消費者庁と国民生活センターが、「葬儀においてお別れの際に、棺の中に顔を入れないでください」と注意喚起をおこなった。どうやら、ドライアイスによって棺内に充満した高濃度の二酸化炭素を吸入してしまう危険性があるそうだ。ネットでは「そんな事例があるとは」「怖すぎ」などと話題となっている。

消費者庁によると、食品の保冷輸送など様々な場面で利用される消費者に身近な冷却剤のドライアイスだが、皮膚との接触による凍傷や、密閉容器内で気化して内圧が高まり破裂したことによる負傷など、いくつかの事故の事例が報告されており、これまでにも注意喚起をおこなってきたとのこと。

しかし近年ではさらに、遺体の保冷目的で棺内に置かれていたドライアイスによる、二酸化炭素中毒が疑われる死亡事故の情報が複数件寄せられているという。具体的には、周囲に人がいない中で故人とゆっくり別れを告げる時間を過ごし、棺の中の故人に向けて話しかけるなどしている際に事故が起きているようで、遺族などが棺内に顔を入れた状態で発見され、死亡が確認されたケースが報告されているそうだ。

こうした報告を受け国民生活センターは、棺内にドライアイスを設置した際の二酸化炭素濃度の推移調査を実施。その結果、棺の蓋を閉めた状態だと、棺内にドライアイスを設置して20分後には、棺内部の二酸化炭素濃度が「ほとんど即時に意識消失」するとされる濃度(30%)を超え、4時間後には濃度がさらに90%前後にまで到達。二酸化炭素濃度が約90%の状態から、静かに棺の蓋を全て開けた場合、開けた直後に約60%まで急激に低下したが、約50分が経過しても「ほとんど即時に意識消失」するとされる30%以上を維持していたという。

同センターは「二酸化炭素が空気よりも密度が大きく、蓋を開けても空気の大きな対流が起こらない限り、棺内に残りやすく、ドライアイスから昇華した二酸化炭素が継続して棺内に充満しているためと考えられる」としている。

この結果を踏まえ、消費者庁らは「棺の中に顔を入れないこと」や、「室内の換気を十分に行うこと」、「線香番などで一人にならないこと」、「気分が悪くなったらすぐに棺から離れ、異常があれば直ちに119番通報を」「不明なことがあれば葬儀業者に確認を」など助言をおこなっている。

ネット上では「マジで気をつけましょう」「泣き崩れてるのかと思って、そっとしといちゃダメなのね(・ω・;)」「やはり注意が必要ですなぁ」「そんな事例があるとは。悲惨すぎないか?」「こわいけど、知っておいたほうがいいこと」「え。これ怖すぎです」などの声が寄せられた。