恋愛や別れなど、カクテル言葉にはさまざまな意味があります。意味を理解せずに注文すると、意中の相手と気まずい雰囲気になる恐れも。
本記事では、カクテル言葉をシーン別に一覧でまとめました。誕生酒も紹介しますので、プレゼントに贈るのもおすすめです。カクテル言葉を覚えて、ムードあるすてきなひとときを過ごしましょう。
カクテル言葉とは
カクテル言葉とは花言葉のようなもので、各カクテルに割り当てられた言葉のことです。ここでは、カクテル言葉の意味や、由来などについて解説します。
カクテル言葉や誕生日のお酒を覚えておこう
実はカクテルには、恋愛や別れ、夜の誘いなどにまつわる、カクテル言葉があります。言葉の意味と掛け合わせて、ロマンチックな演出を楽しめるのが魅力です。
逆に言うと、相手がカクテル言葉に詳しい場合に、意味深にとられて気まずい雰囲気になってしまう場合もあるので注意してください。
またカクテルには誕生酒と言って、366日に当てはめられたカクテルがあります。相手の誕生日に合わせて、ムードあふれたプレゼントを贈りたいときにも最適です。
カクテル(cocktail)やカクテル言葉の由来
そもそもカクテルとは、酒や果汁、シロップなどを混ぜ合わせた調合飲料のことです。
カクテルという名の語源は諸説あります。有名なのはおんどりの尻尾説。メキシコでバーテンダーの少年が、木の枝を使ってカクテルを作っていたところ、それを見たイギリス人がそれは何なのかと聞きました。当時イギリスではストレートの酒しか飲まなかったので不思議に思ったのです。少年は木の枝のことを聞かれたと思い「コーラ・デ・カジョ」と答えました。これは「おんどりの尻尾」という意味で、木の枝がおんどりの尻尾に似た形だったためその愛称で呼んでいたのです。これを英語に直訳した「tail of cock」が変化して、「cocktail(カクテル)」になったという説です。
カクテルは18世紀末から19世紀にかけてアメリカで発達しますが、1920年代にはアメリカで禁酒法が施行され、バーテンダーたちはヨーロッパなどの海外に職を求めて離散していきました。こうしてヨーロッパでもカクテル文化は広まっていくわけですが、その過程で、ヨーロッパ特有の間接的な表現がカクテル言葉を生んだのではないかといわれています。
各カクテル言葉は、名前や味、見た目からの連想、そのカクテルの成り立ちなどが由来となっているそうです。
【恋愛】初デートにおすすめのカクテル言葉一覧
それでは実際に、具体的なカクテル言葉を見ていきましょう。誕生酒の場合はそれも併せて紹介します。
まずは初デートで頼みたいおすすめのカクテル言葉をまとめました。一緒に過ごせる喜びを、ぜひ表現してみましょう。
なお各カクテル言葉や誕生酒は絶対的なものというよりは諸説あり、今回は代表的なものを紹介します。
スクリュードライバー 「あなたに心を奪われた」
ウォッカとオレンジジュースを混ぜた優しい口当たりのため、「女殺し」の異名を持ちます。イランの油田で働いていたアメリカ人労働者が、ネジまわし(ドライバー)で混ぜて飲んでいたのが名前の由来だそうです。
- 6月5日の誕生酒
ライラ「今、君を想う」
ウォッカの分量が多く、酔いたいときにもぴったりのカクテルです。オレンジリキュールの一種であるコアントローとライムジュースを混ぜているため、さっぱりとした味わいで飲みやすいのも特徴。
うっとりするほど幸せなひとときを楽しむときに、おすすめです。
- 12月30日の誕生酒
エンジェルキッス「あなたに見惚れて」
カカオリキュールに生クリームを加え、最期にチェリーを乗せた、まるでチョコレートのような風味のカクテル。
昔はプロポーズの小道具としてもよく使われていたそうです。甘いカクテルを添えて、出会えた喜びを表現しましょう。
- 12月20日の誕生酒
マイアミ「天使の微笑み」
アメリカで有名なリゾート地、マイアミをイメージしたカクテルです。白く透き通る見た目の美しさも魅力。
ホワイトラムにオレンジリキュールの一種であるホワイトキュラソー、そしてレモンジュースを混ぜており、海風を感じるようなさわやかさがあります。一緒に過ごせる幸せを表現するのにぴったりです。
- 7月29日の誕生酒
ホーセズネック「運命」
