「辞典」と「事典」は、読み方は同じですが漢字や意味が違う同音異義語です。両方ともよく使う言葉ではありますが、その違いを明確に理解しているという人は実は多くないかもしれません。
本記事では「辞典」と「事典」の詳しい使い分け方とそれぞれの意味や例文を紹介。「字典」「辞書」の意味もまとめました。
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辞典と事典の違いやそれぞれの意味、使い方と例文などを紹介します
「辞典」と「事典」の違いと、それぞれの意味とは
「辞典」と「事典」は両方とも「じてん」と読みますが。大まかに両者の違いを述べると「辞典」は語句について解説するもので、「事典」は事柄について解説するもの、という違いがあります。
「辞典」の「辞」には、「やめる」「別れを告げる」という意味の他に「ことば、言語」といった意味があります。「事」には、「できごと、ことがら」などの意味があります。
そして「典」には「手本」や「儀式」といった意味の他に「書物」という意味があるため、それぞれの漢字が合わさることで、「言葉を並べた書物」「事柄を並べた書物」という意味になります。
「辞典」の意味
前述した通り「辞」の意味は、「ことば、言語」です。
そのことから「辞典」は、言葉や文字の意味や読み方、文法、用法、例文などを解説する書物のことを表します。
なお「辞典」は「ことばてん」と言うこともあります。
「事典」の意味
前述した通り「事」の意味は、「できごと、ことがら」です。
そのため「事典」には歴史、地理、生物、事件、人名など、あらゆる事柄や事項が記述されており、それらを簡潔に解説している書物のことを意味します。
特定の分野を対象としたものを「専門事典」、あらゆる分野を対象としているものを「百科事典」と言います。
なお「事典」は「ことてん」と言うこともあります。
「字典」の意味と違い
もう一つ、「じてん」と読む言葉で「字典」もあります。
これは文字、特に漢字を解説する書物のことを指します。文字に焦点を当てていることが重要です。
「字典」は、文字の意味や読み方、成り立ちや書き順、正しい形などを、一文字一文字について解説するものです。したがって、言葉の意味や内容を解説する「辞典」や、事柄の意味や内容を解説する「事典」とは違う意味を持ちます。
なお「字典」は「もじてん」と言うこともあります。
「辞書」の意味と違い
さて似た単語に「辞書(じしょ)」という単語もあります。
「書」には「かきしるす」「手紙」などの他に「本」という意味があります。
「辞書」は「辞典」とほぼ同じ意味ですが、多くの語を集めて一定の順序に並べ、個々の意味や用法、内容を解説した本という意味があり、「辞書」は「辞典」「事典」「字典」を含みます。
「辞典」と「事典」の例文と使い分け方
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ここからは「辞典」と「事典」の例文をもとに、使い分け方について解説します。
「辞典」の例文と使い方
「辞典」は前述のように、言葉に対して解説するものです。
そのため「国語辞典」や「英和辞典」「古語辞典」などのように、主に基本的な言葉を解説するものが多いです。小学生や中学生の頃に、分厚い辞典を学校に持っていた経験がある方も多いのではないでしょうか。
例文は以下の通りです。
- 「希望」という意味について、国語辞典を引いてみましょう。
- 英語の授業には英和辞典が必須だ。
- 中国語を勉強するために、中国語辞典を購入した。
このように、言葉や他言語の学習のために用いられることが多いです。
日本語や英語だけでなく、フランス語やドイツ語、中国語など、世界各国の言語の辞典も存在します。国語辞典は種類も多く、さまざまな出版社から発売されています。
「事典」の例文と使い方
「事典」は前述のように、事柄について解説する本です。
あらゆる分野について簡潔に記されているものを「百科事典」と言い、特定の分野について用語の解説が記されているものを「専門事典」と言います。百科事典に掲載されている事柄は人工的、自然的な事物や現象など、多岐にわたります。
例文は以下の通りです。
- 博識で知られる彼は、暇さえあれば百科事典を読んでいる。
- 知識を深めるために、物理の事典を購入した。
- 歌舞伎が好きで、ついには歌舞伎事典を購入した。
事典には、解説を分かりやすくするために図解や表、写真などが載っているものもあります。
「辞典」と「事典」の違いを理解して正しく使おう
「辞典」と「事典」は発音は同じでも内容が異なるため、違いを理解して正しく使い分けましょう。
「辞」と「事」の漢字の意味を覚えておくと、混乱を防ぐことができます。
また口頭でどちらを指しているかを明確にするため、「ことばてん」や「ことてん」と言うこともあるので、覚えておくと便利でしょう。
