リスクモンスターは9月27日、第12回「金持ち企業ランキング」調査の結果を発表した。調査は、2023年7月1日時点で開示されていた2022年4月期決算以降の最新決算書を分析。対象企業は、金融機関(銀行、証券会社、保険会社等)を除く決算短信提出企業3,192社。
上場企業の決算短信(金融機関除く)の記載に基づきNetCashを算出した結果、「金持ち企業ランキング」の1位は「信越化学工業」(1兆4,198億円)となった。2023年3月期決算における大幅増収増益によってNetCashが増加し、1兆円の大台に。2018年第6回調査以来の1位に輝いた。
続く2位は、信越化学工業と同じく、一兆円を超えた「任天堂」(1兆2,065億円)がランクイン。上位20社にランクインした企業のうち14社において、前回調査よりもNetCashが増加しているが、1兆円の大台を超えたのは2社(信越化学工業、任天堂)のみ。
以下、3位「ファーストリテイリング」 (9,080億円)、4位「リクルートホールディングス」(8,421億円)、5位「SUBARU」(6,669億円)、6位「SMC」(5,914億円)、7位「ファナック」(5,125億円)、8位「セコム」(4,747億円)、9位「東京エレクトロン」(2,743億円)、10位「キーエンス」(4,643億円)と続いた。
2023年3月期決算における上場企業の純利益合計は2期連続で最高益を更新しており、好調な業績推移が見られるが、今回調査対象企業3,192社のNetCashの増減を集計したところ、前回調査から11.3ポイント増加の50.6%の企業においてNetCashが減少。また、ランキング上位100社の約9割で株主還元策を強化していることがわかった。
なお、「NetCash」の基準は以下のとおり。
※日本会計基準
NetCash=現預金 - (短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + 一年以内返済の長期借入金 + 一年以内償還の社債 + 割引手形)
※国際財務報告基準
NetCash=(1)現預金 - 有利子負債 または、(2)現預金 - (借入金 + 社債 + 割引手形)または、(3)現預金 - (短期借入金 + 長期借入金 + 社債 + 一年以内返済の長期借入金 + 一年以内償還の社債 + 割引手形)のいずれかで算出。
金持ち企業ランキング上位20社の「現預金」「有利子負債」「営業キャッシュフロー」についてそれぞれ集計したところ、現預金では、「信越化学工業」「任天堂」「ファーストリテイリング」「リクルートホールディングス」「SUBARU」が上位に。
有利子負債においては、「任天堂」「ファナック」「東京エレクトロン」「キーエンス」「ネクソン」「塩野義製薬」の6社が0円と、20社のうち6社が無借金経営であることが明らかに。
営業キャッシュフローでは、「信越化学工業」「SUBARU」「リクルートホールディングス」「ファーストリテイリング」「東京エレクトロン」の順に多く、有利子負債1,000億円超の企業は4社のみとなっており、多額の現預金を有するだけでなく、有利子負債の少なさが金持ち企業ランキング上位の要因となっていることがわかった。