Microsoftは現地時間2023年9月26日にWindows Copilotなどを含むKB5030310をリリースしたが、筆者が述べた「バージョン23H2の登場」は見当違いだった。Microsoftがオンラインイベント開催直後の現地時間2023年9月21日に公開した公式ブログには、「今年(2023年)第4四半期にリリースするWindow 11 年次機能更新のバージョン23H2」との表記があり、以前の説明と変わりはない。先のオンラインイベントはAIが中心であり、Windows Copilotの登場タイミングを「26日」と強調したのだろう。少々混乱してきたので、本稿執筆時点のリリース状況を整理したい。
- 安定版:ビルド22621.2283
- 安定版+プレビュー更新プログラム:ビルド22621.2361
- リリースプレビューチャネル:ビルド22621.2361
- ベータチャネル:ビルド22631.2361
- Devチャネル:ビルド23555.1000
- Canaryチャネル:ビルド25951.1010
- (2023年9月29日時点)
マイナービルド番号は利用環境によって異なる可能性はあるものの、筆者の各環境で確認した限りでは、リリースプレビューチャネルのWindows 11 Insider Preview以前はビルド22621。ベータチャネルのWindows 11 Insider Previewはビルド22631と、下二桁目が異なる。
現地時間2023年7月13日にリリースしたビルド22631.2048以降は「23H3」表記を使用し、一般提供直前に更新するリリースプレビューチャネルがビルド22621止まり(ただし、Windows Insider Program for Business参加者にはビルド22631を提供済み。Windows Insider ProgramのISOファイルダウンロードでもビルド22631を適用可能)。体感的に分からなくなってきたが、バージョン23H2の登場は「晩秋ごろ」であることに変わりはないようだ。
ビルド22621.2361の主な特徴は、Microsoftが現地時間2023年9月26日に公開した公式ブログでまとめられているが、合わせて参考になるのは「Windows configuration update」だ。ビルド22621.2361を指すSeptember 26, 2023を読むと、エクスプローラー、設定、Windows Copilotなど個別に新機能の特徴を解説している。特徴をざっと把握したいユーザーには有用だろう。
もう一つ目を通しておきたいのは、Windows 11 バージョン23H2のWHCP(Windows ハードウェア互換性プログラム)情報。Microsoftが現地時間2023年9月27日に公開した公式ブログでは、WHCPと合わせてデバイスのテストに用いるフレームワークのHLK(ハードウェアラボキット)の更新も継続すると説明していた。
Windowsと長く付き合っているユーザーなら承知のとおりかもしれないが、WHCPに準拠したハードウェア(ソフトウェア含む)であれば、PCに接続したデバイスは基本的には動作する。もっとも、WHCPはバージョン22H2用とバージョン23H2用に大差がなく、エンドユーザーレベルで気にする必要はない。バージョン23H2で実現する大半の機能はビルド22621.2361で実験的に体感できるため、我々は安定性を高めたバージョン23H2の登場を待つことが得策のようだ。