ニコンは9月20日、Zマウントのフルサイズミラーレス「Z f」を発表した。フィルム一眼レフ「FM2」風のクラシックデザインを採用したモデルで、2021年に登場したAPS-Cミラーレス「Z fc」のフルサイズ版的な存在に仕上げた。上位モデルのZ 9やZ 8にはない新機能も意欲的に搭載した。ファッションに敏感な30代の比較的若い層やクリエイターをおもなターゲットとする。
価格はオープンで、予想実売価格はボディ単体モデルが30万円前後、特別デザインの単焦点レンズ「NIKKOR Z 40mm f/2 (SE)」が付属するキットモデルが331,000円前後。発売は10月の予定。ボディカラーはブラックのみ。
Zマウントを採用したフルサイズミラーレス。フィルム一眼レフ「FM2」風のクラシックデザインに仕上げつつ、最新ミラーレスにふさわしい機能と心地よい操作感を備えたモデル。ホールド性を高めるエクステンショングリップも別売で用意する。APS-C機のZ fcと同様に、ボディ外装の張り革を交換できる「プレミアムエクステリア」を提供する。
ハイエンドモデル「Z 9」「Z 8」にもない機能をいくつか盛り込んだ。その1つが、複数枚の写真を合成して解像感の高い写真を生成する「ピクセルシフト撮影」(三脚が必須)。さらに、異なる階調表現で撮影できるモノクロームモード「フラットモノクローム」「ディープトーンモノクローム」も用意。モノクロモードは、専用のレバーで簡単に切り替えられるようにした。
新たに、マニュアルフォーカス時にも被写体検出に対応し、ピント合わせの際に顔の部分を自動で拡大できるようにした。マニュアルフォーカスのオールドレンズを利用する際の利便性が向上する。
5軸対応のボディ内手ぶれ補正機構は、Zシリーズでもっとも高い8段分相当とした。さらに、フォーカスポイント周辺のブレを効果的に抑える世界初の「フォーカスポイントVR」も搭載した。
メモリーカードスロットは、SDメモリーカードスロットに加えてmicroSDカードスロットも搭載し、ダブルスロットとした。
- 撮像素子:フルサイズCMOSセンサー(有効2450万画素)
- 画像処理エンジン:EXPEED 7
- 記録メディア:SDメモリーカード、microSDカード
- ISO感度:ISO100~64000(拡張時ISO50~204800相当)
- フォーカスポイント:273点
- 背面液晶:3.2型バリアングル式(約210万ドット)
- EVF:約369万ドット
- 本体サイズ、重さ:144×103×49mm、約710g(メモリーカード、バッテリー含む)