光岡自動車が新型車「ビュート ストーリー」(Viewt story)を発売した。プレミアムコンパクト「ビュート」の後継モデルで、ベース車両は従来の日産自動車「マーチ」からトヨタ自動車「ヤリス」に変更となっている。何が変わったのか。受注状況は? 実車を取材してきた。
来年8月の生産分まで売れている?
「ビュート」は初代が1993年に発売となったロングセラーカー。今回の新型で通算4世代目となる。 これまでに累計1.3万台が売れた光岡自動車の人気モデルだ。
従来は日産マーチをベースに作ってきたビュートだが、新型はベース車両がトヨタのヤリスに変わった。それに伴い、ビュート ストーリーでは新たにハイブリッド車(HV)が選べるようになった。ボディタイプはハッチバックのみで、セダンタイプは選べなくなった。
デザイン面では「若返り」を図ったという。これまではボンネットの先端と前輪フェンダーの先端が前後関係でいうと同じくらいの位置にあり、クルマを上から見るとスクエアな形だったそうなのだが、新型ではフェンダーの先端を後ろに下げることで顔の印象を変えた。この処理が「顔をリフトアップしたような」効果を生み出すそうだ。
作り方も変わりつつある。これまではほとんどの部分をFRP(繊維強化プラスチック)で手作りしていたそうだが、光岡自動車ではSUV「バディ」あたりから、プレス金型や射出成型などを取り入れ始めているとのこと。とはいえ、ビュート ストーリー最大の特徴となる顔(フロント部)はFRPの手作りにこだわっているそうだ。
ビュート ストーリーの発売日は2023年9月22日。先行予約の受け付けは2023年2月に始まっていた。生産開始は8月で、2023年中の生産台数は40台を予定。2024年は通年で180台を生産する方針だ。これまでの予約台数は160台ほど。つまり、2024年8月までの生産分が売約済みということになる。予約受注の内訳はHVが約30%だ。