iPhone内蔵のバッテリーといえば、リチウムイオンバッテリー。エネルギー密度が高く、適切に扱えば安全性に優れ、メモリー効果がない(電力を使い切らない状態で充電を繰り返しても使用可能時間が短くならない)という特長があります。しかし、乾電池のように交換して使うことが想定されていないため、長持ちさせる配慮が必要です。
リチウムイオンバッテリーを長持ちさせる秘訣のひとつは、「発熱によるダメージを防ぐ」ことです。前者は高熱になる場所、たとえば真夏の直射日光が当たるクルマのダッシュボードに長時間置かない、といった気配りで防げます。
もうひとつの秘訣は「過充電しないこと」。これは充電が完了次第ケーブルを外すことで回避できますが、監視し続けるのは無理な話、だから多くのスマートフォンに過充電防止機能が搭載されるようになりました。
iPhoneの場合、iOS 13のとき「バッテリー充電の最適化」機能が用意されました。「設定」→「バッテリー」→「バッテリーの状態」画面にある「最適化されたバッテリー充電」スイッチをオンにしておくと、残量80%までは通常どおり充電し、以降100%に達するまでは低速のトリクル充電を行うようになりました。
iPhone 15/iOS 17では、バッテリー充電の最適化がさらに進化しました。バッテリー充電率が80%に達すると充電を停止し、それ以上充電されないよう制限することで、バッテリーの寿命をさらに延ばすことが可能になりました。
iOS 13で登場した「バッテリー充電の最適化」は、機械学習によりiPhoneを使い始める時刻を推定し、満充電するものの100%の充電状態が長時間続かないようにします。一方、iPhone 15の「上限80%」は、バッテリーが満充電状態の80%を上限に充電を停止します。よりシビアにバッテリーの耐用年数を延ばしたければ、「上限80%」に設定するといいでしょう。