サードウェーブは、9月19日にクライアントビジネス方針発表会を開催し、8月から始まっている41期のビジネス戦略を発表しました。今回の説明の中でもっともインパクトがあるのは、製品ブランドの大幅な見直しです。GALLERIAブランドは個人向け、raytrekを法人向けと対応ユーザー層を大きく変更します。
冒頭、株式会社サードウェーブ 取締役 兼 上席執行役員副社長の井田晶也氏は40期(2022/08~2023/07)の振り返りとして、コロナ禍の反動でPCメーカー各社が業績を落としているなか、ターゲットをある程度絞りこんだことが功を奏し「ほぼ横ばいとなった」と紹介。また、前期の戦略的投資として本社移転(ベルサール秋葉原のある住友不動産秋葉原ビル)、生産物流拠点の拡大と新規店舗の出店を挙げました。
現在の41期は、創立40周年の節目で重要な期として、5つの施策を打ち立てています。1つ目はゲーミングPCとしてポジションを確立したゲーミングPCブランド「GALLERIA」のユーザー層を拡大するという点。2つ目はクリエイター・デザイナーPCの成長で、現在のクリエイター中心から法人のプロフェッショナルユースにも対応を目指す点です。
そして3つ目が法人市場のさらなる開拓。一般的なパソコンからワークステーションと幅広いラインナップを用意します。4つ目は文教市場におけるハイエンドPCの訴求です。現在も文教市場に一定のポジションをもっているが、小中学校にも広げたいと意欲を見せます。最後が継続的な店舗開拓と製品訴求。41期も年10店舗の展開を想定しているとのことでした。
GALLERIAパソコンを個人向けに特化し、クリエイター向けも統合
また、従来THIRDWAVE Proのようなサブブランドが用意されていましたが、今後はGALLERIA、raytrek、THIRDWAVEの3ブランドにリブランドして集約すると説明しました。
ブランドごとのターゲット層は明確でGALLERIAブランドは「for consumer」、つまり個人向けのブランドとして展開。すでにゲーミングPCのブランドとして定着していますが、クリエイターやデザイナーにも対応します。製品としてはハイエンド・スペシャリティ製品となり、筐体デザインも変更を予定しています。
raytrekブランドは「for commercial」とビジネス向けのブランドとなります。プロフェッショナルの創造性を最大限に引き上げるために、製品とサービスをプロフェッショナルやビジネス向けに変更し、CADやAI対応の製品も投入します。説明会ではraytrekブランドのワークステーションやスリムケースが展示してありました。
THIRDWAVEブランドは「for ALL」とどちらにも対応しますが、ゲーミングやAIのような特殊な用途ではない一般的な製品で高年齢層や若年者のようなエントリ向け製品にしたいとする一方、デスクトップ製品もGPUあり、なし共に対応すると言います。また、国内生産を活かしてカスタマイズに柔軟に対応できる製品が魅力となります。
説明を伺って、今後のドスパラ店舗レイアウトがどのように変化するのかが気になりました。
2020年以降のドスパラ新店舗にはすべて取材に行っていますが、ゲーミングを前面に押し立てており、基本的には個人向けです。従来法人向けとなっていたTHIRDWAVE Proの製品を店頭で見たこともがく、発表会のみでした。
もちろん、法人向けモデルの販売方法は個人向けとは異なりますが、製品ラインアップが今回の方針に合わせて更新された場合、ドスパラ店頭からreytrek製品がなくなる可能性もあるでしょう。
一方、法人向けの展示会ではreytrek製品が並ぶかもしれません。実際、デザイン系の展示会でサードウェーブがreytrekを前面に押し立てて展示していたのを見たことがあります。