オーストラリアの南東方向、南半球に位置する島国・ニュージーランド。ラグビーやマオリ文化の印象が強い国ですが、近年はワインでも注目されています。

ニュージーランドワインの歴史はまだ浅く、19世紀の初めに英国人の宣教師によってオーストラリアからブドウの苗木が持ち込まれたのが始まりだそう。

1980年代に、ニュージーランドの南島にあるマールボロ地区で造られたソーヴィニヨン・ブランが、国際的なワイン・コンペティションで最優秀賞を受賞したのをきっかけに、世界的に注目されるようになりました。

  • ワイヘキ島のブドウ畑。訪れた7月は冬で収穫後だったのでやや寂しい印象

肥沃な大地に朝晩の寒暖の差、夏の日照時間の長さなど、ブドウを育てるための好条件がそろうことから、国内各地にワインの生産地が点在しています。

その中でも観光客が訪れやすいのが、ワインアイランドと呼ばれる「ワイヘキ島」。ニュージーランド航空が直行便で運航するオークランドの市内中心部から、フェリーで約40分の場所にあります。

ちなみに、今回は同航空の成田-オークランド直行便を利用。機内食のレベルの高さにも定評があり、ドリンクセレクションもこだわっているのが特徴です。

  • 到着前からニュージーランド産ワインをたんまりと飲める

実際、離陸後程なくして「ワインはいかがですか?」と、CAさんがワインを持ちながら席を回り始めました。

ニュージーランド産のワインのみ提供され、高度と湿度により味覚が影響を受けやすい機内という環境の中で、最もおいしく感じるワインを専門家が座席クラスごとに選んでいるのだそう。

エコノミークラスでも、赤白2種類ずつのワインとスパークリングを選べるほか、食事時以外でも座席のモニターを通してワインをいつでもお代わりできるのも同航空ならでは。

  • エコノミー・シート3席が連なる、エコノミー「スカイカウチ」

就寝はエコノミー・シート3席が連なるエコノミー「スカイカウチ」で、手足を伸ばしてぐっすり。

座席はエコノミークラスと同じですが、各座席に特別なフットレストが設置されており、フルフラットにセットでき、3席分でベッドの長さは筆者の身長とほぼ同じの約155cm。空の上とは思えない程、快適に過ごせました。

30を超えるワイナリーが点在する「ワイヘキ島」

  • オークランド・シティーワイヘキ島間の往復チケットは、大人59NZドル

いくつものビーチに囲まれ、オークランドに住む人々が週末の息抜きに訪れるリゾート地。約92平方kmの島に30を超えるワイナリーが点在しています。

ワイヘキ島への行き方を調べると、オークランド発着のワイナリー巡りツアーに申し込むのが楽……とのことでしたが、冬のニュージーランドは天気の急変も多く、せっかくなら晴れた日に行きたいと思い、個人で向かいました。

オークランド中心街にあるフェリーターミナルから、ワイヘキ島へのフェリーが出ています。チケットの購入は窓口またはネットで、事前に公式サイト「Fullers360」から購入すると往復4NZドル安く購入できます。

出発は30分~1時間間隔。土日祝は多くの人がワイヘキ島に向かうので、30分前にはターミナルに到着していると安心です。

約40分の船旅は、通り過ぎる島々やエメラルドグリーンの海を見ていたらあっという間。

  • 美しい景色をみていたら徒歩移動もなんのその

到着後の移動手段は、レンタカー、路線バス、ワイヘキ島発のバスツアー、レンタルバイク、徒歩のいずれか。

島中にワイナリーが点在しているので、車やバスでの移動が便利ですが、今回はひとり旅だったこともあり、フェリーターミナルから徒歩圏内のワイナリーを2軒巡りました。

ワイヘキ島のワイナリー2軒を徒歩で巡ってみた

  • Cable Bay Vineyards(ケーブル・ベイ・ヴィンヤーズ)

最初に訪れたのは、フェリーターミナルから徒歩約30分の場所にある「Cable Bay Vineyards(ケーブル・ベイ・ヴィンヤーズ)」。

世界レベルのワインを造るという目標と夢を持つワイン愛好家によって設立。シャルドネとソーヴィニョン・ブランの評価が高い、ワイヘキ島を代表するワイナリーの一つです。レストランやゲストハウス、ヴィラなども併設。

  • プレミアムティスティングで、ワイヘキ島で造られた4種類のワインを飲み比べ

ワインテイスティングは、水曜から日曜の11~17時で開催。冬季は開催日が限られているため事前予約して向かいましたが、予約なしでもテイスティング可能でした。

料金は「スタンダード」(15NZドル)、「プレミアム」(20NZドル)。ブドウ畑やワイン製造のプロセスまで見せてもらえる「ツアーティスティング」(40NZドル)です。

すべて英語での説明ですが、スタッフの方がワインについて色々と教えてくれます。1杯目にテイスティングしたピノ・グリが果実味の中にもミネラルを感じて、とても好みの味わいだったので、お土産に購入。

  • 島内を徒歩で移動する人もチラホラと

ケーブル・ベイから歩くこと約13分、「Mudbrick Vineyard & Restaurant(マッドブリック・ヴィンヤード&レストラン)」に到着しました。

  • Mudbrick Vineyard & Restaurant(マッドブリック・ヴィンヤード&レストラン)

菜園とブドウ園に囲まれたワイナリーで、レストランとビストロを目当てに多くの観光客が訪れていました。オークランドの市街地までも見渡すことができ、絶景の中ワインテイスティングを楽しめます。

  • ライトテイスティングで、ワイヘキ島3種、マールボローで造られたワイン1種を飲み比べ

テイスティングは毎日11〜17時半で開催。料金は「ライト」(22NZドル)、「リミテッドリリース」(28NZドル)、「フラッグシップ」(45NZドル)の3種類。

8名未満の場合は予約の必要がなく、テイスティングカウンターに向かえば対応してもらえます。

ワインはとてもおいしかったのですが、ケーブルベイと比べるとカウンターでの流れ作業のようなテイスティングだったので、満足度はいまひとつ。

  • ワインショップやレストラン、有名店ジェラート店などが軒を連ねる

2軒のテイスティングを終え、ほろ酔い気分で30分歩きながらワイヘキ島の中心街へと向かいます。

ワイナリーまでは行けないけど、ワイヘキ島のワインをもっと見てみたいという方におすすめなのが「ワイヘキ・ワイン・センター」。ワイナリーごとにワインが並んでおり、テイスティングもできますよ。