福岡、熊本、大分3県を舞台にした国際サイクルロードレース「マイナビ ツール・ド・九州2023」が10月6~9日に初開催される。国内外から九州を訪れる選手や大会関係者、ロードレースファンにコース沿線の観光やご当地グルメを満喫してもらう絶好の機会にもなりそう。
韓国人観光客向けに九州の魅力を韓国語で伝えるユーチューバー・福岡アジョシ(韓国語でおじさんの意味)さんこと、冨永拓馬さん(33)とレース初日の「小倉城クリテリウム」、2日目の「福岡ステージ」のスタート地点となる北九州を旅した。
■アメリカンなサンドイッチが美味
■小倉名物でレース前の腹ごしらえ
大会初日の小倉城クリテリウムは、北九州市小倉北区の小倉城の周辺を周回する45キロのレース。クリテリウムは、市街地や公園などに設定された短い距離のコースを何度も周回する。観客はコーナーの多いコースを高速で走る選手たちの姿を何度も見られるのが魅力だ。
レースは正午から。観戦は腹ごしらえをして臨みたい。冨永さんがチョイスしたのは、JR小倉駅から徒歩約10分、魚町銀天街の「サンドイッチ ファクトリー OCM」。
1978年創業。店内は古き良きアメリカンな雰囲気。隣席では高校生の女の子とその母親、祖母が楽しそうにおしゃべりをしており、地元の人たちに長く愛されていることを感じさせる。
初来店のわれわれは店員さんオススメの「オリジナル&チキン」と「エビカツ」を注文し、半分ずつシェアしていただく。ふっくらした厚切りのパンに収まりきれないほど具だくさん。ひき肉ベースのソース「オリジナル」は、スパゲティに掛かったミートソースのようなみんな大好きな味だ。パンは焼いてトーストしてもよし。別途注文したオニオンスープは、炒めたタマネギのほんのり甘く深い味わいが利いていてサンドイッチによく合う。
冨永さんは27歳の時にワーキングホリデーを活用して韓国で1年間過ごした。韓国では大きな鉄板で食パンを焼き、炒めたキャベツや卵、ハムなどの具材を挟んだ屋台のトースト店が大人気。小倉の老舗サンドイッチ店を選んだのも韓国人の好みを知るからこそだ。
■銀河鉄道999は韓国でも人気
■観戦と九州アニメの聖地巡りも
この日、JR博多駅から新幹線で移動した冨永さん。JR小倉駅に到着すると「銀河鉄道999」や「キャプテンハーロック」など、北九州市出身の漫画家・松本零士さんの作品に登場するキャラクターのオブジェなどにカメラを向けた。
「松本零士さんの作品は韓国でも知名度が高い」と冨永さん。
ツール・ド・九州のロードレース観戦と、九州ゆかりのアニメ作品の聖地巡りを組み合わせても楽しそう。熊本県内には、人気漫画「ONE PIECE(ワンピース)」の作者・尾田栄一郎さんが熊本市出身ということもあり、主人公ルフィをはじめ、海賊団「麦わらの一味」の銅像が10カ所に点在。大分県日田市には、同市出身の漫画家・諫山創さんの人気シリーズ「進撃の巨人」をテーマにした「進撃の巨人 in HITA ミュージアムANNEX」もオープンしたばかりだ。
■ミニボトルの酒と枡で「日本らしさ」
■劇場型の炉端居酒屋が外国人に人気
冨永さんは小倉城の天守閣を見物し、城内で土産物を販売する「しろテラス」を訪問。日本酒のミニボトルと枡がセットになった土産物を手に取り「こういう日本らしさが感じられる品物が外国人に喜ばれそう」と話していた。
夕食の店選びも冨永さんは外国人目線を意識した。「炉端 あお季」(小倉北区魚町1丁目)は、カウンターの客席から串焼きのネタケースや、カツオを麦わらで焼く様子が見渡せる。最近、料理人の包丁さばきや厨房(ちゅうぼう)の様子をあえて見せる「劇場型」の居酒屋が増えており、外国人に人気を集めているという。
テーブルに運ばれた料理を左手に持ったカメラで撮影しながら、右手に持ったはしを使って食べ物を器用に口へと運ぶ。ユーチューバーの撮影風景を初めて見ることができて興味深かった。
紹介したメニューなど詳細は、「福岡アジョシ」の公式YouTubeチャンネルでお楽しみのほどを。