東京消防庁の公式X(旧Twitter)は、「不要不急の119番通報は、最後まで話を聞かずに切断する場合がある」と注意喚起をおこなっている。本当に必要な緊急通報に対応するための措置とのこと。ネットでは「英断です!」「よくぞ言ってくれました」などと話題だ。

注目を集めているのは、9月11日に投稿された東京消防庁の公式Xの投稿。「119番は緊急通報です。問合せや相談等を119番通報すると本当に必要な緊急通報に対応できなくなる恐れがあります」と説明した上で、「不要不急の電話については最後までお話を聞かずに切断する場合があります。他の緊急通報を優先するための措置ですので、ご理解をお願いします」と呼びかけた。また、「病院へ行くか救急車を呼ぶか迷ったらネットで検索できる『東京版救急受診ガイド』または電話で相談できる『#7119』をご利用ください」と付け加えた

東京消防庁の公式サイトによると、2022年中に受け付けた119番通報は、103万6,645件にのぼり、統計上初めて年間で100万件を超えたという。その中には、緊急性のない問合せや、消防に関係のないものも含まれており、それらは全体の約2割(約5件に1件)を占めていたそうだ。

また、2022年における東京消防庁救急隊の出場件数は前年から約12万件増の87万2,075件で、救急搬送された人のうち入院を必要としない軽症と判断された割合は53.4%と半数以上を占めたそう。救急車の要請が多く、近くの救急車が出場している場合は、遠くにいる救急車が出動することになるため、到着までに時間がかかってしまうといい、救急出場件数が過去最多だった2022年の平均現場到着時間は、救急車が現場に到着するまでに平均で9分43秒かかっており、前年の7分20秒から2分以上伸びてしまっている。

  • 東京消防庁「不要不急の119番通報」に注意喚起、電話を切る場合も - ネット「英断!」「よくぞ言ってくれた」

    2022年の平均現場到着時間は9分43秒で、群を抜いて長くなっている

ちなみに、実際の通報例として「今やっている病院を教えて欲しい」や、「電気が消えなくなった。なんとかしてほしい」、「熱があるので症状の相談がしたい」、「コロナの検査キットどこで購入したらいいですか」、「明日入院するので、救急車を予約したい」、「新しい携帯にしたので119番の試験をしてみました。(繋がるかどうか)」などが挙げられていた。

ネット上では「限られたリソースを有効に使うには必要な事ですね」「英断です!応援します!!」「通報する側も的確に伝える技術を身につけねばなあ」「限られたリソースなのだから、この決断を支持します!」「よくぞ言ってくれました」などの声が寄せられた。