海外プレミアビール「Heineken」(以下ハイネケン)の販売、マーケティングを展開するハイネケン・ジャパンは、ノンアルコールビール「Heineken 0.0(ハイネケンゼロゼロ)」を10月16日より全国にて販売開始する。
今回同社は、ノンアルコールビール「Heineken 0.0」の販売開始に合わせ、発表会をおこなった。
ハイネケン・ジャパンの展望は?
オランダのアムステルダムを本社に置くハイネケンは、世界70か国に165の醸造所を保有するグローバルカンパニーだ。現在は、世界190以上の国で348のブランドを展開している。そのなかで、ハイネケン・ジャパンはハイネケン100%の子会社として今年の4月1日に誕生した。
同社は、長期価値を創造するためのビジョンとして、成長、収益性、効率、サステナビリティと社会責任の4つの柱からなる「緑のダイヤモンド」を掲げている。また2030年にはゼロインパクト、インクルーシブ・フェア・機会平等、適正飲酒への筋道を作るビジョンを描く。
なかでも「適正飲酒」については、広報活動におけるメディア投資費用の10%を「責任のあるアルコール消費」キャンペーンに使用することを義務付けている。2022年には世界中で12億人の人に適正飲酒のメッセージを伝えたという。
発表会に登壇したハイネケン・ジャパン 代表取締役社長 トニー・ウィーラー氏は、「日本のノンアルコールビール市場は少しずつ増加しており、今後も継続的な成長が見込まれる。ハイネケン・ジャパンは、2025年までに日本のノンアルコールビール市場のシェアを5%獲得し、日本を代表するインターナショナルビールブランドへの成長を目指す」と述べた。
「Heineken 0.0」味わいは?
今回日本に初上陸となる「Heineken 0.0」は、2017年に誕生し、現在約110か国以上で販売されている。世界で最も売れているノンアルコールビールで、4つの柱の中のサステナビリティと社会責任をテーマに作られた商品だ。
特徴は、ハイネケンと同じ製法、原料で作られた本格的な味わい。通常のビールを作った後にアルコールだけを取り除く「脱アルコール製法」を採用し、本物のビールとそん色ない風味を実現した。フルーティーでありながらバランスのとれたモルト感のあるボディ、そして一日のどんな時間にも楽しめることも魅力のひとつだ。
本商品は「堂々と乾杯できるノンアル」をキーコピーに広告展開、TVCMを実施する。また、9月22日~9月24日に鈴鹿サーキットで開催する日本グランプリでは、適正飲酒のメッセージを伝えたり、鈴鹿サーキット内での先行販売などを行う予定。
ハイネケン・ジャパン マーケティング部 ディレクター 須田伸氏は、「今週末はサーキット内の看板を含めて『Heineken 0.0』を全力でアピールしていく。また、ハイネケンにはさまざまなビールのブランドを抱えているので、今後の消費者のライフスタイル、市場動向に合わせて新しいブランドの投入も検討している」と話した。
ハイネケン最高醸造責任者が話す開発のプロセス
また、同発表会では、ハイネケン・ジャパン マーケティング部 ディレクター 須田伸氏とハイネケン グローバルマスターブリュワー(最高醸造責任者)ウィレム・ヴァン・ウェイズバーグ氏の対談も行われた。
「Heineken 0.0」は、本物のビールを作った後に、減圧蒸留という方法でアルコールだけを取り除く製法を採用している。この製法についてウィレム氏は「減圧蒸留はビールのベースの味を壊さずに低温でアルコールだけを優しく取り除いていく。その後、減圧蒸留で失われた香りを足して、おいしいノンアルコールビールに仕上げている」と説明した。
またハイネケンがノンアル飲料開発を手掛けた理由や、最初からこのプロジェクトに賛成だったのかを聞かれると、「今の消費者が適正飲酒、ノンアルコールを求めていることは知っていたので、ノンアルコールを作るというのは非常に自然な流れだったように思う。しかし、醸造責任者としては、一番おいしいノンアルコールビールに出会ったことがないため懐疑的だった」とウィレム氏。だが「Heineken 0.0」の開発にあたり、自分のチームを信じてチャレンジしたという。
また最後に「飲めば、すぐにそのおいしさをわかってもらえると信じている」と日本の消費者に向けてメッセージを送った。
ハイネケン・ジャパン代表取締役社長に聞く、日本のノンアルビール市場は?
また今回、マイナビニュースではハイネケン・ジャパン 代表取締役社長 トニー・ウィーラー氏にインタビューする機会を得た。日本のノンアルコールビール市場をどのように捉えているのか、また「Heineken 0.0」の強みとはどのような点なのだろうか。
――日本でも各メーカーから多くのノンアルコールビールが販売されています。日本のノンアルコールビール市場をどのように捉えていますか?
日本のノンアルコールビール市場は世界で3番目に大きいマーケットですが、消費者と商品の間にやや乖離があるように感じています。コンシューマーが求めているのはモダンかつクールなノンアルコールビールなので、ハイネケンのように優れているブランドは(ニーズに合った)商材が出せると考えています。
――「Heineken 0.0」を実際に試飲しましたが、ハイネケンのように爽やかでフルーティーな香りや味わいでした。
「Heineken 0.0」は、ノンアルコールビールとは信じられないほどハイネケンに近い味に仕上げています。そのため皆さんに自信を持って飲んでいただけるはずです。日本では「ノンアルビールは仕方なく飲んでいる」と捉えられがちですが、自分から進んで飲みたいから飲まれる・選ばれるようなブランドになって欲しいですね。
――ハイネケンは世界中で広く飲まれているブランドです。新たに日本で展開する「Heineken 0.0」は、特にどのようなユーザーに訴求していきますか?
インクルーシブなブランドを目指しているため、より多くの方に楽しんでほしいです。ただ、Z世代・Y世代の方々にはこの商品と特に親和性があるはず。彼らが選ぶライフスタイルや健康志向などにマッチするようなブランドは、今の日本のビール業界にはないと考えています。我々の「Heineken 0.0」はそこへパーフェクトにマッチするでしょう。
――最後に日本のユーザーに向けて一言お願いします。
コンシューマーの皆様に、世界一のノンアルコールビールを試していただくチャンスがようやく訪れました。ぜひ「Heineken 0.0」を試してほしいですし、楽しんでいただけると考えています。
「Heineken 0.0」は10月16日より全国にて販売を開始する。ますますノンアルコールのニーズが高まる日本において、ノンアルコールビールとして世界No.1の売上を誇る同商品がどのように受け入れられるのか注目していきたい。