米Micron Technologyの日本法人であるマイクロンメモリジャパンは10月3日、日本発のプレスリリースとして、EUV露光を用いた「1γ DRAM」生産の加速に向けて、経済産業省から助成金の支援が決定したと発表した。最大1,920億円規模になるという。
現行の製造技術としては最も複雑で高度ながら、優れた性能を実現できる「1γ DRAM」研究開発にあたって、経済産業省から助成金の支援が行われるという内容。このプロセスはHBM4メモリの製造に適用できるとされており、生成AIの開発に利用するGPUに組み合わせることでさらなる性能向上が期待されている。
助成金額は最大1,920億円規模になると見込まれており、これによって研究開発を加速。半導体製造の限界を押しあげ、メモリ業界を牽引するというコミットメントをより強固にしていくとしている。なお、同社が2022年末に量産にこぎつけた「1β DRAM」は日本発の技術だという。
発表の中でMicronは、装置メーカーから材料メーカーまで日本におけるサプライチェーンを重要視していると改めて言及。日本国内に4,000人を超える技術者を雇用しているほか、国内での研究開発・生産への取り組みにあたって広島県・東広島市からの支援も得ているという。学術機関とのコラボレーションにおいては、海外の学校に加えて広島大学や名古屋大学、東北大学、東京工業大学とのパートナーシップを表明している。
今回の発表によせて、グローバルオペレーション担当エグゼクティブバイスプレジデントのマニッシュ・バーティア氏は、「マイクロンは経済産業省による今回の支援決定に深く感謝しています。これは、共通のビジョンを持ち、日本での技術革新に献身的に取り組んでいる証しです。日本政府とのパートナーシップの継続を光栄に思うとともに、EUVを用いた1γ DRAMによる生産の取り組みと、AIアプリケーション向けの次世代広帯域メモリの研究開発を加速させていきます」と述べている。