最高出力1,914馬力、0-100km/h加速1.81秒を誇るクロアチア生まれのハイパーカー「リマック ネヴェーラ」が日本に上陸を果たした。量産電気自動車の世界最速モデルであり、限定150台、価格は200万ユーロからの超レア車だが、日本で買った人はいる? 取材してきた。
世界最速の量産BEV、どんなクルマ?
「リマック ネヴェーラ」(Rimac Nevera)はクロアチアの「リマック」(Rimac Automobili)という会社が作った「ネヴェーラ」(Nevera)という電気自動車(バッテリーEV=BEV)だ。クルマの電動化は世界的な流れだが、リマックは「地球を救えるという理由ではなく、電動モーターが究極のパフォーマンスカーを作成するのに役立つ」と信じてネヴェーラを開発したのだという。
性能はまさに究極だ。搭載するモーターは前後に各2基の計4基。主な数値を掲げておくと、最高出力は1,914PS、最大トルクは2,340Nm、停止状態から100km/hまでの加速に要する時間(0-100km/h加速)は1.81秒、最高速度は256mph(特別なイベントで記録、約412km/h)となっている。ポルシェのBEV「タイカン ターボS」でも761PSだから、ネヴェーラの異次元っぷりは推して知るべしだ。ドイツにある有名なサーキット「ニュルブルクリンク」では、ネヴェーラが市販BEVで最速の記録をたたき出した。
ネヴェーラは「ただ単に、直線で速いだけのクルマではない」というのがリマック側の解説。乗り心地のよさ、ラグジュアリーであること、豊富な機能なども、このクルマのアピールポイントなのだという。もちろん公道も走行可能で、フル充電の航続可能距離は490km(WLTPモード)だから意外に遠出もできてしまう。
ドライブモードは「レンジ」「クルーズ」「スポーツ」「トラック」「ドリフト」から選択可能。自分好みの「カスタム」モードで走ることもできる。お披露目会ではドリフト走行する「ネヴェーラ」の映像が流された。
リマック ネヴェーラの日本における販売は、スウェーデンのケーニグセグやイタリアのパガーニといった超ハイエンドなクルマ(メガカーとも呼ぶそうな)の輸入販売などを手掛けるBINGOが担当している。
BINGOのセールス担当によると、なんとびっくり、わが日本においては、これまでに4台のリマック ネヴェーラが売れているとのこと。限定150台、年産40台、価格200万ユーロ(3.2億円くらい。そこに消費税や輸送費などを足して、さらに自分なりのカスタマイズをやっていけば……4億とか?)のレア車であるため、世界中で取り合いになりそうな情勢だそうだが、9月13日の14時ごろに話を聞いた限りでは、今すぐにBINGOに問い合わせればクルマは確保できるとのことだった。欲しいと思った方にはなるべくお急ぎになることをオススメしたいし、買ったらぜひとも公道をたくさん走っていただいて、ネヴェーラの勇姿を1人でも多くのクルマ好きに見せていただきたいと願い奉る次第だ。
ちなみに、BINGOは先ごろ、オートバックスセブンとの間でパートナーシップ契約を締結した。今後はオートバックスセブンの「ARTA MECHANICS & INSPIRATIONS」(ARTA M&I店、東京都江東区)で世界のハイパーカーや希少車を定期的に入れ替え展示する予定。コレクタブルカーのリアルオークション開催も検討しているそうだ。ネヴェーラのお披露目もARTA M&I店で行われたのだが、残念ながら、こちらへ足を運んでもネヴェーラを見ることはできないようなのであしからず。