ホーセズネックとは、馬の首のことを言います。グラスにかけた螺旋(らせん)状のレモンの皮が馬の首に見えたため、こう名付けられたそうです。ブランデーとジンジャーエールで作ります。
「これは運命」「あなたに首ったけ」という意味を込めて、注文してみましょう。
- 10月22日の誕生酒
【恋愛】愛の告白におすすめのカクテル言葉一覧
次に、愛の告白と一緒に添えたい、おすすめのカクテル言葉を紹介します。ムードあふれる演出をしたい人は必見です。
ブルドッグ「あなたを守りたい」
ソルティドッグの塩が無いものという意味から「テールレスドッグ」という名称になり、さらに「しっぽが無い犬=ブルドッグ」と呼ばれるようになったそうです。
海外では「グレイハウンド」と呼ぶ場合もあります。そばで見守っていたいという気持ちを伝えるときにおすすめです。
- 10月24日の誕生酒
サイドカー「いつも二人で」
ブランデーベースのカクテルで、度数高めのカクテルです。カクテルの由来は諸説ありますが、一説によるとパリのオペラ座近くにある「ハリーズ・ニューヨーク・バー」で、1993年に生まれたそうです。サイドカーに乗ってやって来る常連客のためにこのカクテルを作ったとか。
ただし経営者のハリー・マッケルホーンの著書では、元々はロンドンの「バックスクラブ」のバーテンダーが作ったと記されています。
常にバイクの隣にあるサイドカーのように、いつも一緒にいたいという気持ちを表現してはいかがでしょうか。
- 4月4日の誕生酒
キール「あなたに出会えてよかった」
フランス中東部ブルゴーニュ地方にある、ディジョン市の市長キャノン・フェリックス・キールの名前から名付けられています。彼がブルゴーニュの特産品である白ワインと、ディジョン特産のカシスリキュールを加えて宣伝のために作ったのがこのカクテルの始まりです。
最高のめぐりあい、出会いを喜ぶ気持ちを表現するのにぴったりです。ちなみにフランスでは商標登録されています。
- 1月5日の誕生酒
テキーラサンライズ「情熱的な恋」
グラスの底に沈んだグレナデンシロップが朝日に似ていたため、こう名付けられたそうです。赤いグレナデンシロップの色のように、燃え上がるような恋をしたいと伝えるときにおすすめ。
その名の通りテキーラが入っており、告白をするときに勇気を出すという意味でも適しているでしょう。
- 8月20日の誕生酒
XYZ(エックス・ワイ・ジー)「永遠にあなたのもの」
アルファベットの最後の3文字から「最後の」という意味を持つカクテルです。NYZをそっと添えて、告白やプロポーズするとロマンチックなムードを作れるでしょう。愛を告白するときに、一緒に贈りましょう。
ライトラム、ホワイトキュラソー、レモンジュースを混ぜ合わせており、飲み口がいいのも魅力です。
カシスソーダ「あなたは魅力的」
カシスの甘みとソーダがマッチして、女性にも人気のカクテルです。お酒が苦手な人でも飲みやすく、ムード作りにぴったり。魅力的だと感じる相手へ愛を伝えたいときにも、おすすめです。
ウォッカギブソン「隠せない気持ち」
ウォッカギブソンは、アメリカで人気のイラストレーターであるチャールズ・ダナ・ギブソンにちなんで名付けられたといわれています。
ウォッカが強めのカクテルのため、酔って胸の内をさらけ出したいときにぴったりです。
- 1月3日の誕生酒
アラスカ「偽りなき心」
フランスを代表するリキュールの一つで、薬草系リキュールのシャルトリューズと、ジンを混ぜたカクテルです。
透き通った見た目は、偽りのない気持ちを伝えるのにぴったり。自分の想いを包み隠さず告げるときには、アラスカを頼んでみてはいかがでしょうか。
- 2月7日の誕生酒
ロブロイ「あなたの心を奪いたい」
カクテルの女王と呼ばれるマンハッタンのベースであるウイスキーをスコッチウイスキーに置き換えたもので、赤い色が情熱的な印象のカクテル。スコットランドの義賊、ロバート・マクレーガのニックネームである「赤毛のロバート」が由来といわれています。
相手の心を自分のものにしたいときにおすすめです。
【恋愛】片思い、叶わぬ恋に悩む人にぴったりのカクテル言葉一覧
悩みをカクテルで表現するのもおすすめです。叶わぬ恋をして悩む人に、ぴったりのカクテル言葉を紹介します。
ブルームーン「叶わぬ恋」
バイオレットリキュールとレモンジュースを使ったカクテルで、甘いスミレの香りとレモンの酸味が絶妙にマッチします。
