武田薬品、三菱倉庫、JR貨物の3社は、CO2排出削減に向けた取組みの一環として、医療用医薬品輸送の一部をトラックから鉄道輸送へ切り替えるモーダルシフトを10月から開始すると発表した。

  • 東北本線を走る貨物列車

医療用医薬品の輸送に関して、おもに振動や温度管理の面で鉄道輸送には課題があり、これまでトラック輸送が主流だったという。武田薬品も三菱倉庫に医療用医薬品の輸送を委託し、おもにトラックで輸送してきた。

今回、3社が医療用医薬品の鉄道輸送について検証を行った結果、温度管理可能な鉄道コンテナを用い、各種セキュリティ対策等を施すことで、品質を適正に管理しながら「医薬品の適正流通ガイドライン」に準拠した輸送が実現できると判断。これを踏まえ、武田薬品の国内特約店向け輸送について、一部を10月から鉄道へ切り替えることとした。

具体的には、鉄道輸送にかかる許可を取得した後、東京から北東北地区への幹線輸送部分を鉄道へ切り替え、その前後のみトラック輸送とする。これにより、輸送にかかるCO2排出量を現行比約60%減とする削減効果を見込む。あわせて長距離トラック輸送を軽減することで、物流の2024年問題への対応も図るとしている。