戦「フィギュアスケートグランプリシリーズ2023」の記者会見が8日、東京・六本木のテレビ朝日本社で行われ、宇野昌磨、山本草太、鍵山優真、坂本花織、樋口新葉、三浦璃来/木原龍一、そして松岡修造、荒川静香、町田樹が登壇。町田が現役時代を振り返った。
■町田樹、現役時代振り返りながら選手に寄り添う
今年から解説に加わった町田は、会見でも熱いトークを展開し、松岡から「哲学者」「町田ショーです」と表現されることに。選手への一問一答コーナーでは、リスペクトを感じさせる丁寧な言葉で質問を重ねていたが、現在のプログラムの完成度を鍵山が30%と答えると、「え、マジで? そうなんだ」とラフにつぶやく場面も。そして「30%は謙遜で、70%くらい仕上がっているように見える」と評価していた。
GPシリーズの目標を「楽しむ」と掲げた樋口に対しては、楽しみ方法を掘り下げながら「現役時代競技者として楽しめたことは一度もない」と吐露した町田。休養を経て復帰した樋口は「全然ジャンプが跳べないところからここまで来たので、跳べるようになっただけでも楽しいです。小さなことでも自分が楽しいと思えます」「ただ、やはり結果を残したい、求めている演技をしたいという気持ちが大きくなってしまうので、練習の成果を本番で出せるようになったら、会場の雰囲気をまた楽しめるようになるはず」と語った。町田は「普通にバシバシにやってたら、少々のことじゃウキウキ感ないもんね」と共感しながら、「そういうときはトリプルアクセルを降りてもなんの感動もなかったから、パフォーマンスを見つめ直すのは貴重な機会。樋口選手の強みはプログラムを完成させる力だと思うので、期待しています」とエールを送った。
そんな町田の解説に荒川は「今起こっていることを言葉で明確にしてくださるので、見ていて理解度が高まるようなGPシリーズになりそうです。フィギュアファンを理解とともに連れて行ってくれるシーズンになるんじゃないか」と期待を寄せた。
21日に開幕するGPシリーズ。昨シーズンは宇野昌磨と坂本花織、さらに三浦璃来/木原龍一ペアが、世界選手権で金メダルを獲得したが、2026年のミラノ・コルティナダンペッツォ五輪まであと3年、次の金メダル候補を巡る争いはさらに激しさを増していく。中国・北京で開催されるGPファイナルの切符を勝ち取るのは果たして。