石川県能美市、シャープ、三菱電機、AIoTクラウドの4者は共同で、能美市に暮らす高齢者の見守りサービスとして、『能美市スマートインクルーシブシティ推進事業「IoT高齢者見守りシステムサービス」』の構築に着手する。2023年10月からスタートし、2024年のサービス開始を目指す。
背景にはまず、能美市の地域環境がある。市内では東西の広い範囲に市民が居住し、高齢者や要介護者の孤立リスク対策が課題だったという。そして今回、能美市が「デジタル田園都市国家構想交付金」の対象となり、一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)とエコーネットコンソーシアムが手がけるプラットフォーム「イエナカデータ連携基盤」、エコーネットコンソーシアムが推進するメーカー共通API規格「ECHONET Lite Web API」を採用。複数メーカーのIoT家電を用い、高齢者見守りシステムを国内で初めて(シャープ調べ)構築するにいたった。
サービス構想では、見守り対象者の自宅にIoT家電を設置。このIoT家電は、室温や湿度といった情報を計測する複数のセンサーを搭載したものだ。
IoT家電から自動で情報(使用状況や室内環境など)を取得、解析することによって、推定される室内状態を関係機関や支援者が把握する。普段と異なる生活環境の変化にすばやく気付くことをサポートし、例えば「室内温度の上昇による体調不良の恐れ」がある場合などに、発見が遅れるリスクを減らす。今回のサービスは2024年3月31日までを予定しているが、2024年度以降も能美市の継続事業としての展開を見据えている。参画する各者の役割は以下の通り。
■能美市
・見守り対象者の選定(能美市在住の高齢者など約100名)
・市内の関係機関、支援者と連携した見守りサービス運用
■シャープ
・「IoT高齢者見守りシステム」の構築と運用主幹、プロジェクト推進
・空気清浄機クラウドとイエナカデータ連携基盤との連携
■三菱電機
・エアコンクラウドとイエナカデータ連携基盤との連携
■AIoTクラウド
・自治体向けイエナカデータ連携基盤の提供
・能美市基盤との連携部の開発