俳優の上川隆也、甲本雅裕がこのほど、21日(20:00~)に放送されるテレビ朝日系ドラマ『遺留捜査スペシャル』の取材に応じた。

  • 左から上川隆也、甲本雅裕

■上川隆也「今回は『遺留捜査』がジョーカーを切った」

事件現場に残された“遺留品”が持つ意味を徹底的に探り、声なき遺体が訴えたかったメッセージを代弁、事件そのものを解決するだけでなく、遺族の心情をも救う優しさと超マイペースで空気を読まない不思議キャラで視聴者を虜にしてきた刑事・糸村聡を演じる上川。2022年夏クールに放送された第7シーズン以来1年ぶりのカムバックとなる今回のスペシャルについて、「僕自身、また糸村聡に会えるというのは、うれしいという一言以外の何物でもありませんでした」と感慨深げに語ると、「全く右に同じです」とコメントして笑いを誘う甲本。上川から「ちゃんと自分の言葉で喋りなさい」とツッコミを入れられると、「それしかないんだよ(笑)!」と応酬しつつ、「純粋にうれしい気持ちです」と喜びをあらわにした。

また、今作でレギュラーキャラクター・村木繁と、事件の鍵を握るガラス職人・相良克典の1人2役に挑戦する甲本は「村木ではない役で参加させてもらって初めて、糸村聡という男と出会うことになる」「これまで12年間、村木という役を通して、糸村さんを見てきた」と前置きした上で、「別の人間として糸村さんと相対したときに、『こんなに変人だったんだ!』と(笑)。それで、セリフを言おうにも笑えてきちゃって……。糸村さんってこんなに変な人だったんだっていうことを、改めてではなく、初めて知ったという、僕にとって新鮮なスペシャルでした」と告白。そして、「その男が12年間、この番組を率いて、作品を紡いでいるということが逆にすごいなと思いました」としみじみと語った。

対する上川は、甲本の1人2役について「この作品以外でも、彼が携わってきたさまざまな作品の芝居を見ておりますし、彼の演じられる幅の広さは、その時ごとに感心や驚きを伴いながら見ていることは確か」といい、「村木さんのようなどこか愛らしくて憎めないけれど、人のことは言えない変人ぶりであるところだとか、とんでもない毒をはらんだような人間も闇深く演じられる。今回のような役柄でも、どのようなアプローチをしてくるかは別として、彼なりにきっちりと構築して、僕がこれまで会ったことのないような人物と相見えることになるだろうなと思っていました。実際、それはその通りになりました」と賛辞を贈った。

最後に、今作の見どころとして、上川が「まずは、岡山の島々の風景。そして、繰り返しになりますが、今回は『遺留捜査』がジョーカーを切ったということなんですよね。甲本雅裕を2役に据えて、全く違った役柄として一つの物語に登場させたことが、どのように物語に絡んでいくかが何よりも見どころだと思います」とアピールすると、甲本は「プレッシャーですね」と恐縮。すると、すかさず、上川から「いや! もう撮ってるから(笑)!」と鋭いツッコミが。続いて、甲本は「上川くんが言ったことも含めて、今までと相も変わらない『遺留捜査』を皆さんにお届けできていればいいなと思います」と投げかけていた。

■『遺留捜査スペシャル』あらすじ

最新スペシャルの舞台は、瀬戸内海に浮かぶ架空の島、“蒼海島(あおみじま)”。そして、京都市内で不動産会社の営業スタッフ・坂上千尋(横山めぐみ)の遺体が見つかったことから物語が始まる。調べたところ、彼女はかつて蒼海島出身の男性と結婚し、島で暮らしていたことが判明。さらに最近、蒼海島の土地売買をめぐって島民とトラブルを起こしていた事実も浮上する。

そんな中、糸村(上川)は被害者が持っていた神秘的なガラス玉に魅せられ、蒼海島のガラス工房へ。そこで出会ったのは被害者の元夫でガラス職人の相良克典(甲本)。彼は殺された千尋の元夫であり、島の土地売却を強引に進めようとする千尋に強い憤りを抱いていたようで――。