ジャニーズ事務所とグループ企業13社の取引先を調査
東京商工リサーチは9月13日、「ジャニーズグループ」取引先調査の結果を発表した。調査は、企業情報サービス(tsr-van2)の企業相関図から、ジャニーズグループの仕入先、販売先を1次(直接取引)、2次(間接取引)に分けて抽出し、業種、規模などを分析した。
創業者の性加害問題に揺れるジャニーズ事務所とグループ会社13社(以下、ジャニーズグループ)の取引先は、1次・2次を含め226社あることがわかった。このうち、30社(13.2%)が上場企業で、これらの⼀部企業はすでにジャニーズ事務所の所属タレントの広告起⽤を⾒直すなど、対応に追われている。
1次取引先は、未上場企業が196社を占めているが、2次に広げると、間接的に代理店などを経由した取引の上場企業が大幅に増える結果に。
4割が大企業
売上高別にみると、取引先は「100億円以上」が80社(構成比35.3%)、「1,000億円以上」が35件(同15.4%)。仕入先では、1次は比較的規模の小さな企業が多く、2次は売上高の大きな企業が大幅に増加。一方、販売先は1次に「100億円以上」が2割強あり、2次では64.2%が「100億円以上」だった。
資本金別では、取引先は「1億円以上」が92社(構成比40.7%)と4割が大企業という結果に。次いで、「1千万円以上5千万円未満」(68社、同30.0%)、「5千万円以上1億円未満」(33社、同14.6%)の順。資本金「1,000万円未満」は個人企業などを含めて33社(同14.6%)にすぎず、資本金が比較的に大きな企業との取引が多いことが明らかに。
業種別で多いのは「広告業」「テレビ番組制作業」
また、産業別にみると、取引先の最多は「サービス業他」で89社(構成比39.3%)。次いで「情報通信業」(49社、同21.6%)、「製造業」(33社、同14.6%)、「卸売業」(24社、同10.6%)と続き、細分化した業種別では、大手広告代理店など「広告業」(29社)が最も多く、「テレビ番組制作業」の12社のほか、CM契約を結ぶ持株会社との取引も多かった。
幅広い分野の企業と取引しているジャニーズグループだが、未上場で外部のチェックが効きにくく、これまで決算の官報公告もほぼ行っていない。財務状況などの情報開示にも消極的であることから、東京商工リサーチは「企業は社会の公器だが、その分野で絶対的な存在になると、経営者の考え方次第でステークホルダーとの関係が歪になりかねない」という。
さらに、「ジャニーズグループは大株主(資本)と経営者(経営)が一体で、株主や取引先の意向に左右されることはなかった。それだけに今後、どこまでコンプライアンスを徹底できるか注目される」とコメントしている。