青紫色の色味が幻想的な美しさを醸し出しており、どこか儚さ(はかなさ)を感じさせるカクテルです。
ギムレット「遠い人を想う」
19世紀末に活躍した、イギリス海軍の軍医ギムレット卿が由来とされています。ジンを飲む将校の健康のために、ライムジュースを混ぜることを提案したのが始まりといわれています。
ジンとライムのほろ苦さが、遠く離れた人を想う悲しみを感じさせてくれるでしょう。
- 11月14日の誕生酒
【恋愛】夜の誘い・ワンナイトラブを匂わせるカクテル言葉一覧
ストレートに伝えるより、それとなく匂わせるのが相手をドキッとさせるポイント。夜の誘いを匂わせるカクテル言葉を紹介します。
モーニンググローリーフィズ「あなたと明日を迎えたい」
ワンナイトのお誘いにぴったりなカクテルといえば、モーニンググローリーフィズ。モーニンググローリーとは、朝顔のことです。カクテル言葉通り、朝を迎えたい相手がいるときには注文してみてください。
ウイスキーに薬草系リキュールのアブサン、レモンジュースに卵白などを加えたカクテルで、元々は夜遅くまで騒いだ翌日の迎え酒として考案されたという歴史もあります。
- 3月4日の誕生酒
テキーラサンセット「なぐさめて」
その名は「夕日」を意味し、テキーラとレモンの酸味とが混ざったカクテルで、さっぱりした味わいです。前述した「朝日」という意味のテキーラサンライズのバリエーションカクテルです。
忘れたくなるほどつらい出来事があったときに、気になる相手に甘えながら飲みたいカクテルと言えるかもしれません。
- 8月15日の誕生酒
グランドスラム「二人だけの秘密」
スパイスが効いた刺激的な味わいのグランドスラムは、大人のひとときを楽しみたいときにぴったり。相手がグランドスラムを頼んだら、夜の誘いのサインかもしれません。
ラムベース特有の大人な香りにも、酔いしれてしまいそうですね。
- 2月20日の誕生酒
マティーニ「棘(とげ)のある美しさ」
マティーニは、カクテルの王様とも呼ばれています。ジンとベルモットをミックスしてオリーブの実を添え、レモンの皮で香りをつけます。
透き通った見た目の美しさとは裏腹に、アルコール度数が高く、飲みすぎると痛い目を見るので注意しましょう。危険な夜を過ごしたいときにぴったりのカクテルです。
【恋愛】別れを意味するカクテル言葉一覧
カクテル言葉には、別れを意味するものもあります。意味深にとられないよう、覚えておきましょう。
バイオレットフィズ「私を覚えていて」
バイオレットリキュールにレモンジュースと砂糖、ソーダを混ぜたカクテルです。スミレのような香りと、ジンのキリッとした味わいが特徴です。
甘みを含みつつどこか特徴的な香りなので、忘れられない一杯となるでしょう。過ごした日々を覚えていてほしいときにぴったりです。
マルガリータ「無言の愛」
テキーラをベースとして、ホワイトキュラソーまたはコアントロー、レモンジュースをミックスし、塩をつけたグラスに注いだカクテルです。
発祥には諸説がありますが、ロサンゼルスのバーテンダーであるジャン・デュレッサーがカクテルコンテストに入賞し、広まったと言う説が有名です。デュレッサーと一緒に狩猟に出掛け、流れ弾に当たり亡くなってしまった恋人の名がマルガリータであり、彼女を偲んで作ったのがこのカクテルということです。
- 1月19日の誕生酒
【友情・自己啓発】友人や自分に贈りたい、元気・勇気が出るカクテル言葉一覧
ここでは、友人や自分への景気付けに頼みたい、おすすめのカクテル言葉を紹介します。
ジントニック「強い意志」
18世紀にインド駐在員のマラリア対策として飲まれたのが始まりといわれています。
ジンとトニックウオーターを合わせた、シンプルかつ爽やかな味わいのため、バーでは定番のカクテルです。自分や友人の背中を押したいときにもおすすめです。
- 5月21日の誕生酒
フローズンマルガリータ「元気を出して」
マルガリータは前述のように、流れ弾が当たって亡くなってしまった恋人を偲んで作られたカクテルです。そのマルガリータにクラッシュドアイスを加えてブレンドし、フローズン状にしたのがフローズンマルガリータ。
マルガリータの悲しいエピソードを慰める意味を込めて、フローズンマルガリータには励ましのカクテル言葉がつけられたといわれています。
