フジテレビは26日、中国のエンタテインメント企業・bilibili(ビリビリ)社とパートナーシップを構築することに合意したと発表した。互いのコンテンツ提供、それぞれのIPを活用した共同制作、新たなIPの共同開発など、立体的に事業を展開させる。

  • フジテレビ大多亮専務(左)とbilibili张圣晏副総裁

bilibiliは中国で若年層に人気の大手プラットフォームで、DAU(1日あたりのアクティブユーザー)は9650万人、MAU(月間アクティブユーザー)は3.24億人にのぼる。そして、年間50作品のアニメーションを制作、配給しているコンテンツ制作会社でもある。

フジテレビはbilibiliとの協業を受け、10月から深夜に新たなアニメ枠「B8station(ビーハチステーション)」を創設。bilibiliが制作・配信する人気アニメーションの日本語吹き替え版を放送する。第1弾は『時光代理人 -LINK CLICK-』で、サスペンス、SFの要素に涙を誘う人間ドラマを融合させたこの作品は、2021年4月からbilibiliで配信されると、瞬く間に人気を集め、配信開始4カ月で総再生回数1.6億回を突破。今年7月に待望の第2期が配信され、全世界で話題となっている。第1期は日本でも2022年1月にTOKYO MXやBS11などで放送され人気を博した。フジテレビでは第1期を10月15日から、毎週日曜26時20分に放送する。

来年1月からは、放送枠を毎週水曜25時25分に移動。今後のラインナップとして、中国の有名な妖怪小説『山海経』に出てくる妖怪を取り上げた作品で、bilibiliでのシーズン1から3までの総再生回数が4.2億回を突破、現在はシーズン4を制作中の『百妖譜(ひゃくようふ)』、また『時光代理人 -LINK CLICK-』第2期を放送予定だ。

また、この枠では、両社で共同制作するアニメーションの放送も計画。これまで「ノイタミナ」「+Ultra」という2つの枠で様々な人気アニメを生み出してきたフジは、bilibiliと手を携えアジア発で世界的ヒットを狙うアニメーションを共同制作していくとしている。

さらに、互いのコンテンツ提供、それぞれのIPを活用した共同制作、新たなIPの共同開発を行っていく。両社のIPをグローバル向けのIPへと拡張できるよう、実写・アニメーションを問わず多様なジャンルのコンテンツを共同で開発・制作するなど、様々なプロジェクトを展開。各プロジェクトの詳細は順次発表する予定となっている。

コメントは、以下の通り。

■フジテレビ大多亮専務 コメント

「中国のユーザーが日本コンテンツや日本のIPに最もリーチしているプラットフォームはbilibiliだと思います。この度、そのbilibili社とパートナーシップを構築することで、両社のIPが世界で競争力を拡大していけると確信しています。フジテレビのグローバルビジネス戦略の一環として、中国のメディア会社であり優れたIPを生産しているbilibili社と全方位的な取り組みを実現することで、フジテレビのグローバル向けのIP展開がより順調に行えることを大変うれしく思っています」

■bilibili张圣晏副総裁 コメント

「フジテレビとの戦略的協力を達成できたことを非常にうれしく思います。これにより、中国のオリジナルアニメーションが、東アジアで最も影響力のあるテレビメディアで継続的に放送されることとなります。bilibiliは世界中の観客に中国のオリジナル作品を見せ、楽しんでもらうため努力を常にしており、これまでには80本以上のアニメーションが海外でリリースされました。戦略的協力の実現を通じて、アニメーションという年齢、人種、肌の色、言語の壁を超える芸術形式が、中日両国間の相互理解と交流を促進する重要な手段となると信じています」

(C)bilibili/BeDream

(C)bilibili