肌身離さず...とまではいかずとも、つねに持ち歩くスマートフォンは、日々の記録を残すツールに最適です。iPhoneの場合、内蔵の3軸ジャイロセンサーや加速度センサーで歩数など基礎運動量を記録できるうえ、Apple Watchと連携すれば心拍や睡眠時間まで測定できます。

iOSに標準装備の「ヘルスケア」は、そのような運動に関するデータを記録するためのアプリとして登場しました。iOSのバージョンアップにあわせて機能の拡充が図られ、iOS 16のときには服薬スケジュール機能が追加されるなど、健康全般を管理する役割が期待されています。

そしてiOS 17では、心・メンタル面を管理する機能が追加されました。日々の心の状態を記録することで、うつ症状などさまざまな心の不調をスクリーニング/早期発見することが目的です。

ただし、iPhoneに心理状態を測るセンサーが搭載されているわけではないので、心の状態は手入力で記録します。「不快」や「快適」など大まかな状態をスライダーで選び、状態をより具体的に表す語句(満足、安心、ストレス、落胆など)をいくつかピックアップすると、その時点での心の状態として記録されます。

心の不調は突然やってくるものではなく、さまざまな原因が蓄積された結果だという専門家の意見もあります。自動的に記録されることはありませんが、ものの1分で終わる作業ですから、iOS 17の登場を機会に「心の状態」の記録を習慣づけるのもいいかもしれません。

  • iOS 17では「心の状態」を記録できるようになりました