iPhone 15シリーズでは、iPhone 5以来利用されてきたLightningに代わりUSB-Cが採用されました。コネクタの形状は左右対称で表裏の区別なく挿すことができ、さらにiPhone 15 Pro/Pro MaxはUSB 3(素のiPhone 15はUSB 2)に対応しデータ転送速度も大幅に向上しています。

ただし、ポート形状がUSB-Cに変更されたといっても、USB-Cで接続するあらゆる電子機器が利用できるわけではありません。まずは、従来のiPhone/iOSでもサポートされていたUSB関連規格のデバイスが、Lightning-USBカメラアダプタのような変換装置に頼らず利用できるようになった、つまり「直結」できるようになったと理解しましょう。

たとえば、USB-C端子を備えたUSBオーディオ機器(USB DAC/アンプ)は、iPhone 15に直接接続して利用できるようになりました。これは、iOSがUSB Audio Class 2.0という規格をサポートしているからです。

USB-C端子を備えたUSBメモリも、iPhoneに直接接続できます。これはiOSがUSB Mass Storageという規格をサポートしているからで、FAT32やexFATなどiOSが対応する形式でフォーマットされていれば、Filesなどのアプリで直接読み書きすることが可能です。

iOSはDisplayPort Altモードもサポートしているので、iPhoneの画面を(同じくDisplayPort Altモードをサポートした)映像機器に映し出すことも可能です。しかし、iPhone 15シリーズに付属のUSB-CケーブルはUSB 2仕様ですから、USB 3.2またはThunderbolt 3以上に対応したUSB-Cケーブルを別途用意しなければなりません。

このように、USB-Cはあくまで端子の形状で、実際にはシステム側の対応や接続に使うケーブルの仕様も絡んできます。物理的に挿し込めれば必ず使える、という性格のデバイスではありません。

  • iPhone 15シリーズではUSB-C機器を「直結」できるようになりました