弁護士ドットコムは9月25日、「カスタマーハラスメント」に関する調査結果を発表した。調査は8月10日〜29日、弁護士ドットコムの一般会員717名を対象にインターネットで行われた。

  • 名札に実名を出さない取り組みについて

    名札に実名を出さない取り組みについて

接客スタッフの名札に実名を出さない取り組みに対しての賛否を尋ねたところ、約7割が「賛成」(49.8%)、「どちらかと言えば賛成」(23.6%)と回答。賛成派からは、「本名を覚えられると、仕事以外の場面でも厄介なことになりそう」「看護師をしているが、よくインスタやTikTok、Twitterで、入院中の点滴中や病室、看護師の手元を写真や動画にアップしてあるものを見かける。患者さんにその気がなくても、こちらの個人情報が出る危険もあるので不快。逆に実名で働くメリットを知りたい」など、実名を晒すことへの危険性を言及する意見が多数。

一方、反対派は10.6%。「名前がわからないとクレーム入れることが出来ない」「自分自身の身を守ることは大事だが、名前を示すことで責任を持って職に当たってもらいたい。カスハラではなく、純粋な苦情や褒めたい投書等もある」「本当にサービス側に問題があった際の原因究明が困難になる」など、カスハラではない正当なクレームが黙殺されることを懸念する声が多かった。

  • カスハラ被害の経験

    カスハラ被害の経験

名札をつけて接客経験をしたことがある541名に対し、名札をつけてカスハラ被害にあったことがあるかを尋ねたところ、「ある」が22.4%、「ない」が65.4%という結果に。

具体的な被害を聞くと、割り込みを注意したり、欠品と告げたところ「本社にクレームを入れられ、クビになった」「土下座での謝罪を要求された」など、理不尽なクレームや恫喝をされている人が多かったほか、「休暇の日に探されて、近所で後をつけられた」「名指しで接客の指名をされ、執拗に責められた。また、何度もデートに誘われて連絡先を渡された」など、中にはストーカー被害にまで発展したケースも見受けられた。