- 6月8日の誕生酒
ダイキリ「希望」
1896年にキューバのダイキリ鉱山で働く労働者たちが飲んでいたのを、技師のジェニングス・コックスが気に入り名付けたそうです。
ラムベースにライムや砂糖を混ぜたカクテルで、ほどよい酸味と甘みが魅力。晴れやかで明るい未来への希望を願って飲むのにもおすすめです。
- 1月26日の誕生酒
フロリダ「元気」
フロリダは、ノンアルコールに分類されるカクテルです。アルコールが1%未満のため、カクテル言葉通り、二日酔いも無く元気に過ごせること間違いなし。
オレンジジュースやレモンジュースの酸味に、アンゴスチュラビターズの苦みが、お酒を飲んでいるような気分にさせてくれます。
- 6月28日の誕生酒
モスコミュール「ケンカをしたらその日のうちに仲直り」
ウォッカにライム、ジンジャーエールと親しみのあるレシピのモスコミュール。ハリウッドのレストラン生まれで、ミュールには「キックの強いお酒」という意味があるとされています。
仲の良い友人との仲直りにぴったりです。
- 1月18日の誕生酒
マミーテイラー(別名 スコッチ・バック)「いつもあなたと」
レモンの酸味がスコッチウイスキーの風味を引き立たせるのが特徴。ジンジャーエールのほろ苦い刺激が加わり、飲み飽きることのない味わいです。
心許せる相手と過ごすとき、自分はいつも見方だと伝えたいときなどにぴったりなカクテルです。
- 1月23日の誕生酒
ちょっと怖い意味のカクテル言葉一覧
美しい見た目とは裏腹に、意味を知ると怖いカクテル言葉もあります。それぞれ紹介していきましょう。
ブラッディメアリー「断固として勝つ、私の心は燃えている」
1921年にパリの「ニューヨークズ・バー」で誕生したといわれています。
名前の由来は、16世紀のイングランド女王であるメアリー1世からきているそうです。彼女はカトリック復興のためにプロテスタントを迫害し、「ブラッディメアリー(血まみれのメアリー)」と呼ばれていました。ウォッカにトマトジュースを入れて作るこのカクテルの赤い色味が血を連想させるため、同じように呼ばれるようになったということです。
情熱的なのに、どこか危険な香り漂う魅惑のカクテルでもあります。
- 11月2日の誕生酒
コープスリバイバー「死んでもあなたと」
「コープス(corpse)」は「死体」を意味しており、死者をよみがえらせるカクテルともいわれています。死んでも一緒にいたい相手がいる人にぴったりです。情熱的なカクテル言葉ですが、少しドキッとしてしまいますね。
コープスリバイバーのレシピには何種類かバリエーションがありますが、代表的なのはブランデーをベースに、りんごから作られるブランデーのカルヴァドス、そしてスイートベルモットをミックスし、レモンの皮で香りをつけるもの。柔らかな味わいながらアルコール度数は高く、大人のカクテルです。
- 4月28日の誕生酒
シャンディ・ガフ「打ち明け話、無駄なこと」
明確な名前の由来は不明とされていますが、イギリスのパブに集まる男性の間で古くから飲まれてきたといわれています。
ビールにジンジャーエールを加えることで、さわやかな味わいを楽しめるため、会話が盛り上がりやすくなるでしょう。
日本でもおなじみのカクテルですが、カクテル言葉はちょっと大胆で、ドキリとする怖さがあるワードです。
- 3月8日の誕生酒
押さえておきたい、バーの基本知識・マナー
バーへ初めて行くときに覚えておくべきマナーは、以下の通りです。
- 勝手に座らず、バーテンダーの案内に従う
- カウンターに荷物を置かない
- ボトルを勝手に触らない
- 一杯で長時間粘らない
- 写真撮影をするときはバーテンダーに許可を取る
- 騒いだり泥酔したりしない
バーはカクテルなどのお酒の味を楽しむのはもちろん、その雰囲気を楽しむための空間です。マナーをしっかり押さえ、スマートに過ごしましょう。
カクテル言葉でお酒をもっと楽しもう
カクテル言葉には、さまざまなものがあります。意味を知らずに注文してしまうと、意味深にとられてしまうときもあるので、ある程度は覚えておくと安心でしょう。
告白や夜の誘い、友人を励ますときなどに、カクテル言葉を利用することもできます。カクテル言葉を知り、お酒をさらに楽しんでください。