JR北海道は20日、今年度の第1四半期(2023年4~6月)における線区別の収支と利用状況を発表した。札幌圏の在来線は、千歳線を中心に空港アクセス利用の増加と「北海道ボールパーク Fビレッジ」開業等による効果もあり、輸送密度・営業収益ともに増加した。

  • 千歳線を走る普通列車(2022年8月撮影)

2023年度第1四半期、千歳線・室蘭本線白石~苫小牧間の輸送密度は1日あたり4万4,012人(前年同期比8,557人増)、函館本線小樽~札幌間の輸送密度は1日あたり4万45人(前年同期比5,292人増)、函館本線札幌~岩見沢間の輸送密度は1日あたり3万6,109人(前年同期比3,340人増)、札沼線(学園都市線)桑園~北海道医療大学間の輸送密度は1日あたり1万6,620人(前年同期936人増)に。4線区合計の営業収益は99億3,100万円。コロナ禍前の2019年度(第1四半期の営業収益102億900万円)には及ばなかったが、前年同期比18億1,800万円増となった。

営業収益の増加に関して、千歳線を中心に、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴う利用の回復、新千歳空港方面のインバウンド利用増加、今年3月に開業した「北海道ボールパーク Fビレッジ」の開業等によるものと説明。線路の修繕費や電気料金高騰の影響を受けた動力費が増加したことなどにより、営業費用は前年同期比6億3,200万円増となったが、営業損失は2022年度第1四半期の12億8,100万円に対し、2023年度第1四半期は9,500万円で、前年同期と比べて11億8,600万円縮小(2019年度との比較では1,300万円拡大)した。

JR北海道によれば、全線区合計の営業損失は前年同期と比べて20億7,500万円縮小しており、縮小幅の半分以上を札幌圏の線区が占めているという。コロナ禍前の2019年度と比較した場合、営業損失は合計で7億5,800万円拡大となったが、一方で輸送密度・営業収益はいずれも9割程度の水準まで回復したと説明している。