エコバックスのロボット掃除機は、かつての最上位モデルでいち早く水拭き自動清掃機能を導入。最先端の機能をこれでもかと搭載した高機能製品でした。そのエコバックスジャパンから、新フラッグシップ製品「DEEBOT X2 OMNI」(以下、X2)が登場です。
現在のロボット掃除機は丸形が多いのですが、X2は珍しいスクエア形状。従来モデルと比べて、デザイン以外にもロボット本体、充電ドック、OSすべてが進化しています。プレス向け発表会で実機を体験してきました。
いままで掃除しにくかった場所が掃除できる形に
エコバックスジャパンのロボット掃除機は、賢いOSに高い技術力、そして機能性などで人気があります。なかでも最上位のXシリーズは吸引と水拭き掃除ができる高機能モデル。高い清掃能力、自動ゴミ収集機能、水拭き掃除用タンクの自動水補給機能、さらには水拭き後のモップ掃除・乾燥まで全自動です。
なにげに便利なのは、留守中に家の中をチェックする移動式のWebカメラとしても使えること。もちろん新X2もこれらの機能をすべて搭載しています。
ひとつめのポイントは本体形状。ロボット掃除機の大半は丸形ですが、X2はあえて四角い形状を採用しました。スクエア形状にすることで、部屋の壁にピッタリ沿ってゴミを掃除します。
エコバックスによると、この形状にすることで清掃率(≒部屋内のカバー率)は99.77%になるそうです。そのうえ、四角い本体は底面の吸引掃除用ブラシ幅が20cmに長くなりました。従来の丸形Xシリーズよりも幅が3.2cm長く、掃除範囲が広がっています。
四角い本体は内蔵センサーも強化。レーザーセンサー搭載のロボット掃除機は、レーザーを広い範囲に放射するために、本体上部にレーザー照射部が飛び出た形になりがちです。
一方でX2は、四角い本体の角にレーザーを配置。天面の「飛び出たパーツ」がなくなり、本体の高さは9.5cmにおさえられています。これは業界最薄サイズ(エコバックスジャパン調べ)。ほかのロボット掃除機では入り込めないソファなどの家具下も掃除しやすくなりました。
もちろん「隅まで掃除できる」だけでなく、掃除力もしっかりあります。吸引力は8,000パスカルと高く、ブラシにはシリコンを用いて髪の毛などが絡まりにくい仕組みです。さらに、水拭き掃除は上下振動する回転モップを利用しており、床のガンコな汚れもかなりキレイに拭き取ってくれます。
ロボット掃除機のOSにも注目です。新搭載のDual-Laser Lidarは、周りの環境をセンシングするスピードの速さが特徴。多くのロボット掃除機が採用するレーザー技術LDSよりも、反応速度は24倍も速いそうです。
最近の高機能ロボット掃除機はセンサーを使って家具や障害物を賢く避けますが、新X2は障害物回避機能「AIVI 3D 2.0」がより高速な反応を実現。発表会のデモンストレーションでは、掃除中の本体のすぐ前方にいきなりクッションを落としても、即座に回避動作を行っていました。動く障害物にここまですばやく反応できるロボット掃除機は、あまり見かけません。
可能な限りメンテナンスを自動化、あそこの汚れも自動でお掃除
Xシリーズといえば高性能なドック。充電だけでなく、以下の機能があります。
- 吸引掃除したゴミの自動収集
- モップへの給水
- 55℃での温水モップ洗浄
- 洗浄したモップの熱風乾燥
今回のX2は新機能として、ドックのシンク(底面)の自動掃除機能も追加しました。シンクは掃除機がドックに帰還したとき、汚れたモップが触れるところ。ここを自動で洗浄できるのはなかなか魅力的です。
X2は、パワフルな掃除性能、障害物に対して即座に反応する賢いAI、そしてメンテナンスのほとんどを自動化するハンズフリー機能といったように、家庭用ロボット掃除機として考えられる機能を可能な限り詰め込んだ全部入りという印象。
とくに、温水を使ったモップの自動掃除洗浄などは、国内のロボット掃除機としてはエコバックス製品の上位モデルだけが搭載している機能です。「とにかく高機能なロボット掃除機」を使ってみたいなら、X2は必ず検討したい製品。個人的には、ロボット掃除機本体がスクエア形状になったことで、インテリアとしてもよりシャープな印象になった点も見逃せない魅力だと感じています。