以内という言葉を聞くと、その数を含むのか含まないのか迷う方は多いのではないでしょうか。ビジネスシーンでも使う表現なので、ミスにつながらないよう正しい意味を理解しておきたいものです。

本記事では、以内の意味が指す範囲を例文を使って解説します。また、使うときの注意点や類語なども紹介するので、ぜひ参考にしてください。

「以内」の意味とは? 含むのはどこ?

  • 「以内」の意味とは?含むのはどこ?

以内という言葉は、次の3つの意味を持ちます。

1、基準の数を含んだ、それより小さい・少ない範囲
2、基準の数を含んだ、それより内側の範囲
3、基準の数を下限・上限として含んだ範囲

それぞれどのような意味を指すのか、例とともに詳しく解説しましょう。

基準の数を含んだ、それより小さい・少ない範囲

以内とは、ある基準の数を含め、その数より小さい、または少ない範囲をあらわします。

【例】 時間
1時間以内に家に帰る。
→今から1時間までが含まれる

【例】 日にち
3日以内に準備しなければならない。
→今日・明日・明後日の3日間が含まれる

【例】 重さ
荷物は1人30kg以内です。
→30kgまでの荷物が含まれる

基準の数を含んだ、それより内側の範囲

以内という言葉は、ある基準を含んだ、それより内側の範囲をあらわす際にも使用されます。

【例】 境界線
A地点から10m以内が家の敷地です。
→A地点から10mまでの範囲すべてが含まれる

基準の数を下限・上限として含んだ範囲

以内には、ある基準の数を下限、または上限として含んだ範囲をあらわす意味もあります。

【例】 金額
予算は1000円~2000円以内でお願いします。
→1000円から2000円までが含まれる

【例】 重さ
荷物は1kg~3kg以内です。
→1kgから3kgまでが含まれる

「以内」を使うときの注意点

  • 「以内」を使うときの注意点

以内は基準の数を含む言葉ですが、基準の数を含まないと勘違いしている方も少なくありません。安易に以内を使うと、認識の齟齬が生じる可能性もあるので注意しましょう。

例えば、「今日から2日以内に資料をご提出ください」と伝えた場合、今日を含んで明日までに提出するというのが正しい認識です。しかし、相手が今日は含まれないと思ってしまっていると、明後日までが期限だと勘違いし、提出漏れとなってしまう可能性があります。

そのほか以内という言葉は振込期日などにも使用されますが、勘違いからトラブルに発展する恐れもあるので、少しでもずれると問題が発生するような場面では、下記のように具体的な数字に言い換えることをおすすめします。

【言い換えの例】
・3日以内に振り込んでください。→振込期限は〇月〇日です。
・2日以内に納品します。→〇月〇日までに納品します。
・提出期限は1週間以内です。→提出期限は〇月〇日です。

「以内」の類語とそれぞれの違い

  • 「以内」の類語とそれぞれの違い

以内の類語には、次のような言葉があります。

・以下
・未満
・まで

それぞれどのような意味なのか解説しましょう。

以下

「以下」とは、以内と同じく「基準の数を含んだ、それより小さい・少ない範囲」という意味です。

【例1】
50歳以下限定のキャンペーンです。
→50歳、および50歳より若い人が含まれる

【例2】
30点以下の人は、夏休みに補習です。
→30点、および30点より低い点数が含まれる

ただし、以下には「ここから下、あと」という意味もあります。

【例】
・以下の文章を参考にしてください。
・詳しくは以下のとおりです。

上記のような使い方をしている場合は、以内の類語にはなりません。

関連記事: 「以下」と「未満」の違いとは? その値は含む? 意味・記号・英語も解説

未満

「未満」とは「基準の数を含まない、それより小さい・少ない範囲」という意味です。以内と同じく、小さい・少ない範囲をあらわす言葉ですが、基準を含むか含まないかという点で違いがあります。

【例1】
18歳未満の方は、ご利用できません。
→17歳までが含まれる

【例2】
70点未満の場合、再テストを受けることになります。
→69点までが含まれる

まで

「まで」は以内とほぼ同じ意味を持つ言葉で、基準の数を含みます。

【例1】
9月18日までに提出してください。
→9月18日が含まれる

【例2】
10時から11時までに、連絡をください。
→10時から11時のあいだの時間が含まれる

「以内」の意味を覚えて正しく使おう

  • 「以内」の意味を覚えて正しく使おう

今回は、「以内」の意味について解説してきました。

以内には3つの意味があり、いずれの場合も基準の数を含みます。

基準の数を含まないと勘違いしている方も少なくないので、トラブルが起きると困るような場面では日付を指定するなど、ほかの表現を用いた方がいいでしょう。